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  捕鯨(ほげい)反対運動の真相

2週間ほど前、BSテレビを見ていたら、奇妙なニュースが報道されていた。日本のマスコミでも流れたのでご存じの方も多いと思うが、それは、アメリカ海軍が北太平洋海域で行っている軍事演習の際に戦艦が対潜訓練に使用するソナー(音響探知機)によって鯨やイルカの座礁死していることから、環境保護活動家らが訓練の制限を求めていたところ、アメリカ連邦最高裁が訴えを却下したという内容であった。

却下の理由は、国の防衛のために行われている海軍の演習は、鯨の保護に優先されるべきだからだというものであった。1、2審判決は、いずれも鯨などへの被害を認め、中周波のソナー使用を差し止めるよう海軍に命じていただけに、大変意外な判決であった。

驚いたのは、そうした判決に対してアメリカのマスコミや環境保護団体から強い反対の声が起きなかったことである。CO2削減の京都議定書への参加を未だ拒否し続けているアメリカであるが、このニュースを見て、日本の捕鯨にあれだけ猛反対しているだけに、今更ながらなんとも手前勝手な国だと思ったのは私だけではなかったはずだ。

もしも、日本の企業や政府機関が同じような鯨種の生存に致命的な影響を及ぼす行為をしていることが明らかとなったら、世界捕鯨団体や世界中のマスコミから袋だたきになっていたはずである。それは、国際環境保護団体・グリーンピースが南極海で日本が行っていた調査捕鯨に乗り込み、火炎瓶などを投げ込み妨害したニュースを思い出せば、納得できるはずだ。

捕鯨の是非はともかくとして、今回のアメリカ連邦最高裁の判決と世論の動きを見ていてなんともおかしな話だと思っていたところ、知人が送ってきた記事を目にして、思わず「目から鱗が落ちる」ところと相成った次第である。

記事の内容は、エコロジーという洗脳』(副島隆彦+SNSI、成甲書房)という本からの抜粋であった。そこには、近年、アメリカやイギリス政府が中心となった国際捕鯨委員会(IWC)や環境保護団体の捕鯨反対運動の裏には、環境保護や鯨種の保護などとはまったく別の意図があったことが書かれていた。

副島隆彦氏が述べる捕鯨禁止運動への世論誘導の本当の狙いは次のようなものであるという。

本当の理由はマッコウクジラの脳漿(のうしょう)の確保なのである。・・マッコウクジラの脳漿は、戦車用の燃料オイルや潤滑油の不凍液として貴重なものとして今も使われている。この零下60度になっても凍らない不凍液を人工的に作るには、今でも巨額の費用がかかる・・・・・。
だから、米軍は既にこのマッコウクジラの脳漿を大量に確保して貯蔵している。 このアメリカの安全保障(国防)に関わる重大問題として、キッシンジャー博士が 早くから捕鯨禁止の外交活動を始めたのである。そのためにグリーンピースなどの 環境保護団体を上手に使ったのだとも言える。・・・・

・・その真実を訴えようとした捕鯨賛成派のスウェーデンのパルメ首相の暗殺もその種の力によるものである。

1946年に設立された国際捕鯨委員会(IWC)は、70年代まで加盟国は17カ国に過ぎず、多くは自国の捕鯨産業を保護したい捕鯨国であった。しかし、1971年に急遽、アメリカのニクソン大統領が鯨やイルカなど海洋哺乳類の保護を重要な政策として打ち出して、捕鯨反対の世界的組織に仕立て上げたのである。

ニクソンの狙いは、ベトナム戦争の泥沼化で高まった反政府世論をかわし、政府のイメージ回復をはかるためであった。つまり、捕鯨反対運動は捕鯨反対を唱え、米国民の目を、ベトナムの「枯葉剤」から「捕鯨国の残虐行為」に移すことを狙った作戦だったわけである。

このことは既に多くの人の知る承知の事実であるが、副島氏の記事を読むと、どうやら捕鯨反対の世界的な広がりの裏には、もう一つ別な狙いがあったようである。ニクソン政権の国務長官を務めロックフェラーの手先として暗躍していたのがキッシンジャー博士であったことを考えると、この記事の信憑性は高いように思われる。また、現在捕鯨禁止の対象になっているのは、大量の脳漿が確保できるマッコウクジラであって、それ以外の小型の鯨類は捕鯨が許されていることの意味も、この記事を読むと理解できてくる。

それにしても、ひどい話である。こうした実体を知るにつけ、世の中、いかに綺麗事の大儀の裏にどす黒い目的が隠されているかが分かってくる。欺瞞に満ちた「9・11同時テロ」やそこから誘導された無意味な「アフガン、イラク戦争」がその最たる物である。こうして、巧みな世論誘導術によって多くの国民が誤った選択肢を選んでしまうことになるのである。

地球を我が物にしようとしている「闇の勢力」やその手先の輩たちが、これから先も彼らの目的を成就するためにありとあらゆる巧妙な手段を用いてくるに違いない。しかし、時の到来と共に、そうした裏の世界に気づく人々が次第に多くなってきていることもまた間違いない事実である。

「闇の勢力」が世界を動かす格好の場となっているアメリカという国においても、多くの人々が世の中の真実に目覚め始めていることを考えると、これからはしだいに彼らの思い通りに事が運ばなくなっていくはずである。その先駆けとなったのがアメリカ発の金融危機の発生である。今回の危機の発生によって、国民の多くがウオール街を牛耳ってきた輩たちが長期にわたって行ってきたおぞましいマネーマーケットの実体を知ることになったからである。

ブッシュやチェイニーだけでなく、ポールソンやグリンバークたちの背信行為と醜い実像を知ることによって、多くのアメリカ人が国家や経済を動かしてきた「闇の勢力」の手先である権威筋に対する不信感や嫌悪感を増してきている。こうした意識はこれからのアメリカの政治や経済を大きく変えていく原動力となるはずである。

我々も常日頃から心を開いて、真実を見る目を養っておきたいものである。

 

 

 

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