「鉄火場」と化したアメリカ株式市場

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  サブプライムローンが揺るがすアメリカ経済
 





 


 
 


ニューヨーク証券取引所

 

昨年の今頃から騒がれ始めたのが「サブプライムローン問題」である。年末から今年の初めにかけ、アメリカのシティーグループやモルガン・スタンレー、メリルリンチ、また欧州では、USB(スイス)やRBS(英国)、ソシエテ・ジェネラル(フランス)等 がかなりの痛手を受けたと噂されはじめ、実際に2008年の1〜3月の決算で、各社が数千億円から数兆円の損失を計上するところとなった。

それに伴い米国やヨーロッパを始め中国や日本の株価は一気に下落し始めた。昨年10月、14200ドルに達していたダウ・ジョーンズ30種は、1月末にかけ11600ドルまで急落、また、ロンドンのFT100も、6750ポイントから5300ポイント近くまで下落するところとなった。
 

予想に反して反転上昇したアメリカ株

しかし、このまま本格的な調整局面に入るのではないかと思われた矢先、市場の一部から「サブプライムローンは山を越えたのではないか」という観測が盛り上がって、私が「アメリカ大恐慌の予兆」で懸念した ような大幅な下げ局面は発生せずに、株価は一気に盛り返し始めるところとなった。

一旦回復基調に入ると、下げの要因などどこに行ってしまったかと思われるほど楽観ムードが蔓延するのが、株式や債券、為替市場の特徴である。元々この世界、金(かね)の亡者と化した魑魅魍魎(ちみもうりょう)どもの騙し合いの 一面をもっているだけに、最後の一稼ぎをしようとする輩 (やから)達が、再びバーチャルな架空相場を盛り上げて株高を演出していくところとなったというわけである。

目前に迫った緊急事態に目くらましをかけ、側面から上昇相場を演出したのが、アメリカ財務省と連邦準備制度理事会(FRB)である。グリーンスパンから変わったバーナンキ議長とポールソン財務長官がしたことは、ただ一つ、市場へのドルの垂れ流しであった。それも尋常な量ではない、日本の国家予算に近い膨大なドルを刷って市場に流し込んだのだ。

さらに公定歩合をわずか4ヶ月で2.75%も引き下げ、併せて大規模な所得減税を実施。これだけの荒療法を施したのだから、ウォール街の魑魅魍魎たちは再び我が世の春が来たとばかりはしゃぎまくるのは当然の成り行きだ。その結果、ダウは2月から5月にかけて一気に上昇し始め、13136ドルまで盛り返し、ロンドンのETもまたダウの動きを追うように、6400ポイントへと切り返し た。


スタグフレーションの発生

しかし、この上昇相場を支えた荒療法には思わぬ落し穴が待ち受けていた。

その一つは、あふれ出したドルの一部が行き場を失って商品相場へと流れ込んでいったことである。その結果、穀物価格や石油価格が鰻登りに高騰し始め、アメリカのみならず世界的にインフレの兆候が一気に高まる ところとなったのは、先刻読者もご承知の通りである。

インド(12%)や中国(7.1%)のみならず、アメリカでも、6月には、消費者物価指数の上昇率が前年同月比5。0%と17年ぶりの高い伸びを示し始めている。こうしたインフレの流れを止めることは、穀物市場や石油市場に注がれている投機マネーを強制的に回収させない限り不可能である。しかし、それが出来ないことは、先に行われた洞爺湖サミットを見れば明らかである。

このインフレーションの予兆が見え始めた中、経済の低迷が一段と鮮明になってきた。それは住宅着工件数の減少と住宅価格の大幅な下落、消費のバロメーターである自動車販売の落ち込み、それに失業率の上昇を見れば明らかである。

マイナスになると予想されていた4〜6月期の実質成長率が1.9%とプラスになったのは、所得税の大規模な戻し減税によるためで、減税効果が消える秋以降の下振れリスクは 大きな不安要素となっている。こうしてみてみると、どうやらアメリカは「スタグフレーション」(経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態)の波に 飲み込まれ始めたようである。

   
 


住宅着工件数は17年ぶりの低水準にある

 


こうした状況下で、、社会的に大きな影響力を持ちながら経営危機に瀕しているのがサブプライム問題危機から脱却出来ずにいる金融機関や石油の高騰で急激な収益悪化に陥っている自動車産業、航空会社などである。

先月末、金融大手の4〜6月期の決算発表が相次 いだ。8000億から1兆円に達するサブプライムローンの損失を計上したリーマンブラザーズやメルリリンチ、シティーグループ各社は軒並み大幅な赤字決算となり、 サブプライムローンの損失が一向に改善されずにいる実体が浮き彫りになった。

