このところ記載する記事はテロや内戦、難民問題、自然災害、政治家の腐敗 ・・・・・ みな暗いニュースばかり。 暗い気持ちに陥っているのは読者だけではない。 記事を書
いている私も同様、時には筆が進まぬ事もある。 しかし、「世の真実」を伝えようとしたら、心が暗くなるような記事でも書かざるを得ないのだ。 道楽や趣味でパソコンに向かっているのではないのだから。
しかし、今日は少しばかり心の憂さが晴れる、思わず笑みが漏れるような記事を書くことになった。
心の滋養になれば幸いである。 中国と言えば即、共産党の官僚たちの間に蔓延している「腐敗政治」が思い浮かぶ。 それは私の読者ならみな
一緒のはずだ。
今、中国では習近平主席が反腐敗運動を進めている。 しかし、その習近平や主要閣僚たち自らが、収賄の張本人となっているのだから笑いぐさだ。
彼らが権力を利用し不正な手段で手に入れたに巨額マネーが、バージン諸島などの租税回避地に保管されていることが明るみに出たのが「月とスッポン・天と地」に記載した
「パナマ文書漏洩事件」である。
もしも、不正なカネでなかったら実の姉の夫の名を使ってタックス・ヘイブンに預金する必要などないはずだ。 不正蓄財といえば、あの温厚そうに見えた
前・温家宝首相とその一族ですら、指導部入りした以降、27億ドル(2750億円)
という巨額の財産を蓄えていたことが「ニューヨーク・タイムズ紙」によって明らかにされている。
一共産党員に過ぎなかった男が3000億円近い富を短期間で貯め
たというのだから恐れ入る。 みなあの手この手の収賄のなせる技であることは言うまでもないことだ。 かように国のトップがこの有様だから、その配下の閣僚や官僚たちが腐敗していて当たり前。
不正蓄財を進めた彼らは我が身を守るために、先ずは家族を米国などに移住させ、貯めた悪徳資産をせっせと海外に送金している。 しかし、
自宅や事務所に保管している役人や官僚も多いようだ。 実はそんな輩の裏金や賄賂品のみを狙って、窃盗を繰り返していたという、まるで
ヨーロッパ流に表現するなら「ルパン三世」一味に例えられそうな窃盗団が今、中国で話題になり英雄視され始めているのだ。 なんとも愉快な話ではないか。
我が国にもかって、ルパン3世の日本版として知られている義賊がいた。「ネズミ小僧」である。 彼は江戸時代後期の寛政から天保のはじめにかけて(1797年〜1832年)、大名屋敷を専門に荒らした窃盗犯で、本名は次郎吉(じろきち)。 この
ネズミ小僧は「金に困った貧しい者に、汚職大名や悪徳商家から盗んだ金銭を分け与えた」と伝えられ、義賊として知られ
ていたことから、歌舞伎にもしばしば登場している実在の人物である。
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四代目市川小團次演じるネズミ小僧
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大紀元ニュースが「ルパン3世」窃盗団の様子を伝えていたので、その一部を転載させて頂いた。
9月10日、中国メディアの新京報が報じたところによると、合肥市の裁判所で窃盗罪に問われている窃盗グループ4人に対する公判が始まった。 窃盗団は、2006年から高官や役人関係者のオフィスや自宅のみに狙いを定めて、浙江省、河南省、湖北省、山西省など複数の省にまたがり25件にも及ぶ窃盗を繰り返していた。
窃盗グループがターゲットにしていたのは、汚職官僚のオフィスに隠されていた高級タバコや金券、高級腕時計、携帯電話、パソコン、各種ブランド品、宝飾品、冬虫夏草(非常に高価なことで知られる漢方薬で、賄賂によく使われる
)、現金など。
唐水燕容疑者は、マスコミの取材に対し「彼らはみな汚職官僚だ。私は彼らからしか盗んでいないが、彼らも盗んできたのだ」と語り、こうした賄賂の品々は、持ち主が不当な手段で手に入れたものであると、開き直っている。
こうした「ルパン三世」や「ネズミ小僧」一味による盗難事故で、盗難にあった一族が当局に申し出た被害額のなんと十数倍の隠し資産が露呈し、被害者の汚職が明るみになって、いま中国では役職を罷免される事件
が次々と起きているのだ。 その一例が、党書記も務めていた白培中なる官僚の盗難事故で、その詳細は以下の通りである。
7億円を盗まれた上に、官僚職を罷免された党書記
2011年11月13日、中国でも有数のコークス生産企業である山西焦煤集団の前董事長で、党書記も務めていた白培中の自宅から大量の現金が盗まれた。 白培中の妻が警察に届けた被害総額は300万人民元(約4600万円)だった。
しかし、逮捕された容疑者2人の供述によって、申し出た額よりも被害は大きかったことが発覚するところとなった。 その内訳は60万人民元(約9200万円)、100万元香港ドル(約11300万円)、27万米ドル(約2800万円)、300万ユーロ(約3億2000万円)に加え、金の延べ棒7〜8キロ、高級腕時計、ダイヤモンドの指輪、ネックレス、その他の宝飾品であった。
実際の被害総額は被害届けに記載された金額の約17倍に相当する5000万元(約7億6000万円)にも上ることが明らかになった。 この事件で白培中の財産問題が明るみに出て、1カ月後に白培中は官僚職を罷免され
るところなった。
今もなお、一般庶民が厳しい生活環境の下で必死に生き抜いている中、共産党幹部はおのれの立場を利用し、我が国では想像も出来ないほどの多額の賄賂を受け取り、私腹を肥やし
てきているのだ。 そんな輩たちが、盗賊団に襲われて財産を失うだけでなく、その地位も剥奪されるというのだから、なんともはや愉快ではないか。 大紀元ニュースを読みながら、私はテレビ「鬼兵犯科帳」を思い出していた。
一般庶民にとって彼らのような盗賊団はまさに英雄で、義賊としてもてはやされて当然である。そのような義賊の話など聞いたことのない昨今だけに、久しぶりに溜飲が下がる思いであった。(^_^)
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