成果ないままG20閉幕
 

 

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成果ないままG20閉幕
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一段と混迷を深める世界情勢

 
 

 
 

 

 
 

中国・杭州で開かれていたG20サミットは5日、首脳宣言を採択して閉幕。 主催者の習近平主席は高らかにその成果を誇示して会議の終了を宣言したが、実りある成果は何一つ出ないばかりか、中国自身の過剰な鉄鋼生産を巡る厳しい指摘が課題を浮き彫りにする会議となった。

今回の会議の主要な目的であった低迷する世界経済の成長を促すための政策として、「金融政策」、「財政政策」、「構造改革」などの政策手段を個別または総合的に実施することが発表されたが、参加国首脳からは、なんら具体的な実現性の高い提案はなされなかった。

「金融政策」の要であるカネのばらまきについては、日本をはじめ欧米各国や中国、ロシアなど既に出し尽くしており、ばらまきの余裕はないのが現状である。 また、金利の引き下げもゼロ金利政策や史上最低の金利政策を行っており、もはや打つ手がなくなってきている。

また、今回の会議の合間を縫って行われたのが各国間の首脳会談であった。 米国のミサイル配備を巡ってぎくしゃくしてきている中国と韓国、両首脳の会談ではこの問題は何ら進展せず、むしろこれから先、G20会議を終えた中国は韓国に対する制裁を強化する可能性が強く、両国間の関係は一段と悪化する可能性が大きい。

 
 

 
 


シリア和平協議に関しては、オバマ・プーチン両首脳会談でもなんら進展は見られなかったようだ。

 
 

注目されていたオバマ大統領とトルコのエルドアン大統領との会談でもさした成果は得られなかったようである。 また、空爆やテロによる悲惨な状況が激しさが増す一方のシリア情勢を巡っての、オバマとプーチン両大統領の会談。 1時間半に及んだこの首脳会談も中身のないまま終わったようだ。

会談後、プーチン大統領は「シリア問題が解決に向かう一助となる方法に一歩踏み出した。 数日の内に合意を実現できるだろう」という楽観的な見通しを発表していたが、 一方、オバマ大統領は「両国間の隔たりは最後まで埋めることが出来なかった」と実りのない会談であったと語っている。 

この両者の見解の違いは、恐らくプーチン大統領から新たな提案が出されたのだろうが、それが米国にとっては受け入れがたいものであったことを物語っているようである。 シリア情勢に限らず、ウクライナ問題、トルコと欧米との関係悪化、サウジアラビアとイランとの対立 ・・・・・・ 一事が万事、全ての難問が解決にはほど遠いまま動いており、日に日に危機の度合いは増す一方である。

いずれにしろ、世界的な経済低迷によって、これから先各国は保護主義に向かい、協調関係は次第にぎくしゃくしてくることは間違いない。 追加利上げの有無や今後の利上げペースの見通しが発表される、今月の米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)の会合次第では、くすぶり続けている世界経済の混乱は火の手を上げることになるかもしれない。

最近の上空の空模様と同様、世界情勢は全ての面において暗雲が漂い、その暗さは次第に増すばかりである。

 

 

 




 

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