こうした金融大手の赤字決算をみると、アメリカ財務省と連邦準備制度理事会(FRB)が市場投入した40兆円近いドルは、破綻への一時しのぎに過ぎ ず、むしろ、ハイパーインフレの元凶となったようである。

もはや、膨れあがったサブプライムローンの損失を小さくする手立てはただ一つ、住宅市場が回復し、住宅価格が再び上昇するのを待つしかない。しかしながら、住宅バブルの破綻はアメリカ一国に留まらず、ヨーロッパ諸国や中国などでも発生しており、一朝一夕に回復させられる状況にないことは明らかだ。

それを一番よく知っているのが、十数年にわたって煮え湯を飲まされ続けてきた我が国の投資家たちのはずだ。 現に最近の統計数値を見ると、価格の上昇など夢のまた夢で、アメリカ主要10都市の住宅価格指数は最高だった06年6月と比べて20%も下落し、さらに10ポイントを超えて下がり続ける と予想されている。

 

始まり出した金融機関の破綻

そんな手詰まり状態の中で発生したのが、アメリカ政府系住宅金融機関2社、ファニーメイとフレディーマック社の資金繰りの悪化である。 両社は日本で言うなら日本住宅金融公社のような存在であるが、その規模は一桁も二桁も大きく、アメリカ国内の金融機関や投資家は勿論のこと、世界中の公的機関や大手金融機関が 100兆円を超す債券を保有している。

そのため、2社がそのまま倒産という事態に立ち至るなら、世界中にばらまかれた膨大な債券が紙くずとなってしまうことになり、大変なことになる。それゆえ、アメリカ財務省と連邦準備制度理事会は 、直ちに政府の融資枠の拡大や政府の株式の買い取り、緊急融資などで2社の破綻を防ぐ救済案を発表 、アメリカ上院は7月26日、土曜日の極めて異例な審議を行い、可決された。

これで当面の経営危機を回避し、株価の下げも一段落すると政府当局は考え ているようだが、そうは問屋が卸してくれそうもないのだ。というのは、政府系住宅金融機関2社の破綻に追い打ちをかけるように、民間の住宅ローン大手のインディマック・バンコープ社 や地方銀行の経営破綻次々とが明らかとなってきたからである。

インディマック・バンコープ社の倒産は米国では20年ぶりの大型破綻で、経済界に大きなショックを与えるところとなった。同社はとりあえずアメリカ連邦預金保険機構(FDIC)が管理することになったものの、営業開けの初日から信用不安が強まり、各店舗では、開店前に預金者ら数百人が列をなす事態が発生するところとなった。

さらに、それから半月もしないうちに、新たに、ネバダ州のファースト・ナショナル・バンク・オブ・ネバダとカリフォルニア州のファースト・ヘリテージ・バンクの 2社が経営破綻、アメリカ中の預金者に大きな 波紋を広げ始めている。

これらの銀行が所属しているアメリカ連邦預金保険機構によるペイオフでは、顧客の預金は一人10万ドル(1050万円)までは保護されることになっ ているが、金融機関の破綻によるペイオフが今年に入ってからだけでも既に7件発生しており、FDICのペイオフ資金も大分少なくなってきているようである。

それだけに、もしも、今噂されている100社とも150社とも言われている中小の金融機関の破綻が現実となり始めた時には、ペイオフ資金が枯渇してしまっていて、預金者の救済が不可能になる ことは間違いない。それゆえ、アメリカの預金者は次第に疑心暗鬼になってきており、取引先の金融機関の倒産が噂に上れば、一気に引き下ろしに走る懸念が広がってきている。昨年イギリスで起きた預金引き出し騒ぎが思い出される ところである。
 

 

 
 


経営破綻したインディマック・バンコープの
張り紙を見つめる顧客

 


異様なダウの値動き

ところが、アメリカの株式・「ダウ30種」の動きを見 ていると、あたかもスタブレーションの発生や金融機関の破綻危機などさしたる懸念材料ではないが如く、11500ポイント前後に留まって上昇と下降を繰り返しており、一向に 一段の下げに向かう気配が見えない。

11500ポイントは最高値の14200ポイントからわずか20%下げの水準でしかない。日本の株価がピークの3万9000円から8000円弱まで下げたことを考えると、よくま〜こんな水準で下げ止まっている ものだと、不思議に思えてならならないところである。

実は、18年前、日本の株価が3万9000円の最高値から下降し始めた時には、景気の悪い企業などどこにも見当たらなかったのだ。だから日本の証券会社や投資家 たちは、なぜこれほど下がるのか理由が分からず、もうすぐ上がる、もうすぐ反転すると思いこんでいるうちに、ずるずると下げて、いつの間にか半値の2万円を割り込む状態に至ったのだ。

