写真集「最後の楽園・PERU」

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期待はずれに終わったNHK特別番組


12月の福岡講演会は「最後の楽園”PERU”」である。

先月、NHK・BSハイヴィジョンで2時間の特別番組「奥アマゾン・謎のスポット・サラオ」が放映された。福岡講演会のコーナーでご案内しておいたので、ご覧になられた方も多かった かと思うが、どのような感想を持たれただろうか。

NHKのスペッシャル番組であるから、それなりの準備と最先端の機材を駆使して撮影されたことは間違いない。今回の放送は、昨年から放送され始めたペルーアマゾン番組の第2弾であり、2時間にわたる特別番組でもあったので大変期待して見させて頂いたのだが、そこに写された映像は、残念ながら期待はずれであった。

自分で言うのもおかしいが、我が写真集『最後の楽園・PERU』に掲載されている写真に比べて、 野鳥や動物たちの種類があまりに少なく、映像的にも迫力に欠けるものであった。

アマゾンの野鳥を撮影しようと思うと、ジャングルの中を歩き回るだけではだめだ。密生したジャングルの中で、小さな野鳥の姿を捉えることは非常に難しいからである。 それに目で確認していたのでは、カメラを構えたときには、既に飛び去っているケースが多いのだ。

それゆえ、滅多に遭遇しない動物や野鳥を逃さずに写真に撮ろうと思ったら、視力と言うより、むしろ、かすかな野鳥の声を聞き取れる並はずれた聴力や、集団で移動している動物の 行動を素早く察知する能力を持ったガイドが必要になってくる。それには、現地で産まれ育った人間を捜すのが一番である。

どうやら今回NHK撮影班の案内役を務めたのはペルーアマゾンのガイドとして活躍されている日本人女性の方であったようだ。彼女は一昨年私がマヌーに入ったときも、NHKの撮影隊のガイドを勤めていたぐらいだから,NHKとはご縁が深いようであるが、アマゾンの自然を追い求めるには、異国の人間や女性では無理である。

幸いなことに私たちを案内してくれたのは、ジャングルの中を遊び場として育ったボリビア生まれの男で、ペルーアマゾン一帯に生息する動物や野鳥についての専門的な知識だけでなく、素晴らしい聴力と鋭い直感力を持っ た最上のガイドであった。

彼はまだ姿が見えない内から、鳴き声を聞いてその存在を確認し、撮影する私に準備をさせてくれることがしばしばであった。そのお陰で、私はたくさんの貴重な写真を撮影できた というわけである。

アマゾンの動物紀行には、色鮮やかな野鳥の撮影は欠かせないが、こうした鳥たちは高い樹木の頂上部を生活圏としていて、ジャングルの中を歩きながら 見上げただけでは、その姿を見ることは出来ない。それゆえ、そうした野鳥の姿を捉えようとすると、30メートルを超す樹木の上から撮影 しなければならない。

それには、樹木の高さより高い塔の上に登るしか手はない。今回、NHKの撮影班が入ったマヌー国立公園一帯には、数カ所にそうした高い塔が立っている。そこへ 重い三脚や機材を持ち上げて撮影することになるわけであるが、高所恐怖症の人間には到底無理である。
 

                               


(写真1)


  30mを超す高い塔の上に作られた見晴台
 

(写真2)
世界中のバード・ウォッチャーが一度は目に
 してみたいと憧れる 「ノドムラサキ・カザリドリ」

 

テレビでは、私も何度か登ったことのある、30メートルを超す鉄製パイプで組まれた櫓(やぐら)の上に作られた展望台(写真上左)が紹介されていたが、残念なことに、今回の放映では、そこに登ることによって はじめて見ることの出来る、色鮮やかなアマゾンならではの野鳥の姿がほとんど映写されていなかった。

現場に何度も足を運び苦労の末に撮影にこぎつけた人間からすると、NHKの取材班は多くの取材費をかけていながら、なんとしたことかと残念至極、憤りさえ覚えるほどである。結局現場の人間任せで、 事前の十分な準備と適切なガイドを探し出す努力に欠けていたことが、今回の結果に繋がったのではなかろうか。

素人の私が写真集に掲載した通りの写真を撮っているのだから、多額の取材費をかけたプロの撮影班があの程度の 映像で終わってしまったのは、準備不足と現地に精通したガイドをつけなかったことが要因だったように思われる。それが出来ていたなら、あの程度の映像では終わらなかったはずだ。

様子が分からない視聴者の目から見たら多少は感動されたかも知れないが、興味深い動物やカラフルな野鳥たちの姿を実際に見てきている私の目からすると、 撮影班の皆さんには申し訳ないが、今回の撮影は及第点をつけるレベルではなかったことは確かである。

NHKテレビでは、マチュピチュやナスカの地上絵の特集番組も何度か放映されているが、これらも皆同じ理由で、視聴者が既に見慣れた平凡な映像しか撮れていない場合が 多い。だから視聴者に感動を与えることができないのだ。

ナスカの地上絵に関して言うなら、私がヘリコプターからぶら下がり、命がけで撮影してきた画像に比べたら、テレビに写される画像など、まるで子供だましの絵 のようなものばかりである。

だから、ナレーターが「ナスカの地上絵は2000年前のナスカ人が描いたものです」などと、お門違いなことを平気で 語ることになるわけである。私が撮影した 驚異的な映像を見たら、とてもナスカ人製造説など語れなくなってくるはずだ。講演会に参加されて、既に私の撮影した写真をご覧になられた方には、 お分かりにのことだ。

