オバマ米大統領とネタニヤフ・イスラエル首相は5日、米ホワイトハウスで2時間にわたり会談し、イランの核開発問題などで対応を協議した。
対談の模様はテレビで全世界に流されたが、イラン攻撃を自己防衛のため正当な手段だと主張するネタニヤフ首相の横で、オバマ大統領が苦々しい顔で聞き入る姿が写されていた
。しかし、これは、イランへの攻撃を米国は決して賛同しているわけではないことを世界に向けアピールするための演技でしかなかった。
今回の両者のテレビ登場は、間もなく始まるイラン攻撃の後で、米国は「外交努力をするべきだと主張したのに、イスラエルが自国防衛のためにやむをえず軍事行動に走ってしまった」と主張するための猿芝居で、実のところは、既に両者の間ではイラン決行のシナリオが出来上がっているのである。
そのことは、オバマ大統領が、外交努力による解決を望んでいると語る一方で、イスラエルの安全保障にかかわる問題では常に同国を支援するとの立場を改めて強調したり、また、親イスラエル団体「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」での講演でも同様
の内容を語っていることを見れば、一目瞭然である。
これに一枚絡んでいるのが英国で、そのため14日に訪米しオバマ大統領と会談した裏には、密かにイスラエルを軍事的、資金的にサポートする役割を話し合った可能性が強い。イラン攻撃はイスラエルが単独で実行する、それを
密かに裏から軍事的、資金的に援助するのが米国と英国。そんなシナリオが出来上がって、あとはタイミング待ちといったところではないだろうか。
いざ戦闘開始となれば、石油の高騰は間違いないだけに、石油メジャーはホクホクする一方で、世界中の庶民は一段とフトコロ具合が寂しくなって来ることは間違い
ない。財政危機で苦しむEU諸国に新たな問題が発生することになるかも知れない。イラン原油に頼る中国も
同じ問題を抱え込むことになるだろう。
ネタニヤフ首相やオバマ大統領の発言を聞いていると、攻撃の時期はあまり先のことではなさそうだ。これから2ヶ月以内、5月半ば頃までに実行される可能性が大きいように思われる。その事態を中国やロシアが黙って見過ごすことはないだろうから、また世界に新たな混乱が始まることになりそうだ。「憎しみ」と「恐怖心」、闇の勢力が好む負のエネルギーの蔓延である。