何のことはない、奇々怪々の日本株の下げは、日本叩きとユダヤ系金融機関の荒稼ぎが演じた一大イベントであったのだ。投資家たちの一部が、ようやくそれに気づき始めたのは2万円を割って、さらなる下げが一段落する頃であった。時すでに遅しである。

当時私は、1兆数千億の資金を運用する部署の責任あるポストにいたので、その時の経緯を鮮明に覚えている。会社の持つ保有株の含み資産が日に日に十億単位で減っていくの を眺めているのは、決して気持ちの良いものではなかった。 ヘッジファンドを保有したり、プットオプション(株価が下がると利益が出る商品)を買ったりして、目減りを少しでも無くそうと苦労した日々を思い出す。

読者は覚えておるか分からないが、山一証券や日本債権銀行などが経営破綻に陥ったのは、それよりずっと後のことであった。ところが、 今のアメリカの金融事情を見てみると、既に大銀行や大手の証券会社が何千億から何兆円の赤字決算を繰り返し、この1年で数兆円規模の赤字を 計上しているのだ。さらに、住宅資金を供給する公的な立場にいる供給公社2社でさえ、そろって破綻に追い込まれているのである。それなのに、ダウ平均は未だ15%〜20%の下げで留まっているのだから、異様としか言いようがない ではないか。

 

資本主義経済の崩壊へ

航空会社や自動車メーカー大手の業績も相当ひどいようだ。中小の航空会社は既に幾つかが破綻状態に至っており、大手5社も、デルタ航空やAML航空などが4〜6月期の決算で、1000億円から2000億円の赤字を発表している。自動車メーカー に至っては、さらにひどい状況に追い込まれている。先月フォード・モーターが4〜6月期の決算で9300億の大幅赤字を発表したばかりであるが、今月1日に発表されたゼネラルモーターズ(GM)社の経営内容も想像以上に厳しいものになっている。GM社の4〜6月期の当期損益は1兆7000億弱に達し、4半期連続の赤字で通年では3兆円を超す損失を計上している。

GMといえば、20年ほど前だろうか、『晴れた日にはGMが見える』という本が出版され、世界に冠たるスーパー企業のイメージを強くしたものだ。その超優良企業が、20〜30年前までは取るに足りなかったトヨタに抜かれ、今やリストラや事業再編を急がなければ、破綻さえあり得る状況に陥っていることは、なんとも恐ろしい限りである。「奢(おご)れるもの久しからず」とはよく言ったものだ。

このように大手企業の相次ぐリストラを受けて、失業率も次第に悪化してきている。アメリカ労働省が今月1日に発表した7月の失業率は、前月より0.2ポイント悪化して5.7%に上昇、4年4ヶ月ぶりの高水準 である。市場は、解雇が金融だけに留まらず、小売り、交通、建設など幅広い業種に広がる兆候を見せておることから、6%台になるのも時間の問題と見ている。

こうした極めて厳しい環境にあるにもかかわらず、株価の状況を見ると、雇用統計や消費者動向を示す指標の悪化を受け、7月末にかけて 下降局面に入ったものの、11,000ポイントを割ったところで底打ちして再び盛り返し、先週末時点で11326ポイント、最高値から20%程度の下げのレベルで留まっている。

本来なら、4〜6月期の大手金融機関の巨大な赤字決算が発表された段階で、大幅な下落相場が始まっていなければおかしいのに、数千億もの赤字 が発表されているのにもかかわらず、アナリストたちの事前の予想より少なかったなどという馬鹿げた理由で、上げ相場を演じている博打(ばくち)相場を見ていると、どうやら、株式市場という名を借りた鉄火場で、最後の一相場を目論んでいる集団がいるようだ。

彼らこそ、日本株の急落相場を仕組んだ、かの一団に他ならないのだ。自業自得、巡り巡って今度は自分たちの博打場(ばくちば)で、火の手が上がり始めたのだから傑作だ。完璧に仕組んだはずの市場経済、しかし、日月神示で言うところの「神一厘の仕組み」の発動の前には、彼らとて、なす術(すべ)があろうはずがない。後はただ、こざかしい悪あがきがしばらく続くだけだ。

ここ1週間ほどの値動きを見ると、200〜300ポイントの値幅の大きい上昇、下降が繰り返されており、先行き大きな動きが発生する予感がし始めている。上がるにしろ、下がるにしろ、相場が大きく動き出す直前には 激しい上下運動を始めるのがこの世界の常である。

経済の常識からすれば、当然下げに向かうはずであるが、性懲りのない博徒たちの悪あがきを見ていると、まだしばらくは、逆行高を演じ、12000〜12500ポイント位まで上昇する可能性 もありそうだ。
 

 

 
 


「鉄火場」と化した、ニューヨーク証券取引所のディーラー

 