たかがテレビの一場面とはいえ、地球や人類の歴史を誤って視聴者に伝えてしまっている事実は、決してほめれたことではない。権威筋や権力におもねた取材態度から一刻も早く脱却することを願わずにはおれないところである。

 

 

  


(写真3)

世界百名山の一つに数えられる
「サルカンタイ山」 (標高 6271m)

 

(写真4)

標高3800mの富士山を越える高地
にもインディオたちの生活圏がある。

  
  
                              



 



(写真5)

ペルーの国鳥「アンデスイワドリ」

 

(写真6)

マヌーで最もエレガントな鳥「シロゴイサギ」

  

                            

(写真7)

蛇の目傘に似た翼を持つ 「ジャノメドリ」



 (写真8)

始祖鳥と同じように、翼に2本の爪を持っている
「ツメバケイ」
 

 

「クリスマス・プレゼント」

これから先は、子供さんやお孫さんへのプレゼントに、私の写真集を使って頂くお願いである。

厳しい金融危機と経済的破綻の到来で、世界中の人々がひしひしと迫る大恐慌の足音におびえ始めている中ではあるが、今年もまた、クリスマスと正月の季節がやってきた。可愛い子供さんやお孫さんに何をプレゼントしようかと悩んでおられる方も多いのではないかと思うが、今年は、オモチャやゲーム機から志向を変えて、子供さんの心に残る「本」をプレゼントしてみてはいかがだろうか。

漫画しか読まない子供は、大人になってもどこかの国の偉い政治家と一緒で、人前であまり口をきかない方がよい人間になってしまう。電車の中で カバンの中から、漫画本を取り出して読みふけるサラリーマンの姿を見るたびに、心寂しくなってしまうのは私だけではないはずだ。

子供には、それぞれ得意な分野がある。数学が得意な子もいれば、歴史が好きな子もいる。いずれの子にしろ、心の成長に読書の果たす役割は大きい。漫画が悪いとは言わないが、漫画本とテレビ で成長した子供は、映像を見ないと物事を判断できない、想像力に欠けた人間になってしまう。


 

定価:消費税込みで4500円

 

そこで、今年のお孫さんや子供さんのプレゼントに、例年とは少し趣を変えて、我が写真集 『最後の楽園・PERU』 をプレゼントしてみてはいかがだろうか。日本では絶対に見ることの出来ない珍しい動物や色艶やかな野鳥の写真は、子供さんの心を豊かにすること請け合いである。

また、気温40、湿度100%のペルーアマゾンのジャングルの中での撮影体験記は、きっと子供さんに冒険心と夢を与えることになるはずだ。

それに、自然や野生動物の保護の大切さを教えてやるには、百の説教より、写真集に掲載された珍しい動物や可愛らしい野鳥の姿を見せてやることが、何よりも役に立つに違いない。

     

NHK取材班が今回、私が撮影した小動物や野鳥の幾つかを撮影できなかったのは、準備不足やガイドの問題もあるだろうが、私がマヌーに入っ た時からの歳月の経過も影響しているはずである。というのは、この7年の間に、実は多くの野鳥や動物がアマゾン源流域から姿を消してしまっているからである。

皆さんの想像以上の凄い早さで、アマゾンの何千種類もの動植物が絶滅へと向かっていることを考えると、これから先は、私が撮影できた動物や野鳥のすべてを見ることは、大変難し そうである。

足かけ4年半にわたり、5回にわたる撮影の旅の最後、 ジャングル街道を走りながら私が目にしたのは、広大な熱帯雨林が次々と焼かれていく姿であった。畑や牧草地を広げるために失われるその面積は、毎年10万平方キロ(東京都の10数倍)にも達していると言われている。

熱帯雨林の樹木の高さは30mから50mに達している。しかしそれらの木々が根を張る土壌はわずか50〜60p の厚さしかないのだ。そのため木が切られたり、焼かれたりすると、薄い表土が雨水に流され、回復不可能な「荒れ地」と化してしまうのである。

日が落ちた暗闇の中、左右に広がる広大な焼き畑のきな臭い臭いを嗅ぎながら走っていると、愚かな人間に向けられたガイア地球の「怒りの声」が聞こえてくるようであった。

是非、読者におかれては子供さんやお孫さんに、自然や動物保護の大切さを、掲載した写真を見せながら教えてやって頂きたい。これは私の心からのお願いである。なお 、収益金は現在計画中のペルーの6校目の学校建設資金に充当させて頂きます。
 

 
    ☆ クリスマス・お年玉プレゼントの特典

     @ 送料は無料  A このページに掲載の写真の中から1枚画像プレゼント
               (ネットでデーターを送信しますので プリントアウトするなり、壁紙として
                 利用して頂いて結構です)

  ★ 写真集のお申し込み先はこちらから peru.htm
 


                            


(写真9)

アマゾン源流の朝靄(あさもや)の中を進む
 

(写真10)

カタマラン船の上から撮影


                            


 (写真11) 

幸運にもピューマの姿を見ることが出来た
 

(写真12)

魚をほおばる「オオカワウソ」

 
                              


(写真13)

マヌーで最も小さな猿「エンペラータマリン」
 

(写真14)

中州で獲物を狙う「巨大クロワニ」

 

                                                                                                                                      
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