【ローマ1日共同】水の都として世界遺産に登録されたイタリア北部ベネチアが1日、アクアアルタと呼ばれる高潮に襲われて旧市街全域が冠水、都市機能がまひした。高潮の高さは1986年以来、最高の156センチに達した。
同市では毎年秋から冬にかけ、季節風と低気圧の影響で高潮が起き、冠水被害が発生。近年は地球温暖化による海面上昇などで頻発しているが、全域の冠水はまれ。
中心部のサンマルコ広場も完全に水没した。多くの商店やレストランが閉まり、水上バスも運休。旅行者はホテルに閉じ込められ、住民も1階の家具を2階に上げるなど対応に追われた。
イタリア政府は高潮被害を防ぐため、総工費約43億ユーロ(約5100億円)をかけて海中に防潮壁を設置する工事を進めており、2014年に完成予定。