オリンピック目前 中国に衝撃が走る
北京から北西へ約3400キロ離れた新疆ウイグル自治区の辺境の都市カシュガル市で、昨日(8月4日)、地平線に太陽が昇った直後の6時30分ごろ(北京時間では午前8時ごろ)、国境警備隊が襲撃され、警官16人が死亡、16人が負傷するテロ事件が派生した。事件は、集団早朝訓練を終えた国境警備隊員らが施設に戻ったところを、犯人の2人組がの転する車両が襲撃、男二人がナイフで切りかかり、持っていた手榴弾を投げ入れたものだという。
五輪開催を前にして雲南省のバス襲撃テロなど、このところ中国各地でテロの発生が相次ぎ、中国政府内に大きな動揺が広がっているようである。特に今回のテロは胡錦涛(フーチンタオ)指導部にとって大きな衝撃となったようだ。中国中央テレビが4日午後に一度は事件を報じながらも、視聴率の最も高い夕方7時のニュースでは一切触れなかったことが、事件の深刻さを象徴しているようである。
新疆ウイグル自治区では今
オリンピックを前にして、いま中国軍や公安当局が最も警戒をしているのが新疆ウイグル自治区であるが、なにゆえであろうか?
それは新疆ウイグル自治区は、中国からの独立を目指すトルコ系イスラム人であるウイグル族人の内、840万人に及ぶ最も多くのウイグル族が居住しでいる地域であると同時に、独立を支援する「東トルキスタン・イスラム運動(EITM)」の活動拠点となっていると思われているからである。
新疆ウイグル自治区は別名「東トルキスタン」(ペルシャ語でトルコの土地の意)と呼ばれるように、イスラム世界であるカザフスタンや、キルギスと接しており、かってはシルクロードの舞台として、東西文明が交わる要所であったが、18世紀に清朝の間接的な統治下に入り、19世紀には「新しい領土」を意味する「新疆」という地名となっていたが、1949年の中国共産党介入によって中国に併合され、現在の新疆ウイグル自治区となったという経緯がある。
現在、新疆ウイグル自治区は、名目ばかりの首席にウイグル人を置くことで自治区であるとされているが、その統治する実権は完全に共産党の書記が掌握しており、主要なポストは漢民族によって占められているというのが実体である。ここに住む漢民族の人口は、ここ50年で20倍以上に膨張、ウイグル民族の同化を目的として、民族の命であるウイグル語も学校教育の中で奪われ、中国語教育が行われている。
さらに、ウイグル人の人口抑制政策として、特別な産児制限が行われており、2年前から若いウイグル人の未婚女性を年8万人、5年計画では40万人を内地に強制的に移住させて働かせている。また、ウイグル人の信仰するモスクに対する破壊も始まり、民族の歴史と文化に関する出版もまた制限されてきており、現在も大量の漢民族の移住計画が、当局の主導の元で進められているようである。
一方、新疆ウイグル自治区は石油、石炭などのエネルギー資源が豊富な地方でありながら、その資源もほとんど全てが北京の中央政府によって吸い上げられ、その地に住む住民は何らの恩恵も受けていないようだ。また、核実験が過去46回も実施され、被爆者70万人を出す被害が発生していると言われている。
敵国からの襲撃の危険性が高いミサイルの発射場はチベット地区に、それに伴う核施設は四川省に、そして核実験場は新疆ウイグル自治区や内モンゴル区に設け、中華人民の多くが暮らす北京や天津、上海周辺は、安全を確保している。
こうした共産中国政府の行っている中華思想の実体を知れば、チベット人ならずとも、ウイグル族の人々が、共産党政権の理不尽な政策や圧政に強い反感を持つのはうなずけるというものである。しかし、今までは、彼らが政府の押しつけてくる様々な政策に抵抗しようとしても、圧倒的な人民解放軍の力で押し込められてしまい、政府の思うようにされたままであった。
それが今、幸いなことに、世界中の耳目が集まるオリンピックが開催されようとしており、自分たちの抵抗運動が、ようやく日の目を見るチャンスが到来したというわけである。それだけに、今回始まった一連のテロ行為や暴動は、政府や軍がいくら押さえつけようとしても、そうたやすく押さえ切れるものではなさそうである。政府の指導部が昨日のテロ事件を深刻に受け止めざるを得ないのもそれゆえである。
