青島市のヨットレース会場封鎖のその後
先に、「中国異変 @」で青島市(チンタオ)の緑藻発生と感染症の噂、それにヨットレース
の会場封鎖のニュースを掲載した。しかし、その後中国政府からは正式な発表が何もなく、マスコミも追跡記事を書かないまま今日に至っている。
いずれ、オリンピックが開催され競技が開催されれば、否応(いやおう)なく、その実体が明らかになるのだからと静観していたところ、突然、新華社が7月21日、中国の胡錦涛・国家主席が北京五輪セイリング競技の開催地である山東省青島(チンタオ)を視察したことを報じ、主席が外国ヨットチームのメンバーと交流する場面の写真が掲載された。
ところが、このニュースがどうも奇妙なのだ。というのは、大紀元ニュースが伝えるところでは、新華社に掲載されている写真が合成写真であることが分かり、
今、中国のインターネット掲示板上で話題となっているというのだ。
新華社・胡錦涛青島視察報道写真、実は合成
【大紀元日本7月27日】
新華社21日付報道で、「胡錦涛主席が山東省青島で五輪準備と経済発展状況について視察し、外国のヨットチームメンバーと親しく話した」とする報道写真が掲載され、胡主席が海上のヨットの近くで外国人らしき人物と歓談している様子が写っている。この報道は、緑藻の大量発生問題で青島のヨットセール五輪会場で競技が行われないのではないかという噂を打ち消すのが狙いだった。
しかし、写真の背景に、左側と右側2箇所で同じ人物(赤枠で囲まれた人物)が同時に現れていることが読者に発見され、写真はフォトショップで合成されたものであることがわかり、「双子写真事件」というキーワードでインターネット上の各掲示板で話題となっている。
新華社が掲載した記事と写真は下の通りである。
一見見たところ、何の問題もないように見える写真だが、拡大写真を見てみると、談笑する外国人らしき人物と胡錦涛主席との目線がまったく合
っていないのだ。それどころか向き合っているはずの両者の顔の向きもずれていて、お互いに別の方向を見ているのだから、どう見ても変である。これでは合成写真と疑われても致し方
あるまい。
それでは、一体いかなる理由でこんな似非(えせ)写真を掲載したのだろうか?
理由は二つ考えられる。先ず一つは、我々は知らされずにいるが、実際には、青島市のヨット会場では何か異変が起きていてその噂が広まり始め
ために、国家主席が現地を視察し安全を確認したという全くの似非情報を流したことである。
もう一つ考えられることは、胡錦涛主席が実際に現地入りしたものの、主席がレース会場の海岸に立つことは、感染症などの危険性がぬぐい切れていないため、実際に会場入りすることが避けられたか、
あるいは、会場入りしたものの、その場を写せば、海岸に押し寄せた緑藻の撤去が、未だ完全に終わっていない実体が知られてしまうため、現地視察の写真
を掲載できなかったことである。
いずれにしろ、偽造写真を掲載までして青島市の安全をアッピールしようとしていること自体が異様である。それにしても、新華社
が似非写真まで使って国家主席の現地訪問のニュースを流さざるを得なかったことを考えると、青島市で何か公表出来ない異常事態が発生しているのではと、勘ぐらずにいられなくなってくる
。
緑藻の発生といえば、湖北省を流れる長江で25キロにわたって緑藻が発生、また、安徽省の巣湖と呼ばれる巨大湖でも大々的に藍藻
(あおこ)が発生して
おり、200艘を超す大量の船が出て撤去作業に当たっているようである。そうした撤去の光景は青島市海岸のそれとそっくりである。緑藻と藍藻の違いはあるものの、このように、中国のあちこちの湖や海岸で藻類が異常発生していることは、
どうやら、中国中の湖水や海水が重度に汚染さてしまっていることを示しているようである。
一旦汚染されてしまったら、撤去作業や強風などによって一時的に消退したとしても、そう簡単に正常には戻ることは考えにくい。となると、湖水の温度や海水温が高まってくれば、またいつでも発生する可能性が強く、一度や二度の除去で片が付くものでないことが分かる。
中国当局はヨットレース開催の16日ぎりぎりまで除去作業を続け、当日か、せいぜい1〜2日前に海上封鎖を解こうと考えているのではないかと思われる。そのためにも、国民やマスコミの目をごまかすために胡錦涛主席の青島市視察の似非(えせ)ニュースを
報道する必要があったのではなかろうか。
もしも私のこの観測が当たらずとも遠からずだったとしたら、なんとも卑劣で情けない行為である。私の思い続けてきた中国人の偉大なイメージを壊さないで欲しいものだ。
三峡ダム地区、緑藻大量発生
【大紀元日本7月27日】
中国三峡ダム地区長江支流の香渓で6月中旬、湖北省興山県平邑口からズグォイ県の長江入江付近まで、長さ25キロメートルにわたる広範囲で、緑藻が大量発生した。沿岸住民数万人は川水の飲用を禁止され、川で捕獲された魚類の食用も禁止された。
