その先に待ち受けているものは?
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中東和平は瀕死状態、最悪の状況が近づいて来ている
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「中東・欧州さらなる不安」で記したように、パレスティナ対イスラエルの戦闘が終了してから1年余のパレスチナのガザ地区では、復興が一向に進まない中、今度はエルサレムの旧市街地である神殿の丘で、イスラエルの警察とパラスティナ人の若者との間で衝突が発生し、死傷者が出る事態となっている。
この事態を受けてイスラエルのネタニヤフ首相はイスラム教とユダヤ教の聖地であるエルサレムを視察し、パレスティナ人の投石などについて断固たる処置を執ると、宣戦布告とも思える発言をしている。 金銭的な損出を与えていくと語っているところを見ると、すぐに武力行使を行うと言うことではなさそうだが、貧困に悩むパレスティナ人をこれ以上困窮に追いやることは、武力衝突に火を注ぐようなものである。
また同じパレスティアン人が住むもう一方のガザ地区の状況は、さらに厳しくなっている。 昨年の戦闘行為で徹底的に破壊された町の復興はまったく進んでいない。 復旧に必要な鉄骨やセメントなどの建設資材の搬入が厳しく制限されているからである。 イスラエルはハマスの戦闘部隊に利用されることを阻止するためだと主張しているが、人道的観点からは許されることではない。
発電所の一つが破壊され復旧が出来ていないため、電気が使えるのは1日6時間が精一杯。 多くの人々が記録的な暑さの中冷房が使えず、厳しい暮らしを強いられたようである。 さらには、校舎が破壊され学校に行けない子供たちは戦闘訓練に引き出され、自動小銃の撃ち方を教えられている。 そんな姿を見ると、なんともやりきれない気持ちになってくる。
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ガザ地区がこれ以上破壊されたら人の住む町ではなくなってしまう
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1993年のパレスティナ暫定自治合意から22年、一向に最終合意に向けて進まない現在の状況を、パレスティアン、イスラエル両国の人々はどう見ているのだろうか? NHKが現地で取材したところでは、両国民とも「2国家共存」
はもはや不可能だと考えているようである。 多くの人がイスラエルが入植地の拡大を続け、右翼化が進んでいることをその要因に上げている。
和平の見込みが消え去ったとなると、1948年のイスラエル国家樹立以来、国家を持てなくなってしまったパレスティナ人はこれから先も、自分たちの国を持てないままイスラエルという国の中で、2級市民として隷属的な暮らしを続けていくしかない。 ガザ地区の失業率に至っては43%に達しており、若者の失業率は60%を越す世界最悪の水準である。
しかし、そんな人間としての尊厳を奪われ、生活そのものが成り立たないような状況にいつまでも耐えられるはずがない。 この先に待ち構えているのは、聖書が予言している世界最終戦争「ハルマゲドン」。 イスラエル軍とハマスとの戦闘はその火付け役となる可能性が大きく、 9月28日の最後の皆既月食〈テトラット)が近づいているだけに、気になるところである。
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