かねてから世界的な株価暴落が起きるとしたら、そのタイミングは9月から10月にかけてではないかと言ってきた。 そのきっかっけとなるのは米国市場か中国市場のいずれか。 中国市場は既にその前兆が8月から始まっており、第2段階が来週以降に始まれば中国政府が次なる買い支え策を講じることになるだろうから、しばらく戻した後の第3段階が大暴落の始まりとなるものと思われる。
景気減速が鮮明になっている中国と違って、米国はそれなりの成長率を保っているだけに、米国市場が先駆けとなる可能性は一見少なそうに見える。 しかし、米国には金利の引き上げの時期が迫っているという問題がある。
今月の連邦公開市場委員会(FOMC) の金利引き上げについては、市場の見方は中国の株価暴落でその確率は40%台に下がってしまった。 となると米国市場の暴落は当分先と言うことになってくるが、日本時間の今夜発表される雇用統計の数値次第では可能性は十分ありそうである。
その数値がいかなるものとなるかによっては、引き上げの確率だけでなく株価に対する影響度が大きく違ってくると、私は思っている。 就業者数の増加が22万人、失業率が5.2%というのが市場の予想であるが、発表される数値がこれより良い数値であれば、金利の引き上げの確率は高くなる。
一方、数値が予想以上に悪く、就業者数が20万人を下回り、失業率が先月と同じ5.3%だと、市場の金利引き下げの予測度は20%以下とさらに低くなるだろう。 金利引き上げは時期尚早と見なされる可能性が大きいからである。
いずれにしろ金利引き上げについては2つの注目点がある。 最初の注目点は16、17日に開かれる連邦公開市場委員会で引き上げが実施されるか見送られるかどうかであるが、さらなる注目点は就業者数の増加が低く、失業率の回復が見られなかった後者のケースで金利引き下げが実施された場合である。
この場合は、金利引き上げ先送りと見ていた市場の予想に反したこととなるだけに、株価下落への影響は甚大となることが予想される。 そうした事態となった時には世界的株価暴落の口火を切るのは米国市場となり、その影響は即
、中国市場に飛び火し、秋から年末にかけ日々、世界の株価暴落のニュースが紙面をにぎわすことになりそうである。
現在この記事を書いているのは、9月4日の午後6時、徳乃蔵閉店後の時間である。 あえて記事を米国の経済指標が発表される前に掲載することにしたのは、私自身、発表される数値に左右されることなく、現在の私なりの考えをまとめておきたかったかったからである。 あと
4時間もすれば数値が発表されるものと思われるので、読者も関心をもって見ておいて頂きたい。