哀れな末路

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ブッシュ大統領の回想と釈明


今月初めのABCニュースのインタビューで、ブッシュ大統領が8年間に及ぶ在任期間を振り返った発言が報道された。読者の中にも新聞報道でご覧になっって、なんともやるせない気持ちにかられた方が多かったのではないだろうか。

彼は、「大統領の職にあった中で、最大の痛恨事はイラク情報の誤りだった」と述べている。2003年3月旧フセイン政権が核兵器や毒ガスなどの大量破壊兵器を隠して所持しているという情報を根拠に、国連をはじめ、世界の各国が反対 するイラク開戦に踏み切ったわけであるから、情報の間違いを悔やむのは至極ごもっともなことである。

ただ問題は、ブッシュが情報の真偽を知らなかったことなどなど、絶対にあり得ないという点である。情報を提供したCIA(アメリカ情報局)の高官が正式の場で、「大量破壊兵器 保持の情報が確かなものでないことは大統領にも告げられていた」 と発言しているからである。

チェイニー副大統領に至っては、偽情報を確かな情報として提出するようにCIAの各部署を足繁く通っていたことが明らかになっている。つまり、開戦の意志決定が先にありきで、CIAの情報は目的達成のための手段の一つに過ぎなかったと言うわけである。

アルカイダが9・11テロとなんら関係がないことと同様、イラクのフセイン政権とアルカイダが無関係だったことは今では明々白々である。一昨日のブッシュの「中東お別れツアー」に同行したアメリカABCテレビの女性記者が、「開戦当時イラクにはアルカイダはいなかったですよね!」と質問したところ、ブッシュは「それがどうしたというの」と答えたというから、救い難い。

そもそも、、イラク開戦に先立つアフガン戦争そのものが、「闇の勢力」配下の「戦争大好き人間」達の都合で引き起こされた もので、「9・11同時テロ」がそのための自作自演劇であったわけであるが、そうした経緯を知るものの目から見ると、今回のブッシュの発言は今この時に至っても、よくも白々しく嘘をつき通せるものだと感心してしまう。

更にブッシュは噴飯ものの発言をしている。「大統領として最も準備できていなかったことは?」という記者の質問に対して、「私は戦争に対する心構えが出来ていなかった。戦争を予期していなかった」と回答しているのだ。

湾岸戦争を仕掛けた親父の前大統領ブッシュと同様、中東での戦争を引き起こす事が最大の役割として大統領職に就いたブッシュ・ジュニアの口から、戦争を予期していなかったとか、その準備が出来ていなかったなどというセリフが出ると、思わず笑い出したくなってくる。

戦争終結から5年の歳月が経っている今でもなお、イラクやアフガン、パキスタンの地でどれだけ多くの罪なき人々が塗炭の苦しみを味わっているかを考えれば、とても笑い話どころではなくなってくる。地球温暖化や経済危機の陰で大きく報道されなくなってしまっているが、ベタ記事扱いの情報を丹念に拾い読みしていると、今もなお中東各地で何百人の死傷者が出ない日がないほどである。 私利私欲で開戦を推し進めた人々の罪は重大である。
 

 

 
 


14日、イラクの首都バグダッドで、
記者会見中のブッシュ米大統領に
靴を投げ付けるイラク人記者(AP)

 


今中東の各地でいかにアメリカとブッシュが敵視されているかを物語るのが、予告なしの「中東お別れツアー」の記者会見中に靴を投げつられたシーンである。「これが別れのキスだ!」「お前は犬だ!」と靴を投げつけた衛星テレビ局ムンタゼル記者(29歳)は、一躍英雄視され始めているようである。

アラブ世界では、靴で人をたたいたり、投げつけることは最大の侮辱にあたることを考えると、イラクやアフガンだけでなくイスラム教世界の人々のブッシュとアメリカに対する憤怒の念の大きさが分かろうというものである。

だいたい、これまでに一国の代表者が外国訪問の最中に、同席していた記者から物を投げつけられるなどというおかしな事件は見たことも聞いたこともない。これはブッシュだけでなく、アメリカ国民一人一人が侮辱され軽蔑されたことでもあるわけだから、アメリカ国民も笑い事ではないはずだ。

