続発するイラクのテロ
イラクの首都バグダッドで8日朝、車爆弾などによるテロが相次ぎ、治安当局によると127名が死亡、448人が負傷した。爆発は首都中心部のまっただ中、法務省庁舎や財務省、労働社会問題省の庁舎付近5カ所で同時に起きており、政府庁舎を標的にした計画的な同時多発テロであったようである。
バグダッドでは今年8月と10月にも100人以上の死者を出した同時多発テロが何回か起きており、半年に満たない間に5度目の大型同時テロの発生である。これらは皆、米軍撤退後のマリキ政権の治安維持能力がいかにもろいものであるかを物語っている。
現在のイラク政府の状況を見ると、これから先もこうした大型テロは止まることなく続く可能性が強く、残念ながら、イラク国民の不安は当分消えることはなさそうである。
イラクでは20〜30人の死亡事故ならほとんど毎日のように起きている。もしも我が国で、こうしたテロや自然災害が起きれば大騒ぎ、それが半年間に3度も4度も頻発したら国民の不安は尋常ではなくなってくるはずである。そう考えると、遠い中東の国のことだから、ではすまされないのである。
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8日、バグダッドの労働省近くの爆発現場に集まったイラクの治安要員ら(AP)
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家族団らんで食事をしている最中、突然爆弾が破裂し気がついてみたら、10人の家族の中で生き残ったのは父親と幼い子供一人なんていうことは、
イラクでは特別のことではなくなっており、恐ろしいことに、こうした悲劇的な惨事はアメリカ軍の介入以降、数え切れないほどの人たちが体験しているのである。
この春、治安の維持をイラク政府にゆだねて一部のアメリカ軍が撤退を始めてからも、テロ活動は一向におさまることなく、弱体のイラク治安部隊をあざ笑うかの如く、テロは街中や政府の中枢のエリアで続発し、今やイラク
から「治安」とか「平穏」という文字は消え、首都バグダッドをはじめ多くの都市に住む人々は「生き地獄」の中で暮らしているようなものである。
これでは、スンニ派だけでなくシーア派やクルド族の人々にとっても、フセイン政権の時代の方がずっとよかったと思っているのではなかろうか。2003年3月19日、米英軍による空襲から始まったイラク人の苦難は、既に来春には足かけ8年目に入ることになる。
困ったことに、こういった惨状はイラクだけに限らずアフガニスタンやパキスタンにも飛び火し、今や両国も第2のイラクと化そうとしているのである。
米新戦略・3万人増派
そんな中、オバマ大統領はアフガニスタン駐留軍を3万人追加派兵する戦力を打ち出した。その数は現地司令官の要請よりは下回るものの、今春決めた2万1000人増派計画と合わせると、6万8000人となり、昨年末と比べると規模は倍増している。
現在の反政府勢力タリバーンのアフガニスタンやパキスタンに於ける勢いは日増しに強まってきており、今回の増派によって、両国の治安の維持の回復の見通しが立つのかというと、決して楽観視できる状況ではない。増派に対する付帯条件としてオバマ大統領は2011年の7月の撤退開始を強調しているが、後1年半やそこいらでタリバンの息の根を断つことなど到底無理な話であることは、もはや自明の理である。
それでは、2011年秋以降のアメリカはどのような状況に立たされるのか? それを暗示しているのが、現在のイラク情勢である。大統領は第2のベトナム戦争化
への懸念に対して、ベトナム戦争と違って中東への軍事介入には、国連の支持や世界の数カ国の協調派遣がある点ををあげている。
しかし、NATOを始め各国の派兵など附録のようなもので、実質的にはアメリカの単独戦争に変わりはないのだ。アメリカ国民はそのことを忘れては
道を誤ってしまうことになるはずだ。今イギリスでは、当時のブレア首相がブッシュに取り込まれ、大義名分のないまま参戦したことが大々的に問題となって、その真相を明らかにするための審議が行われている。
その結果次第では、最大の支援国、同盟国であったイギリス軍さえ早期の撤退や派遣規模の縮小が起きてくる可能性は十分にあるのだ。そうなればますますアメリカの孤立化が深まってくることは明らかだ。
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1日夜、ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校でアフガニスタン