現在、香渓支流の緑藻は発生したり消えたりしているため、湖北省、宜昌市、興山県では三級連合調査チームを設け、国務院三峡弁、中国三峡総公司、中科院水生所など各方面の専門家たちと共同で緑藻の引き上げ処理措置を制定した。同時に、香渓支流内の魚養殖を取り締まり、沿岸の汚染源に対して調査・処理を行う。
香渓は元々「県前河」といい、湖北省神衣架騾馬店に起源し、上流は興山県城西北p角樹から、昭君村前を通過し、ズグォイ県帰州鎮渓の入り江で長江と合流し、全長37キロメートル。西漢元帝時代に、中国四大美人の一人、王昭君が匈奴の妻となり宮殿に入る前にここで生活していたと伝えられている。王昭君はここでよくハンカチを洗い、ハンカチの香りが漂ったことから「香渓」の名がついたという。
安徽省巣湖、藍藻大発生
【大紀元日本7月29日】
中国安徽省環境保護局はこのほど、巣湖について警報を発し、汚染が深刻な巣湖の西半分の総合栄養状態指数が急速に上昇しており、藍藻が大発生する可能性が増大しているとした。
当局水環境保護弁公室責任者の指摘によると、巣湖の西半分の水質は重度の汚染にさらされており、主な汚染物質は、総窒素、総リンであるという。環境保護専門家の指摘によると、20日から22日にかけて、巣湖の藍藻が一時的に消退したが、主な原因は湖面に強風が吹いたことによるもので、藍藻の状況が改善されたわけでは決してない。巣湖の西半分は重度の富栄養化が進んでおり、一旦風が止み、気温が上昇すれば、藍藻が更に大きな規模で発生する可能性が非常に高いという。
巣湖市は既に対応措置を実施しており、巣湖の水質、水道水の水質を監視している。また、合肥市も、200艘の船を動員し、藍藻の清掃を行っている。
一方、「中国の異変@」に掲載した、青島市の奇妙な感染症の発生については、その真偽のほどははっきりしないままだが、中国の各地で手足口病などの奇妙な感染症が多発してきていることは間違いないようである。関連のニュースを掲載する。
中国山東省:文登市の村で伝染性の奇病発生か
【大紀元日本7月26日】
7月中旬、大陸から次のような情報が伝えられた。その情報とは、20日前、山東省文登市小観鎮万家口村に住むある村民に奇病が発生し、全身が紫紅色になり、目・耳・鼻・口から出血し、死亡したというもの。
続いて、この死者と接触したことがある2人も同様の症状で死亡した。村の外で働くある人は、次のように語っている。「10日前の時点で、既に3人が死亡しており、6,7人が文登中心病院に入院している。上級機関が訪れて調査しているが、何の病気なのか分からない」。国際ラジオ放送「希望の声」が伝えた。
情報は封鎖されており、村外にいる者は村の中の状況を分かっていない。村の家族でさえも、村内に戻ることは止められている。これが伝染病であるかどうかについて、様々な憶測が飛び交っている。
この件について、記者は当地住民と衛生防疫所に取材を行った。
ある男性が証言したところによると、この病気は伝染性が非常に強いことから、村外で働く者は家に戻ろうとしないとのことであった。また、この病が発生したのは、村の北部であるという。
記者:現在、村で奇病が発生しているのですか?あなたはこの件についてご存知ですか?
男性:はい。
記者:現在、死亡者は発生していますか?既に3人が亡くなっているようですが?
男性:はい。今は村に戻れません。
記者:今戻れないのですか?死者が増加しているのですか?伝染は終息したのですか?
男性:伝染のペースは非常に速いです。伝染するのは一般に男性で、女性は罹りません。私の家は大丈夫です。私の家 は南部にありますが、伝染が発生しているのは、北部です。
その後、記者は文登市小観鎮衛生院を取材した。男性の医師は、伝染病の発生を否定し、流行性の感染にすぎないと語った。記者が、伝染病でないというのならばなぜ何人も亡くなっているのかと尋ねた際、彼は正面からの回答を避けた。
医者:あれは盲腸炎です。伝染性の病ではありません。
記者:最終的に病名を診断しなかったのですか?
医者:無菌性の感染です。そのような病気はありません。
記者:そのような病気がないとは?
記者:民衆自身が作り出したパニックです。
記者:とはいっても死者が出ているのではないですか?
医者:死者は出ています。あなたが分かっていないといいたいのです。これは伝染病ではないということだけ知っていただければそれで十分です。
記者:死者が数人出ているでしょう?これが伝染病でないとすれば、これだけの死者が出ることはないのではないでしょうか?
医者:数人の死者が出たこということについては、私もよく分かりません。そのようなことを聞かれても、あなたに回答する必要はありません。
その後、記者は政府のサイトで公表されている文登市及び煙台市衛生防疫部門に電話をかけた。しかし、聞こえてきたのは、騒音による妨害ではなく、電話番号が違っているというメッセージだけだった。