放射能汚染物質の処分問題で揺れる日本。福島原発のメルトダウン事故以来、我が国の原発は次々と止まり、現時点では、北海道の泊原発の3号機以外全ての発電機が操業を中止する
状況にある。
問題は政府がいかなる口実で運転再開に踏み切るかである。太平洋プレートやフィリピン
海プレートなど4つのプレートが交差する地震国という特殊性や、その全てが海岸に面して造られているという点からして、19ヶ所の原発、50機を超す原子炉のどれもが安全面から
大いに問題ありというのが実体である。
政府がそうした危険を冒して再開に踏み切るとしたら、その口実はただ一つ「電力不足」である。しかし、猛暑の昨年の夏と厳しい寒さが続いたこの冬を乗り切った事を考えれば、操業時間帯の変更や節電対策
の徹底によって、何とか乗り切れる可能性はありそうである。
今世界は、そうした我が国の動向を固唾を飲んで見守っている。ドイツを始めイギリスやフランス、米国など、どこの国においても小規模ながらも原子炉事故が発生したり、新たな原子炉開発計画に問題が発生し
、このままでは電力不足に陥ることは避けられそうになくなってきているからである。
フランスではイランからの石油の供給がストップしていることや他国からの電力供給が減少していることから、この夏から国を挙げて大規模節電に取り組むことになったようである。深夜1時から早朝の6時まで、イルミネーションやネオンサインなど全ての商業施設やオフィスの照明をオフにすることが義務づけられることとなった
のだ。さっそく我が国も見習ったらどうだろうか。セブンイレブンなどは率先して、その名の示す通り、朝7時から夜11時までの営業に復帰するのが賢明と思われるがいか
が
であろうか。
イギリスでは新世代原子力開発プロジェクトが進められてきていたが、先行きの見通しが立たない事態に立ち至っている。それは、プロジェクトの主要参加企業のうち、ドイツのエヌパワー社とエイオン社が「脱原発へ向かう国際的な現実に沿わない」という理由で、撤退を表明したためである。
新たな開発が進まない限り、イギリスでは今後10年間、老朽化や環境汚染問題の懸念から原発の閉鎖が相次
ぎ、このままでは電力の供給が25〜30%減少する事が予想されている。先進国の原発は皆同様の問題を抱えており、危険な原発に頼ってきた国はどこも
「明日は我が身」となって来ている。
イギリスの開発プロジェクトからの2社の撤退は、国を挙げて脱原発に取り組む方針が打ち出されているドイツの企業だけに、他国の原発建設に手を貸すことに道義的責任を感じた
からではないかと思われる。
一方、原発事故発生の当時国でありながら、そうした考えには至らず、米国の原発の新規受注を受けたり、インドや東南アジアへの売り込みを積極的に続けている我が国の原発
関連メーカーとは大変な違いである。3・11の被災時の対応に世界各国から賞賛が送られた我が国であるが、金儲けに目がくらんだ企業は、どうやら別格であるようだ。
電力不足問題を抱えているのは、米国も同様である。1月31日に蒸気発生器の配管の破損によって水漏れが起きて原子炉一基が緊急停止し、微量ながらも放射性物質が外部に漏れたとされているカリフォルニア州南部のサンオノフレ原発に対し、米原子力規制委員会から原因が究明されるまで再稼働を禁止する命令が発令された。
このため、ロサンジェルス近郊を含む州南部一帯が需要のピークの夏場には電力不足になる可能性が強く、どう対処するか緊急課題となっている。因みに問題を起こした蒸気発生器は、2年前に納入した三菱重工業製である。
原子力や石油の利権によって膨大な富を得てきているロックフェラーやロスチャイルドなどによる、学者や政治家を使った陰湿な妨害工作は続くだろうが、どうやら「新生地球・
アルス」の誕生を前にして、人類はフリーエネルギーの開発に真剣に取り組む時が来たようである。そうしない限り、人類は銀河系宇宙への仲間入りを果たすことは不可能である。