新戦略を発表するオバマ米大統領(ロイター)
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いつまで続くぬかるみぞ
3ヶ国の中では一番戦争やテロ犠牲者が少ないパキスタンでも、政府とアメリカ軍によるタリバーン掃討作戦と反政府武装勢力による報復の連鎖で、既に死者の数は1000人を上回って
来ており、パキスタン北西部に置いては、もはや完全な戦争状態に突入しているようである。
こうした状況を考えると、アフガンからの撤退どころか、そう遠からずの内にパキスタン戦線にもアメリカ
軍は本格的に介入をせざるを得なくなってくる可能性は大である。
そうなれば、まさにアメリカのベトナム戦争化は必至である。またそれは即、ドルとアメリカの凋落を意味している。もはや今のアメリカには、1970年代ほど経済的な蓄えも精神的余裕もないからである。
こうしてみてくると、私はアメリカという国家がこのままの道を進むようなら、第2のベトナム戦争化に陥ることは間違いないと確信している。既にイラクとアフガンの二つの戦争や駐留に費やした戦費は約100兆円に達しており、
その額は10年間に及ぶベトナム戦争をはるかに上回っている。
なにしろ、兵士一人当たりに年間100万ドル(9000万円)を超す膨大な費用がかかるのだから、たまったものではない。現に今回のアフガンの増派に要する費用だけでも、およそ3兆円の戦費負担を議会に要請している。
100兆円といえば、イラクやアフガン、パキスタンの3つの国家の総額予算の10年分である。アメリカがこれだけの膨大な軍事費をつぎ込んだ結果、3つの中東国の情勢はどうなったのかというと、イラク、アフガン戦争が始まる以前よりはるかに世情は悪化し、経済的にも政治的にも混乱の度が増して来ているのが実情である。
イラクなど石油の輸出大国であったのに、今や自国の消費もままならないほどの状態に陥っている。
そればかりか、その間に亡くなったり負傷した人の数、また、避難民として各地をさまよい不自由なテント生活を余儀なくさせられ、食糧にも事欠いている人々の数は、5
00万人とも1000万人も言われている。その実体を知れば知るほど、なんとも無意味な戦いを続けてきたことかと、嘆かずにはおれなくなってくる。
その一方、ごく一部の人間を除けば、アメリカ国民にとっても少しもいい事があったわけではなく、
テロ対策特別法の施行によって、個人の権利は侵され、さらには、大変な国家予算の浪費によって今や国家破綻さえ
、ささやかれ始めているのが実情である。
その上、イラク戦争開始の大義名分となった偽りの「9・11同時多発テロ」の犠牲者をはるかに上回る5000人を超す兵士が既に亡くなっているばかりか、今や中東諸国に駐留している兵士や帰国した兵士の中に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を病んでいる者が続発し、米軍全体の大きな問題となってきているのである。
精神病理学的な戦争の影響を扱う上級軍医スタッフは、イラクでの米軍人の最大5人に1人がPTSDに苦しんでいると述べているほどである。一方、自殺者の数も多発してきており、米陸軍だけでも昨年の自殺者の数は140人に達し、今年ははるかにそれを上回って、250人近くに達するのではないかといわれている。
このように、時がたつにつれて戦死者だけでなくPTSD患者や自殺者の数も鰻登りに増加してきており、いかに戦争という行為が残酷で非人間的な行為であるかを物語っている。
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11月11日、パキスタン北西部マルダンの難民キャンプで登録のため長蛇の列を作る群衆(AP)
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それを端的に表した事件が、11月5日アメリカテキサス州のフォートフッド陸軍基地で起きた銃乱射事件である。この事件で13人が死亡、43人が負傷。犯人の精神科医である陸軍少佐・ニダル・マリク・ハサンは現在入院中で動機ははっきりしていないようであるが、精神科医としてPTSD患者をたくさん診てきている中で、イラクやアフガニスタン対する戦争に強い矛盾を感じ、おのれ自身も一種のPTSD症候群になったのではないかと言われている。
