連日、次から次へと発生する終末的な世界情勢をお伝えして来ているが、今日はトルコ軍によるクーデター発生の衝撃的なニュースである。
今朝早朝のニュースは、トルコのユルドゥム首相が現地時間の15日夜、軍の一部の勢力によりクーデターが起きたことを発表。 また、エルドアン大統領は地元メディアに対して「このような状況は許されない」として、クーデターの試みは必ず失敗に終わらせるので、国民は街頭に出て抵抗するように呼びかけている。 一方軍の参謀総長が身柄を拘束されたとの情報もあり、反乱軍側からは占拠した国営テレビを通じて「全権を掌握した」とする宣言が発表されている。
現在、大統領や首相がどこにいるのか、また実際に実権を握っているのが政府側か反乱軍側かなど定かでない点が多いが、首都アンカラでは街の中で銃声が鳴り響き、ヘリコプターや軍用機が低空飛行を続けている一方、最大都市イスタンブールでは、軍によってヨーロッパとアジアをつなぐボスボラス海峡に架かる2本の橋が閉鎖され、空港も全て閉鎖されているようである。
こうした事態にいち早く反応した米国政府は、駐在する全ての米国人に対して屋内退避を警告していることを考えると、今トルコが大変な危機的状況にあることは確かである。 トルコはシリアと長い国境で接し、戦闘が続くシリア内戦やIS(イスラム国)との戦いに重要な役割を担っている一方で、欧州とロシアとの仲介役的な役割も担っている。 また、シリアやイラクからの難民の架け橋ともなっている。
それだけに、事態の成り行き次第では世界情勢の混乱の発火点ともなりかねず、これから先、世界の目はトルコへと注がれることとなりそうである。 クーデターの状況は時々刻々と変わってきているようなので、しばらく様子を見るしかないが、世界各地から発せられる連日のニュースは、今世界が厳しい状況に向かっていることを伝えているだけに、読者におかれてはご自身の目と耳でしっかり世界情勢を把握しておいて頂きたい。