やがてやってくる「秋の日のつるべ落とし」

彼らと同じムジナとなって延命工作を演じているのが、メリルリンチやシティーグループの経営者たちである。 1年間首をつなげば、何十億もの収入がある連中だから、そのあがき方も尋常ではない。まやかしの決算発表やその後の増資計画などマスコミに発表される内容を 精査すれば、彼らの最後のあがきの実体が見えてくる。

その一面が、シティーグループの決算発表の日程に現れている。実は4月に行われた8ヶ国蔵相会議(G8)において、サブプライムローンの損失状況を詳細に発表するまで に、100日の猶予期間が設けられた。それ以降は、細工をせずにすべての損失状況を開示することが、義務づけられたのだ。

ところが、シティーグループの決算発表の日はうまいことに、それより2日前に行われることになった。たまたまそうなったのではない、意図的にそうしたのだ。それは、猶予期間内であることを利用して、まやかしの決算発表をするためと思われる節が見え隠れしているからである。 これを最後の悪あがきと言わずになんと言おう。

その結果、先述したように、決算の赤字幅がアナリストの予想した数値より少なめであったために、シティー・グループのみならず他の金融株が大幅に上昇することになったというわけである。 猶予期間を過ぎた10月末に発表される、次の7〜9月期の決算内容を見ればその事実がはっきりするはずである。

一方、メリルリンチは先日、9000億の資本増強を発表した。7〜9月期の決算で サブプライムローン関連の証券化商品で新たに6100億円の評価損を計上するための措置である。しかし、、この9000億円の増資の大半がなんとも見事なまやかしであることが判明したのである。

そのわけを話そう。 増資の主要な引受会社として、およそ増資の半分を引き受けることになったのがシンガポール政府系投資ファンド(テマセク・ホールディングス)である。 引受先が政府系ファンドということ自体に大きな問題があるのだが、それはさておき、問題はその中身である。よく調べてみると、引き受け増資金34億ドル(3700億円 )のうち、25億ドル(2700億円)は、先に増資引き受けをしてもらった62億ドルに対する、株価下落の『損失補てん金』としてファンド(テマセク)に振り込まれることになっている金なのだ。

つまり、何のことはない。9000億円もの増資をすると言いながら、実はそのかなりの部分が、このように投資先に天引きされる資金であったというわけである。これでまともな「増資」と言えるだろうか?  こうした行為を日本の辞書には「まやかし」と書いてある。

他の引受先については詳細が発表されていなので調べようもないが、大なり小なり同じことが言えるのではないかと思われる。となれば、3分の2近くがまやかしの増資と言うことになってくる。しかしながら、目先の利益に目がくらんだ投資家たちは 、このような苦し紛れに行った実体のない増資の実態を把握することもなく、増資が出来たから安心と、株式購入に飛びついてしまうのだから恐ろしい。

こうした金の亡者や博徒たちが、知恵を振り絞って延命工作を計って上げ相場を展開しているのが、 ダウが未だに大幅下落をせずに、高水準で株価を維持し続けている真相なのである。

しかし、これから先、仮に彼らの思惑通りに多少の上げ相場が実現したとしても、それは消えるローソクの最後の炎に過ぎないことは先に述べた通りである。物事にはすべて潮時というものがあるからである。 その潮時は、早ければ8月末から9月にかけて、遅くとも年明け早々にはやって来るはずである。その後に待ち受けているのは、奈落の底に向かう「秋の日のつるべ落とし」 だ。その落日の秋には、大恐慌の嵐が吹き始めているかもしれない。

年内に発生する中国の惨禍の後に待っているのが、アメリカの大規模な自然災害である。これらは原油高、住宅下落、雇用悪化の三重苦に苦しむアメリカ国民の消費者心理に 、一段と大きな重しとなって襲いかかることになるはずだ。ジュセリーノ氏が予言している9月のエンパイヤステートビルのテロが発生すれば、それ もまた、株式市場崩壊への強力なきっかけとなるに違いない。

ジュセリーノ氏は2010年5月13日をもってニューヨーク市場が閉鎖になると予言している。ウオール街の閉鎖は恐らく世界の資本主義経済の崩壊を意味することになるであろうが、それまでに残された期間は、あとわずか2 0ヶ月余である。事ここにいたって、今、アメリカ政府に残された生き残りの手段は一つしかない。金や穀物とリンクした新ドル刷「アメロ」の発行か、意図的なスーパーインフ レによるデノミの実施だ。

超インフレが続くジンバブエの中央銀行は先月30日、100億ジンバブエ・ドルを1ジンバブエ・ドルとするデノミ(通貨単位の切り下げ)を8月1日に実施すると発表したが、大国アメリカも、後進国のお粗末な姿と笑ってなどいられないかもしれない。
 

 

 

 

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