世の中全てが異常である。 世界中の人々が羨ましがっていた戦争参加を否定する日本国憲法、それをいとも簡単に覆そうとする総理が登場しているというのに、総裁選挙に対立候補が登場することなく、無投票で再選されるという異常な政治の世界。 自民党がそれほど一枚岩であったかと笑いたくなってしまうほどだ。
一方、気象も異常。 突然発生した台風18号は発生からたった2日で本土に上陸、東海や関東地方各地で、これまでに経験したことのない大雨をもたらしている。 台風と言えばこのところの発生の様子が何か変である。 2、3つの台風が同時に発生したかと思うと、太平洋の遠い西の海上で発生したハリケーンが、大きさを保ったまま西に移動し、台風と名を変えて本土に接近。
秋の長雨もまた異常。 私の住む八ヶ岳山麓一帯では、このところ10日間ほど爽やかな青空にはまったくお目にかかっていない。 富士山もその姿を見せてくれる機会はほとんどなく、一時、垣間見えてもすぐに厚い雲に覆われて姿を隠してしまう。
さらなる異常と言えば度重なる殺人事件。 特におかしなのがその動機である。 従来の犯行理由と言えば、憎しみやお金欲しさがほとんど。 名古屋の女子学生の一度人を殺してみたかったなどという動機は聞いたことがない。 新幹線にガソリンを持ち込んで自殺を図った男も異常なら、平気で友達を殺す少年犯罪の多さもも異常。
自殺と言えば、最近の東京の電車、特に東武東上線における自殺件数は異常で、電車が運休しない日がない程頻繁に発生している。 人はそれほど簡単に自殺するものではないことを考えれば、人心がいかに異常をきたしているかが分かる。 東京では株式市場にもその異常が発生している。 2、3日下がり続けていた日経平均は、昨日突然値上がりに転じ、なんと1300円を超す上昇となった。
ここ26年ほどの間に、経験したことのない今回の急騰には、さほどの裏付けとなる要因はない。 中国や欧米の株価が少しばかり反発したのが唯一の要因、それもこの時期に1300円も急騰するほどの材料とは言い難い。 案の定、今日の前場は一時800円ほど下落している。 最近の市場はきちがい相場で、まさに鬼平犯科帳に登場する丁半博打(ちょうはんばくち)そのものである。
こうした異常続きの世の中を見れば、人類史のエンディングが刻一刻と迫っているのが感じられるはずだ。 今この時に至ってもそれが感じられないようならはじめからやり直し、再び3次元世界で厳しい人生のやり直しとなる。
それがどれほどむなしいことか、徳乃蔵に来られる方々にはお話しさせて頂いているが、卒業証書を持たずに新たな3次元世界に旅立つ人は、なんともお気の毒なことである。 お互いにそうならないように頑張りたいものである。