債務不履行の恐れが出ているギリシャへの追加支援を巡って、ユーロ圏各国(EU)
は「ギリシャ側が支援の条件を十分に満たしていない」として、15日に開催を予定していた財務相会議を急きょ見送り、支援の決定は先送りされる見通しとなった。
これは、ユーロ圏の議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相が、14日、明らかにしたもので、それによると、ユーロ圏各国がギリシャへの追加支援を行うにあたって示した3つの条件のうち、ギリシャ側は、@
さらなる緊縮策を議会で可決したものの、A
連立与党の各党が緊縮策を実施する誓約書を提出していない他、B
今年の歳出削減計画の一部について具体的な内容が示されていないとされている。
このためユーロ圏各国では、追加支援を決めるために15日に開催を予定していた財務相会議を急きょ見送り、電話での会議に切り替えたというわけである。これにより、追加支援の決定は、早くても今月20日に予定されている次の財務相会議まで先送りされる見通しとなったようである。
ギリシャは、来月20日に多額の国債の償還期限を迎えることから、ユーロ圏などから追加支援が得られなければ債務不履行に陥るおそれが出てきているが、支援にあたってユーロ圏側が示している厳しい条件に、ギリシャ国内では反発が強まっており、債務不履行の回避に向け残された時間はさらに少なくなってきた。
国民の猛反発を覚悟で、年金の一部カットまで踏み込み、EUやIMFの付けた融資条件を完全に履行するかどうか、新しい連立与党はいよいよ最後の決断を迫られるところとなってきた。それにしても、審議が行われている国会議事堂の周辺でのあの暴動の様子を見ると、仮に融資を受けるようになったとしても、これから先の世情は大変なことになりそうである。