かってアイゼンハワー大統領が辞任の挨拶の中で、「戦争から甘い汁を吸い続けている産軍複合体(闇の勢力)をこのまま放置していたら、アメリカ国家は人殺し国家となってしまい、やがては世界から見捨てられる日が来るであろう」 と警告したことを、今更のように思い出す。

思い起こせば戦後60年間、朝鮮動乱から始まってベトナム戦争、ユーゴ内戦、湾岸戦争、アフガン、イラク戦争と、アメリカは世界中のほとんどの紛争や戦争に関わってきた。正に、 アメリカ国家が戦争仕掛け人、戦争請負国家そのものであったわけである。

参戦の度ごとに、アメリカは共産主義に対抗するためとか、自由や人権を守るためであると、大義名分を掲げて きたが、それがいかに偽善に満ちたものであるかは歴史が明らかにしてきている。すべてが自国の利益、産軍複合体の利益を求めての参戦であった ことは明々白々だ。そのためにアメリカ国民は多くの命と膨大な血税を投げ出し、殺人行為に加担してきたというわけだ。

アイゼンハワーが発した警告は、どうやらアメリカ国民の心に浸透することなく、半世紀の歳月が過ぎてきてしまったようだ。そしてその間、アメリカ国家だけでなく、国民一人一人が、意図的であった、なかったは別にして、世界十数カ国の何千万の人々の心身を破壊するという行為に関わってきてしまったのだ。もちろん、命がけで参戦反対を叫んできた人々もいることは事実であるので、すべての国民というわけではない。

 

「ブッシュの末路」と「案じられるアメリカの行く末」
 

こうして見てみると、ブッシュやチェイニー、ラムズヘルト達だけでなく、アメリカ国家と国民の多くが大きな負の遺産であるカルマを背負い込んだことは間違いないようだ。 どうやら、アメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントンが幻視した、1000個の太陽を合わせたような眩しい光がアメリカ上空で炸裂し、すべてが粉微塵に 帰する映像が現実の物となる可能性は否定できなくなってきたようである。

無慈悲にも、広島と長崎に2度にわたって核弾頭を落としているアメリカは戦後60年たった未だに、その非を詫びることなくきている。 もしもアメリカ政府が言うように「原爆投下は正当な国家戦略であり、戦争犠牲者の数を増やさないために必要なことであった」という言い訳が通用するなら、他の国やテロリストから同じ大義名分で 核爆弾を落とされても、アメリカは文句を言えないはずだ。 いかなる加害者にとっても、それが国家戦略であり、我が身の被害を最小限に食い止める最善策となりうるからである。

因みに、クラリオン星人とコンタクトが続いているマウリツィオ・カヴァロ氏は、ブッシュ氏はおのれの魂を多くの悪人に乗っ取られた「被憑依体人間 」だと語っていた。つまり、最近日本の各地で発生している無差別殺人事件の犯人と一緒だというわけである。ただ殺人犯に憑依した魂が、数人の命を奪うことで満足するのと違って、ブッシュの心に入り込んだ のは、何十万、何百万の命を求める輩の魂であるようだから始末が悪い。その結果、引き起こされれ悪事によって何十万、何百万の命が失われることにわけ である。

そんなブッシュでも、時には我に返る時があるらしく、そんな時には、辞任後に我が身に降りかかってくる火の粉の恐ろしさに気付くことがあるようだ。参画した「9・11同時テロ」の陰謀が明るみに出ること だけはなんとしても避けようと、クリントン夫妻を巻き込んで、オバマ新政権との間で、なにやら奇っ怪な駆け引きや奸計が巡らされているようである。

しかし、いかなる策を弄(ろう)しようとも、アセンションの前にはすべてが悪事が明るみに出るはずであるから、そう遠からずのうちに、醜い心の内が露わになる 時がくるはずである。数年前、イラクの地で絞首刑を執行されたフセインの魂は、仇敵の投獄と刑の執行の日を一日千秋の思いで待ちこがれているのかも知れない。
 

落日のブッシュ大統領

 

 

 

 

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