米国初の女性大統領候補
 

 


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割れる民主党、党内の結束は出来るか

 
 

 
 


ヒラリー反対! 民主党全国大会の会場前では、クリントン氏不支持を
訴えるプラカードを掲げた、サンダース派による集会が開かれていた。

 
 

米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開幕した民主党全国大会は2日目の26日、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)を党の大統領候補に正式指名。 これで、米政治史上、主要政党では初めての女性候補として、11月8日投票の大統領選で共和党候補の実業家ドナルド・トランプ氏(70)と対決することとなった。

共和党全国大会の様子は、先日「今度はドイツでテロ」でお伝えしたように、会場前ではドナルド・トランプ氏に対する反対集会が開かれる一方、会場内ではトランプ氏と大統領指名を争ったクルーズ上院議員がトランプ氏への支持表明がなかったことからブーイングが起こり、クルーズ氏夫人が急ぎ会場を出る一幕もあった。

まさに共和党内の亀裂が鮮明になる大会となったわけだが、今回の民主党大会でも同様な事態が起きた。 内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した民主党の全国委員会のメールの漏洩によって、候補者選びに関して、全国委員会がサンダース氏の躍進を阻もうとしていた疑いが浮上し、その事実を認めた全国委員会のシュルツ委員長が全国党大会開催の直前に突然辞任、大会の議事進行役から降りることとなった。

それを知ったサンダース氏を支持してきた人々によって、会議場前で抗議集会が開かれ、「ヒラリーではだめだ!」などと書かれたプラカードを掲げ、クリントン氏の大統領候補指名に反対する抗議が行われた。 まさに数日前の共和党大会と同じ風景である。

 

 

 
 

 
 


史上最大の憎まれ者といわれているヒラリー・クリントン氏は
民主党内をどうやってまとめていくのかその手腕が問われる。

 
 

唯一違った点は、クリントン氏と長く熾烈な争いを続けて来たバーニー・サンダース氏は、クリントン氏への支持を表明し、民主党の団結を呼びかけたことであった。 しかし、初日の大会では、サンダース氏を支持する人々からはクリントン氏への支持が語られるたびに、大きなブーイングが起きていた。 やはりクリントン氏への嫌悪感は相当大きいようである。

唯一の救いは、2日目に行われたミシェル大統領夫人の支持演説であった。 「私は奴隷たちが建てた家の中で毎日目を覚まします。そして私の美しく賢い2人の黒人の娘たちがホワイトハウスの庭で犬と戯れている姿を見ています」「これから先、娘たちはヒラリー・クリントン氏によって女性が大統領になるのが当然だと思うようになるのです」といった主旨の演説は会場内の人々に感銘を与え、サンダース氏支持者たちの目にも涙が浮かんでいた。

これでいよいよ、11月の本選挙に向かって進むことになるわけだが、明らかにされた指名争いの疑惑はわだかまりとして残ることは避けられないだけに、ヒラリー・クリントン氏もしっかり頑張らないと、初の女性大統領の誕生は夢と終わってしまいそうだ。 因みに、数日前に発表されたアンケート結果は、ドナルド・トランプ氏が3%程リードとなっている。

別のアンケートではサンダース支持者の内、クリントン氏へ投票すると答えた人の数は55%しかなく、22%がなんとトランプ氏に投票すると答えている。 TPP反対や低所得者への支援という点でトランプ氏とサンダース氏には共通点があることがその理由と思われるが、クリントン氏を嫌悪する気持ちがそうさせている面も強いようである。

最終的には、クリントン氏の当選となるのではないかと思うが、もしも、トランプ氏が勝利するようなら、彼は短い期間で政治生命を絶たれることになるかもしれない。 グローバル化を進める「闇の勢力」にとって、グローバル主義のクリントン氏に対して、米国第一主義を掲げるトランプは不都合な人物であるからだ。

いずれにしろ、米国が覇権国家から衰退していくことは避けられず、これから先、米国国民は日々それを実感することになりそうである。




 

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