重なった奇妙な自然現象
東海道沖地震
不思議な現象が起きた。それは台風の到来と地震発生の重なりである。台風の接近を伝える現場からのナマの映像が放映されているテレビ画面の上段に、同じエリアに発生した震度5〜6の地震情報が流れることなど、かってなかったことである。
1日前の10日、東海道南方沖で発生した地震が北海道から九州まで揺れる異様な地震であったことは、読者もお気づきだったに違いない。そうしたことはめったにあることではない。それは震度が340qと非常に深いところで起きたからである。問題はその震源地が、フィリピンプレートとユーラシアプレートの一部である日本列島の西南部沿岸とが接しているエリアであったことである。
この南海トラフは二つの海洋プレートが衝突して、ユーラシアプレートの下にフィリピンプレートが沈み込んでいるため、非常に活発で大規模な活断層となっている場所である。現に、南海トラフの各所では、東海地震、東南海地震、南海地震などのマグニチュード(M)8クラスの巨大地震が約100年ごとに発生している。
最近では紀伊半島南東沖を震源とする東南海地震(1944年 M7.9)、同じく紀伊半島南方沖の南海地震(1946年 M8.0)など大きな被害が出た地震の原因となっている。なおこの二つの地震の震源地に隣接する静岡県南方は1854年12月23日の安政東海地震以来150年以上経過しているため、次の東海地震の発生が懸念されているところである。
東海アマチェア無線地震予知研究会サイトでは、9日の東海道南方沖地震は南海トラフの巨大地震を発生させる契機となる可能性があるとして、次のような警告を出している。
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東海トラフ
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三河地震以来長い間抑圧されてきた東海トラフのタガが、この地震で外れたとするなら、これ
から数ヶ月の間、数百回のM4〜7クラスの地震が頻発し、徐々に規模を大きくし、やがて、
宝永以来のスーパー級南海トラフ大地震につながる可能性が強いと思う。
なお、駿河湾地震の数分前に、インド洋上のインド領アンダマン諸島付近でマグニチュード(M)7.6の地震が発生していることも、他の地域のトラフのタガがゆるみだしていることを裏づけているように思われる。
駿河湾地震と台風9号
こうした警告を速やかにHP上で伝えねばと思っていた矢先の今朝方の地震発生である。震度4の揺れで目を覚ました私がまっ先に思ったのが、この警告であった。
連続した今回の駿河湾地震には、もう一つ不思議な現象が付随していた。それは先の地震の2日ほど前に突然発生した台風9号である。通常台風は南方海上で発生し、1週間から10日ほどして次第に日本に近づいて来るものである。
しかし、今回の9号台風は台風8号が先島列島で大暴れした後、まだ台湾から中国本土に向け被害を拡大しながら進行している時に、熱帯性低気圧から台風へ突然変異を遂げて発生し、それも日本列島のすぐ南の海上であったのだから驚きである。
その台風による風雨はそれ自身が引き連れてきた雲からの雨ではなく、すでに日本列島上空に横たわっていた前線を刺激して、強烈な豪雨を引き起こすものであった。これもまた、異例な出来事である。
しかし、こうした出来事を別の角度から眺めると、すべてが腑(ふ)に落ちるのである。別の角度とは、列島を洗い清めるかのように降り注いだ大量の雨は、実は、日本列島を浄化する為のものだったのではないか、という考え方である。
浄化とはいえ、被害に遭われている方が沢山いるわけであるから、大変お気の毒ではあるが、今回集中的に豪雨に見舞われているエリアが、主に東南海、東海地震が発生した際に大災害が懸念されている中四国地方から紀伊半島沖、さらには静岡地方であったことを考えると、その可能性を無視することは出来ないように思われる。
さらに台風が地震発生から間もなくして一気にその勢力を弱め、日本列島から離れていったことも、浄化説を裏づけているように思われる。
幸いにも、今回は神々の計らいで大事に至らずに済んだようであるが、これをもって、かねてから懸念されている「東海地震」や「東南海地震」が去ったなどと決して思わないことである。むしろ、二つの地震は、万人に時の近づいていることを知らせるための予兆として発生したものと、考えておくべきではないだろうか。
もしかすると、周辺地域で1週間もしないうちに、更なる大地震が発生しないとも限らない。そんな予測を述べている人もいるようだ。それにしても、東海地震で一番心配なのが浜岡原発事故の発生である。次回は緊急メッセージとして、「東海地震と原発震災の恐怖」を掲載する予定である。お見逃しのないように。
最後に、今回の台風、洪水、地震で被害に遭われた方々に心からお悔やみ申し上げます。