米・中の国家利益に利用される北朝鮮
制裁決議採択
難航していた「対北朝鮮
安保理制裁案」が、国連の常任理事国と日韓の7ヶ国の間で合意を見て、採択された。今までの制裁決議と違って、核実験に対して強く糾弾しているだけでなく、船舶の強制停止の阻止や資金流入の遮断を盛り込んだかなり厳しいものとなっている。
問題はこれから、北朝鮮がどういう動きに出るかである。すでに「我が国への制裁は宣戦布告と見なし、強固な非常手段で対応する」と主張している一方、韓国空軍は戦闘挑発行為による緊急事態に備え、このほかにもKF-16、F-4、F-5の各戦闘ジェット機や、パトリオット、ホーク、ナイキなどの地対空ミサイル、あらゆる機種の諜報探査システムが総動員されている模様である。
核実験・ミサイル発射の背景
先月行われた北朝鮮の2回目の核実験やミサイルの発射など一連の動きに対して、日本の大方の政治家や官僚は、アメリカや7ヶ国協議参加国に対する要求を実現するために行った政治的な意味合いが強く、実質的には脅威ではないと
考えているようだが、本当にそんな呑気(のんき)な考えでいいのだろうか。
最近言われ出したのは、キムジョンイルの後継問題をスムーズに運ぶためという意見である。
どうやら、キムジョンイルは、自分の息子の一人を後継に選んだ模様だが、息子の権力基盤はまだまだ弱いため、息子の権力基盤を強化するため、軍の最高組織の国防委員会のバックアップを得させようとしているというのだ。
そのため、国防委員会の業績が全面に出るように軍の力を誇示し、北朝鮮国民の注目が偉業を達成した国防委員会に集まった後、これにキムジョンイルの息子をリーダーとしてかつ、後継をスムーズに進めるねらいがあるというわけである。
もしも、こうした継承問題や7ヶ国協議に対するけん制が核実験の本当の狙いなら、あまり大騒ぎする必要はないかもしれない。しかし、前回も書いたように、
今回の一連の動きは、どうもそんなに単純なものではないようである。
このところ時間が経過するにつれ、こうした見方ではなく、今回は北朝鮮は本気なのではないか、そして本格的な朝鮮戦争が勃発するのではないかという
、軍事行動の実現を懸念する情報が流れ始めている。
そうした情報の背景にあるのは、アメリカは基軸通貨としてのドルの崩壊を避けるために、世界に緊張感を起こそうと画策しており、そのために朝鮮情勢を一気に緊迫させる必要がある
という見方である。それには戦争を起こさせないまでも、その一歩手前まで持っていく可能性が大きいというわけである。
さらに心配なのは、北朝鮮の核を実際に利用する可能性である。そうした考えを裏づける幾つかの情報を紹介しよう。
情報 @ デイムス少佐の予言
ヤスの備忘録というブログには、リモートビューイングのデイムス少佐が4月9日出演した「Coast to Coast
AM」で北朝鮮が近いうちに暴発する可能性があるという発言が掲載されている。以下はその発言内容である。
「今後5カ月か6カ月以内に、北朝鮮は韓国を核兵器で攻撃する。この攻撃による被害はすさまじい。中国は北朝鮮の攻撃計画を早い段階から知っているが、戦略的な理由から計画を阻止せず、北に韓国を攻撃させる。
その戦略とは中国の覇権拡大である。北の攻撃の後、北の攻撃に備えるために米軍は朝鮮半島に大部隊を展開しなければならなくなる。このため、世界の他の地域から撤退を余儀なくさせられる。これが世界に軍事力の空白を生み、中国にアメリカに代り覇権を拡大するチャンスを与えるということだ。
これは中国の戦略通り実現する。アメリカは朝鮮半島のさらなる混乱を恐れて、北を核攻撃することはない。」
リモートビューイングといえば日本ではマクモ・ニーグルが有名だが、彼の未来予測をチェックしてみるとあまり的中率は高くない。それゆえ、私はあまり彼らの未来予測は高く評価しているわけではないが、一応デイムス少佐もマスコミで公言しているくらいだら、今回の北朝鮮問題については、耳は傾けておく必要はあるのではないかと思っている。
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北からの大量殺戮兵器搭載ミサイル攻撃を想定した昨年の防空演習で、
ガスマスクをつけ避難するソウルの小学生
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情報 A バイデン副大統領の予言
オバマ政権の副大統領となったバイデン氏は、選挙期間中の昨年10月19日、ワシントン州シアトルの支持者向け集会で予言とも取れる意味深な発言をしている。
日本のマスコミは一切取り上げていないが、私が気になっていた情報である。この発言は今でもYoutubeで見ることができる。
「われわれに難しい判断を迫る多くの事態が起こるだろう。多くの難しい判断だ。それは外交問題を含む。
これから言うことが核心です。いいですか、これから言うことをよく聴きなさい。よく聴きなさい。バラク・オバマは大統領になってから半年以内に、ジョン・ケネディーのとき
のようにテストされるだろう。
世界は見ている。わたしたちはこれから47歳の優秀なアメリカ大統領を選挙で選ぼうとしています。私がこの部屋で言ったことを覚えておいてください。私が他に言ったことは忘れてもかまわない。
