シリア再び内戦状態へ
 

 


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狙われる病院・緊急医療施設

 
 

 
 


政府軍とロシア軍の空爆で破壊されたアレッポの町

 
 

5年間にわたって続くシリア内戦を終結させようと、国連が中心になって進めていた和平協議が中断されたのが2月の始め、その後、再開の機運はまったく見ら れないまま半年が過ぎようとしている。 当初、シリア政府軍とロシア軍はIS(イスラム国)に対する攻撃だけは続けると言っていたが、いまや、「政府軍 」と「反政府軍」の戦闘までが再開され、休戦前の状態に戻ってしまった感じだ。

どうやら私が予測していた通り、和平協議は完全に失敗してしまったようだ。 これで国連にはシリア内戦を止めさせるだけの力がないことが明らかとなった。  そんな状況を密かにほくそ笑んでいるのは「イスラエル」と闇世界の「武器商人」たち。 これから先、シリアだけでなく中東の混乱はますます激しく なっていきそうである。

実は、最近の戦闘状況を見ると単に内戦が再開されただけでなく、その状況が一段と悲劇的な状況に陥っているのが分かる。 それは、爆撃の対象が戦闘で傷ついた市民たちが駆け込む病院や救急治療施設にまで及んでいるからである。 その 悲劇的な町の一つが私の記事に何度も登場するシリア北部の「アレッポ」である。 

25万人が暮らしているアレッポの東部地区は反政府軍の支配下に置かれているため、7月中旬頃から政府軍とロシア軍によって完全に包囲され、人も物資も出入り出来ない状態となっている。  その上に病院や救急治療施設が爆撃の対象となっているのだから悲劇だ。 まさに地獄と化しているのだ。

7月23〜24日、病院4ヶ所と血液バンク1ヶ所が空爆されて施設の一部が破損、保育器に入っていた生後2ヶ月の赤ちゃんが死亡。 また7月29日には 地中海沿岸のラタキア県とアレッポの中間にあるイドリブで産婦人科病院が空爆されて多くの死傷者が出ている。

 
 

 
 


近くに爆弾が落ち、損傷した病院。 保育器に入っていた赤子が死亡している。

 
 

生活に必要なガスや重油、またパンや水もない上に、病気やケガを負った時に駆け込む施設までが空爆の対象となったのではたまったものではない。 さらに最近では、米国主導の有志連合軍も空爆に参加しているため、町はまさに地獄と化している。 その結果、医師や看護婦たちが外から町に入れないため、治療に携わる 医師や看護師の数が激減して来ているようだ。 

一方、ラタキア県ジャブラの町では、病院がISによる自爆テロに狙われる事態となっている。 5月23日にはバスターミナルで連続爆発が発生し、多くの怪我人が運び込まれた国立病院に兵士になりすました男が侵入し自爆テロを実行。 バスターミナルでの爆発と合わせて計100人ほどが死亡している。

国連によると、2011年の内戦開始以来、シリアでは医師や看護師ら700人近くが死亡しており、国連の安全保障理事会も医療機関への攻撃が増えていることに「深い懸念」を表明し、紛争当事者に対し、医療関係の安全確保を求める決議を全会一致で採択している。 しかし、 その後も残念ながら攻撃は一向に止まらず、ますます頻度が増して来ているのが現実である。

こうした悲惨な状況が続く限り、これから先も地獄から命がけで逃げ出した人々が、国の内外へ難民となって逃れていくことは必至。

ここ数ヶ月、まるで難民問題はどこかに消えてしまったかのように、マスコミで取り上げられなくなっているが、セルビアとハンガリーの国境地帯には、今もなお行き場を失った1000人もの難民が取り残されている。 彼らは水道の蛇口はたった一つ、トイレも10ヶ所しかない一時凌ぎの難民キャンプで、わずかな食料を奪い合いながら悲惨な暮らしを続けている。

欧州各国では難民問題が再浮上し国を二分する論争が始まり、EUの分裂問題へと発展することは必至。 こうして世の中は日に日に悪い方に悪い方にと進み、憎しみと争いが蔓延していくことになりそうである。

 
 

 
 


セルビアとハンガリーの国境地帯で悲惨な暮らしを余儀なくしている難民たち

 




 




 

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