人間という者はなんと愚かな生き物であろうか。大義名分などまったくない戦争に打って出て、膨大な戦費を費やし、自国の部隊は勿論のこと相手国のたくさんの人命を犠牲にし、さらには避難民や精神的障害者を続出させているのである。
それでもなお、今回のアフガン増派に対し過半数のアメリカ国民が支持しているのである。
ただその中で、にんまりと喜んでいるのは、軍産複合体と呼ばれる軍事物資を作っては売りさばいて膨大な儲けを産み出している連中である。またもっと喜んでいるのは、裏にいて彼らを操っている「影の勢力」である。
奴らは富と権力を一手にし、地球を我が物にすることが狙いである。その計画の実現のためならイラクやアフガンでいかに多くの国民が塗炭の苦しみを味わおうが、アメリカという国家が最終的に破綻に追い込まれようが、一切お構いなしなのである。どだい彼らは、民族とか国家などという意識は欠片(かけら)ほども持たない生き物である。
だからこそ、彼らはイラク・アフガン戦争へと導くために、自ら「9・11同時多発テロ」を計画し、あたかもアルカイダの仕業の如く見せてビンラディン憎し、フセイン憎しの風潮をアメリカと、世界に広めたのである。
その作戦にまんまと乗ったのがアメリカ国民であったというわけである。イラク戦開戦時の90%に達したブッシュの支持率を見ればよく分かる。
同時テロで被害にあった3000人の犠牲者は大変お気の毒であったが、イラク、アフガン、パキスタンで亡くなったり、家を失い、働き手を失って路頭に迷うっている人々の数は、その100倍
にも1000倍にも達していることを考えると、いかに彼らの手口が極悪非道なものであったかが、分かろうというものである。
宇宙人は全てを知っている
マウリツィオ・カヴァーロ氏は来春発刊される新書の中で、「サタンやルシファーは存在しないが、極悪非道の存在は間違いなく存在する。彼らは人々を完全な支配下に置こうと、権力と束縛に訴えた悪魔のゲームを展開している」と述べている。宇宙からやって来ているエイリアンたちはそれらのことは百もお見通しなのである。
ただし宇宙には、「不介入の原則」があるがゆえに手出しをしないで眺めているだけである。しかし、宇宙からの来訪者達に頼らなくても、我々自身が「影の勢力」やその配下にいる「極悪非道の輩達」の悪巧みを次第に悟るようになってくれば、彼らの計画は頓挫することになる
はずである。
そのために、宇宙の真相、つまり、宇宙には精神性において人類をはるかに凌駕したヒューマノイドが無数に存在することや、やがて我々も遠からずしてその仲間に加わる
時が来ることを知らしめようと、多くの宇宙船が我々の目の前に出現するチャンスは次第に増えてくるようである。
実は、数日前、札幌上空のUFO写真を撮影した女性や日高市で毎日のようにUFOを見続けている女性が我が家にやって来た折り、今夜はかなりの数のUFOが来ているような気がすると言うので、一緒に夜の庭に出てみると、驚いたことに彼女たちが言う
通り、東南の低い夜空に、十数機のUFOが乱舞しており、チカチカと光を点滅し合ってまるで我々にその存在を知らしめているようであった。
50年来UFOの研究をして来ている私であるが、こんなに数多くのUFOが乱舞している姿を目撃するのは始めてであった。庭に出た十人ほどが皆一様に目撃しているので、どうにも疑いようのない目撃事例となった。ちょうど、マウリツィオ・カヴァーロ氏の新書の「監修者あとがき」を書き上げた直後だっただけに、感激もひとしおであった。
私には、「カヴァーロ氏の語っている宇宙での体験談は真実であるのだぞ」、と教えてくれているように思われてならなかった。
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これからは、こうした半透明体のUFOを多くの人が目撃するようになってくるかもしれない
(マウリツィオ・カヴァーロ氏撮影) |
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いよいよこれからは時間との勝負である。地球と人類にとっての一大転換期がいつやって来るか、それまでに彼らの悪巧みがどこまで成就するか。それは、我々人類の中から歴史の真実や宇宙や霊的世界の実体を知る人々が、いかに多く出てくるかにかかっているのではなかろうか。
一人でも多くの方が、覚醒されんことを願わずにはおれない気持ちである。