新疆ウイグル自治区で不穏な動きが発生しているのには、もう一つの理由があるようだ。それは、この地区がこの数年、ひどい干ばつに見舞われ続けており、農作物の収穫量が極端に減少し、牧草業も大打撃を受けていることである。現地政府は、電動ポンプ井戸の建設を行い、節水農業の発展や節水灌漑技術を全面的に広めることにつとめているようであるが、農民や牧畜業者の不安や不満を抑えるまでには至っていないのが現状であるようだ。
新疆ウイグル自治区、30年来最も深刻な干ばつ
【大紀元日本7月26日】
新疆ウイグル自治区は30年来で最も深刻な干ばつに見舞われている。農作物は132万畝(ムー:1畝=6・667アール)が収穫の見込みを断たれ、4割近い草原が深刻な干ばつ状態にある。
香港中通社によると今年、新疆では持続的な干ばつが発生しており、これは1974年来最も深刻な干ばつで現地の農牧業生産が大打撃を受けているという。
データによると、現在までに新疆の農作物は1220万畝が干ばつを受け、被害面積は640万畝。収穫の見込みを断たれた面積は132万畝、深刻な干ばつに見舞われている草原の面積は2億8千万畝に達し、これは利用できる草原面積の38%だという。
新疆気象部門は、7月下旬になっても新疆では、広い範囲での大量の降水の可能性が低く、平均気温も例年の同時期に比べ非常に高いため干ばつの状況はさらに深刻になるだろうと予測している。
そんな新疆ウイグル自治区で、このところ、奇妙なことが起きている。その一つが、油菜を栽培する畑で起きたミステリー・サークルの出現である。
上空からの撮影写真がないのが残念だが、大紀元ニュースが伝えるところでは、サークルは空中から見ると、きれいな円形をしており非常に壮観な様子であったというから、本場イギリスのミステリー・サークルと同様、宇宙人の手にかかったものかもしれない。
だとすると、この時期に新疆ウイグル自治区にミステリー・サークルが現れたことには、何か重大な意味が込められているのかもしれない。
油菜畑に出現したミステリーサークル
【大紀元日本8月1日】
最近、新疆ウイグル自治区イリカザフ自治州の昭蘇県(モンゴルキュレ県)では十数個のミステリーサークルが現れた。これらのサークルは規則的なだけではなく、大きさや形状もよく似ているという。
これらの円形図案はこの2日で昭蘇県洪納海郷にある油菜畑に現れ、それぞれ直径約10m、およそ十数個が密接しており、配列は非常に規則的で大きさや形状もよく似ている。サークルは空中から見ると、きれいな円形をしており非常に壮観な様子であるが、地上ではこれらの様子は見ることができない。
現地農民によると、このような油菜畑のミステリーサークルは見たことがないという。また昭蘇県は専門家らをサークルの形成された原因の研究討論のために招いている。 |
もう一点、新疆ウイグル自治区では、8月1日に皆既日食が観測され、一時、自治区一帯が暗黒の世界に覆われるという現象が出現した。これは、奇妙でも不思議でもない通常の天体現象であるが、ただこの時期に発生したことは、自治区や中国の一大変化を暗示しているようで、不安な気持ちにかられるのだが、読者はいかが感じられるだろうか。
天空に「ダイヤモンドリング」出現!
[Record Chinaニュース]2008年8月1日
新疆ウイグル自治区一帯と甘粛省の一部地域で北京時間の午後6時から午後7時ごろにかけて、中国では今世紀初となる皆既日食が観測された。同自治区の「天山網」をはじめ国内の各メディアがこれを報じた。
甘粛省の金塔では午後7時16分ごろから太陽が隠れ始め、あたりは暗黒の世界に。新疆ウイグル自治区でも午後6時ごろから各地で皆既日食が見られた。
今回は気象条件に恵まれ、太陽の光が月の表面の凹凸から漏れ出る「ベイリーの数珠」や太陽がすべて隠れた直後に太陽の光が一部分で瞬間的に輝く「ダイヤモンドリング」といった珍しい現象も各地で人々に目撃されている。