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火の車ギリシャに押し寄せる難民

 
 

 
 


ギリシャの低所得者層がこれから遭遇する世界は、一段と厳しくなりそうだ

 
     

財政危機を乗り越えようと悪戦苦闘しているギリシャ。 政府が当てにしている財源はEU〈欧州連合)からの850億ユーロ〈11兆円)の資本注入。 8月末をメドに交渉が続けられているが、たとえそれが実現したとしても、 これから先、ECB〈欧州中央銀行)からの借入金の返済のために、350億ユーロ〈4兆6000億円)が消えてしまう。 第一弾の返済32億ユーロが20日に迫っている。

さらに、民間銀行の救済のためにおよそ400億ユーロ〈5兆2000億円)が投入されることになる。 先週の16%を越す株式市場の暴落で、株価が半減してしまっ ているだけに急がねばならない。 そうなると残りはわずか1兆円余、これでは他の債務の返済に回す資金に枯渇してしまう。 これから先、ギリシャ 政府と国民はさらなる苦難を乗り越えねばならない。

そんな財政危機が続くギリシャにさらなる難問が降りかかっている。 それは押し寄せてくる難民問題である。 ギリシャはシリアやアフガンからの不法移民がヨーロッパで最も多く押し寄せて来ている国であるのだ。 不法移民はギリシャに留まろうとしてやって来ているわけではない。 彼らもギリシャが難民を受け入れるほど 余裕のある国でないことを重々承知しているからだ。

彼らはフランスやイギリスなど他のヨーロッパ諸国を目指しているのだが、その玄関口としてギリシャを経由しているだけである。 しかし、 ギリシャもまたEUの一国として不法移民をチェックし、一時的にしろ、避難生活用の施設と食料を提供しなければならない立場にあるのだ。 その移民数が8月の時点で、すでに昨年の7倍を超す数に達しているのだから大変である。

チプラス首相も財政危機の最中であり、一国で対応できる範囲を超えていると悲鳴を上げている。自国の低所得者層をどう支援したら良いか悩んでいるところに、難民が押し寄せて来ているわけだから大変だ。

 

6000万人を突破した世界の難民・避難民

 
 

 
 

 

 

我が国のように年間わずか数十人しか難民認定をしない国では、移民問題は他人事で済むが、多数の難民受け入れが急務となっているヨーロッパ各国は 、それぞれに財政状況が悪化してきているだけに、その受け入れ対策に頭を悩ませている。 フランスからイギリスに渡るためにユーロトンネルを超えてドーバー海峡を渡ろうとしている難民対策で、フランスとイギリスがその対策に 苦慮しているのもその一例である。

難民問題はヨーロッパに限られたことではない。 これから先、世界的な広がりを見せることになるのは必至だ。 その理由として挙げられるのが次の2点である。

@ 難民・避難民の急増する現実
A 今後の社会の混乱による戦争、内戦、動乱の多発による急増

先ず@については、今年、国連難民高等弁務官事務所〈UNHCRT)が明らかにした数値によると、2014年に紛争や政治的弾圧によって住む家を追われ、国外や国内各地に逃れた難民や避難民の数は既に6000万人に達している。

その内最も多いのがシリアとアフガンからの難民。  シリア難民の数はその内の60%に達し、アフガン戦争の後に発生したアフガン難民を上回っている。その内訳は国外難民が400万人、国内の避難民が760万人、両者を合わせると1160万人に達している。 彼らが最も多く避難しているのは隣国ヨルダン、レバノン、トルコで他の国々を合わせるとその避難先は100ヶ国に達している。

国連難民高等弁務官事務所〈UNHCRT)が明らかにした6000万人という数と世界の人口72億人を比較すると、なんと世界の人口の120人に一人が難民、国内避難民となっていることが分かる。 そこまで事態は悪化して来ているというのに、今もなお解決策は一向に見えてこない のが実体である。 さらに心配なのが、Aの社会情勢の混乱による戦争、内戦、動乱の多発化である。

これまでにしばしば講演会や著書、またHPで伝えて来たように、これから先、世界のあらゆる国々が社会的な混乱状態に陥って動乱や内戦が発生し、それを防ぐための戦争も起きてくる可能性が大である。 それは即、難民、避難民の急増となることは必死 で、我が国にとって最も危惧されるのが隣国・中国の動乱、内戦による難民発生である。 これまでに何度もお伝えしているように、それは大変な脅威となることは間違いない。

気候変動による巨大な自然災害が、世界的規模で広がりつつあることはご承知の通りであるが、それに難民問題が上乗せになって来たら、まさに世界は地獄と化すこととなる。 アセンションを前にして今人類は、カルマの刈り取りという 「産みの苦しみ」を体験しようとしているのだ。 これは人類にとって避けては通れない道であるだけに、よほどの覚悟が必要である。

これからの毎日、明るく愉快に、笑いのある日々を送ることがなにより大事である。 しかし、避難民問題という厳しい現実が 、我が身に降りかかる火の粉として、日に日に近づいて来ていることだけは忘れないでおいた頂きたい。

 

なお、難民支援をされたい方は、下記のどれかをご利用になられたらいかがだろうか。

国連UNHCR協会  振り込み口座 ゆうちょ銀行 00110−5−880511
国連WFP協会                  00290−8−37418
国境なき医師団                   00150−3−880418           




 

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