これから国際的な危機が起こる。それは、この男の勇気を試すために意図的に引き起こされた危機だ。そしてこの男は、とても困難な判断が迫られるだろう。どんな判断になるのか私にも分からないが。
だが、私は約束する。歴史の学徒で7人の大統領に仕えた男として保証する。それはかならず起こる。その危機がどこで起こるのかすくなくとも4つや5つのシナリオは提示できる。」
なんとも不可解な発言である。副大統領候補の立場にいる人間の発言とはとうてい思えない内容だ。先の00元国務長官の発言と同様、高い立場にいる人間がこういった大統領や国家がこれから先に遭遇する出来事を堂々と発言すると
いうことは、アメリカという国家や政府が闇の勢力なり別のシナリオライターの意図のままに動かされていることを示している。
ジョン・ケネディーがテストさせられたというのは、何を指しているのだろうか? ソ連と一食触発にあったキューバ危機だろうか、それとも、宇宙情報を明らかにしようとしたことだろうか。前者だとすると、バラク・オバマは
第2次朝鮮戦争で、報復のために核を使うか使うまいかの決断をせまられることになるのかもしれない。
「男の勇気を試すために意図的に引き起こされ、とても困難な判断を迫られる」という点を考えると、デイムス少佐の言うところの、北朝鮮への報復のための核攻撃の可能性は大いにあり得ることである。
その前提となる北朝鮮による韓国への核攻撃も、世界の緊張を高めるために必要な手段として、アメリカの裏の院が画策しているのかもしれない。
「祈りの島 沖縄・久高島』を読まれた方は、沖縄のカミンチュ・比嘉良丸氏が語るアメリカと北朝鮮の裏工作を思い出すに違いない。
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昨年10月に北との国境に近い一帯で大々的に行なわれた米韓合同軍事演習
これを北は「侵略の予行演習」と解釈 |
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その時には、世界をドルでコントロールしようとしている闇の勢力の企てに、GOサインを出すか出さないかの苦汁の選択に迫られることになるわけであるから、困難な判断とは、そのことを指しているのかもしれない。
今アメリカ政府が一番恐れている点は、ドルが基軸通貨としての信頼を失うことである。なぜなら、それは即アメリカの国債の価値を限りなくゼロに導くことになるからである。それを防ぐには、世界中に緊張感を蔓延させ、有事に強いドルとして、ドルへの信頼感を一気に取り戻すことが
必要となってくる。
そこまでドル崩壊、ドル暴落の危機は本当に差し迫っているのだろうか。はっきりしていることは、2500兆円とも言われている膨大な借金国家であるアメリカは、中国や日本
、アラブの金持ち国などに長短期の国債を買ってもらい息をつないでいるという事実である。
それゆえ、国債の主要保有国である中国と日本が、もしもアメリカの先行きに懸念をもって本気で売りに出たら、その時はアメリカ国家のデフォルト宣言発動となることは必定である。
我が国の政治家や官僚は完全に首根っこを押さえられているから、国債売却など出来ようもないが、中国ならやりかねない。その中国が売却に動くきっかけとなるのがドルの崩壊である。
それが心配だからこそ、ガイトナー財務長官が中国をはじめ各国を回って、アメリカ経済の先行き懸念の払拭を説いて回っているわけである。そのために今アメリカ政府が躍起になっているが、経済に対する信用不安の払拭である。日米の株価の上昇も裏工作の一つである。
そこで、気になってくるのが今月16日と17日にシベリアのエカテリンバーグで開催されるBRICSサミットの行方である。すでに脳死状態となった日本の主要メディアはまったく報道していないが、ロシア、中国、インド、ブラジルなどが参加するこのサミットにおいては、基軸通貨としてのドルの放棄の方向性が実質的に示される可能性が指摘されている
からである。
もしも、ここで基軸通貨としてのドルの本格的な放棄が決定されるようなことになったら、ドルの重要性は一気に低下し、遠からずしてドルの暴落は間違いなく
発生する。
こうなると、米国としては、朝鮮戦争を誘発して米国の圧倒的な軍事的プレゼンスを示すことによって中国やロシアの多極化の動きを牽制し、基軸通貨としてのドル放棄
の動きに歯止めをかけるしかなくなってくる。
また、実際に戦争を始めなくても、朝鮮半島の危機をぎりぎりまであおり、ドル放棄の流れを止めるための脅しに使う
可能性もある。その際、危機感をあおるのに、最大の演出材料となるのが核とミサイルである。
こうしてしばらく時間稼ぎをしたあとに、アメリカはカナダ、メキシコを取り込んで新しいドル、「アメロ」の発行に持ち込もうと考えている可能性は十分にあるのだ。こんな国家的戦略など日本の官僚や政治家には思いもよらないところであ
ろうが、国家が生き残るためには、このくらいの策を巡らすことは、裏社会の人間にとっては朝飯前のことなのであるのだ。
現に、イラク戦争開戦は、イラクのサダム・フセイン大統領がフランスのシラク大統領の誘いに乗り、バグダッド原油取引所を開設して、これまでの決済通貨であるドルを放棄し、ユーロ建でイラク産原油を取引することに同意したために、それを阻止しようとして始められたものであると言われている。