富士山噴火先延ばしの謎を解く
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噴火から18ヶ月、拡大し続ける西之島 〈クリックで拡大)
掲載写真は全てNHKスペッシャル「新島誕生西之島」より転載
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本州の南へ約1000キロメートル、人の住む父島から船で8時間ほど西に位置する絶海の孤島、それが西之島であった。 その島のすぐ隣の海底から噴き出し
た溶岩で出来た新島が、あっと言う間に旧島を飲み込みながら拡大を続け、この1年8ヶ月ほどで旧西之島の数倍の大きさに急成長。
その間に噴出した溶岩の量はおよそ3億トン。 その量はこれまで日本の火山が噴出した量としては最大で,1983年の三宅島の2000トン、1986年の伊豆大島三原山の6000トンに比べて10万倍〜5万倍という桁が5桁も違うほどの膨大な量である。
また噴出している期間1年8ヶ月というのも、世界的にも極めて希な現象で記録に残されているものはないようである。 先日NHKスペッシャル「新島誕生西之島」で
、現在の噴火状況と島の様子が放映されたので,読者もご覧になられたことと思うが、今もなお巨大な島が出来つつあるその様子には驚かされたことだろう。
私が一番驚かされたのは、拡大し続けている島は3000−4000メートル級の巨大な海底火山から噴き出す溶岩によって形成されているのだが、その溶岩で出来た岩が安山岩という軽い岩石で出来ているという点であった。 なぜ驚いたのか? 通常海底火山の噴出する溶岩で形成される岩石は、安山岩に比べてずっと重いのが普通だからである。
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新しい西之島は重い岩石で形成されるはずなのに、なぜか軽い
安山岩で形成されている。 そこに新島形成の謎が隠されている
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重い岩石で出来た島はその重さ故に一旦は海面上に顔を出しても、時間の経過と共に沈んでしまい島として残ることが少ないのだ。 ところが今回NHKの取材班が同行した調査班の研究者が調査した結果、拡大し続けている新島は海底火山によって出来た島としては極めて珍しく、
軽い岩石・安山岩で形成されていたのである。
それゆえ、西之島は今後も海面上に顔を出した状態が続き、ユーラシア大陸やアフリカ大陸など世界の6つの大陸やその周辺の日本列島のような島々と同様、歳月の経過によって海底に沈み込んでしまうことはなさそうである。 つまり、今回の西之島の拡大は太古の地球で起こった大陸誕生の再現であると言うことになるのだ。
そこで問題となるのが、なにゆえいま西之島の海底から噴出するマグマによって安山岩が形成されるという、他に例のない現象が起きているかという点である。 また、どういうシステムで、近年の歴史にないないほどの大量の溶岩を延々と流し続けているのか、という点である。
地質学者や火山学者にとって、この2点は大きな謎であるようだ。 安山岩の形成については、調査班に加わったJAMSTEC〈海洋研究開発機構)の地質学者・田村芳彦氏は
、西之島の地下のマントルは海面近くにあって、そのマントルが何か特殊な作用によって軽い岩石〈安山岩)を形成しているのではないかと考えておられるようだ
が、その特殊な作用については謎のままである。
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富士山の地下から箱根山、大島、三宅島、八丈島地下を
流れるマグマは西之島地下へとつながっている。〈クリックで拡大)
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私がテレビを見ていて直感的に感じたことは、安山岩形成という特殊な要因は富士山噴火と深い関係があるのではないかということであった。
数年前から私の元に地震学者から伝えられた情報では、富士山地下のマグマはこれまでに何度も、山頂火口から数百メートル付近まで上昇してきていたようである。
その結果、山頂付近の山体膨張などが発生しており、いつ噴火が起きてもおかしくない状況が発生していた。 それがいつの間にか沈静化してしまっていたため、地震学者や火山学者たちは、その理由が理解できないでいた。 その不思議さ故に、「神の手」によって抑えられているとしか考えられないという声も、伝えられていたほどである。
学者が苦し紛れにつぶやいた「神の手」説は実は架空の話ではなく、実際、富士山が未だに噴火を始めないでいるのは、龍神様や宇宙人の力によって抑えられてきている
からなのである。 それが出来ているのは、湧き出る地下のマグマを彼らのスーパーテクノロジーを使って、周辺のマグマ溜まりに流しているからではないか、そして、その回避先の一つが西之島の海底のマグマ溜まりではないか。
私はそう理解していたのだが、今回の安山岩形成の事実はその考えを裏付けることとなったようである。
富士山は日本列島という大陸の上に存在している。 ということは、その地下に蓄えられているマグマは大陸を形成するのと同じ安山岩を産み出すことが出来るはずだ。
そのマグマが西之島のマグマ溜まりへと運ばれ、今回の噴火を引き起こしていると考えたら、安山岩形成の謎は一気に解けることにならないだろうか。
また、火山学者が感じている大量の溶岩を延々と流し続けている点も、富士山地下の巨大なマグマ溜まりから押し出されたマグマが噴出し続けているからと考えたら、説明がつくことになりはしないだろうか。 さらには
今もなお続いている箱根の噴火活動も、マグマの流れの通り道であるが故に発生しているとしたら、説明がつく。
専門家から見たら稚拙な考えかもしれないが、そう考えたら富士山の噴火が先延ばしされている謎も、西之島が海底火山によって人類史上初めてという大きな島になって来ている
謎も、さらには箱根の噴火活動の謎も、すべて解けてくるのではないかと思うのだが、いかがなものだろうか。
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火口から噴出する岩石は大きいもので3メートル 〈クリックで拡大)
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山頂は140メートルに達し、海岸に流れ出た溶岩は島を拡大し続けている
(クリックで拡大)
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闇に浮かぶ溶岩の流れ 〈クリックで拡大)
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