またもや米国で銃による殺人事件が発生。 今回は黒人による白人警察官の射殺事件である。 7日、テキサス州のダラスで黒人差別に抗議するデモが行われている最中、元軍人の一人の黒人が警備中の警察官向かって発砲、平和裏のデモ行進は一転して、5人の死者と十数名の負傷者が出る惨劇へと様変わりしてしまった。 これで3日連続の銃による殺人事件発生である。
5日には南部のルイジアナ州で、また6日には北部のミネソタ州で、白人警官による黒人男性射殺事件が発生。 その場に居合わせた市民が携帯端末で撮影した映像がネットで流され、その行為があまりに理不尽で残虐であったことから、米国全土で白人警察官に対する抗議デモが発生している最中の出来事だけに、テキサスだけでなく米国中に衝撃が広がっている。
近年の調査によると、警察官による身体検査や肉体的暴力行為の80〜90%が黒人に対するもので、ニューヨークの連邦地方裁判所は「人種差別的で憲法違反」の判決を下している。 しかし、警察官による黒人やヒスパニック系の人々に対するこうした人種差別的行為は、一向に減らず、5日と6日のルイジアナ州とミネソタ州の事件となって再発したわけである。
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警察の爆弾ロボットで爆殺された容疑者は、アメリカ軍の元予備役だった。
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白人の黒人やヒスパニック系の人々に対する行為は、人を人と思わぬ蔑視の心が要因であるが、黒人たちの行為は白人に対する憎しみの心が引き起こしたもの。 その蔑視と憎しみの発生の歴史をたどれば、行き着く先は米国の建国時代へとさかのぼり、アフリカからの黒人奴隷移民にたどり着く。
白人と黒人との間の蔑視と憎しみの感情がどれだけ深いもので、容易に解消できるものでないことを今回の一連の事件は示している。 もちろん、全ての国民がこうした蔑視と憎しみの心を持っているわけではないことは、白人警官に抗議するデモに多くの白人が参加していることを見れば明らかである。 それだけに今回のような事件を見るたびに心が痛む。
憎しみの連鎖は今や米国だけでなく、世界中に広がっている。 黒人と白人、ヒスパニック系と白人、さらにはイスラム人と白人との間に生まれた蔑視と憎しみの感情は、米国だけにと止まらず先の英国のEU(欧州連合)からの離脱によって、ヨーロッパ中や中東全域に加速度的に広がっている。 生命エネルギーの照射によって、人の「心の素」が発現してきているだけに、その広がりが心配だ。 読者におかれては日常生活の中で、常に「冷静な心」を保つよう心がけて欲しいものである。
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