東北部の干ばつ
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干し上がった吉林省の耕作地(NHK・BSテレビ)
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ここ数年、洪水や干ばつ、大雪などの自然災害が続く中国で、昨年暮れから再び記録的な降水量の減少が始まっている。
中国東北部に位置する吉林省、内モンゴル自治区、黒竜江省は国内生産の4分の1の生産をあげている中国最大の穀倉地帯である。その東北地方では昨年の12月以来降水量が激減し、過去62年間で最も少ない降水量となっており、平年の30%に満たない状況が続いている。
その結果、ダムの貯水量が減少し川の水位が下がっきており、このままでは春の農作業が始まる3月末の水不足は明らかで、灌漑や種まきができるかどうかが案じられている。中国軍兵士が出動して川
に張った氷の上にたくさんの石を置く作業に取りかかっている。春になって氷が解けた後、沈んで川の水位を上げることを期待しているのだ。
こんなことをしたら、今度大雨が来たら洪水になってしまうのにと思うが、他に手段がないと言うことだろうか。それにしても、このまま記録的な降水量の減少が続くようだと、なにしろ中国最大の穀倉地帯だけにその影響が心配である。
一方、既に春の農作業が始まっている南部の雲南省でも干ばつが進み、被害が拡大している。大紀元日本ニュースによれば、省内の273本の中小河川は流れが途絶え、413カ所の小型ダムが干上がっているようである。
その結果、54万ヘクタールの農作物が干ばつの被害を受けており、直接的な干ばつの被害損失も1300億円に達している。また一部の企業が操業停止や操業時間の短縮を迫られ、319万人
が飲み水の確保さえ難しい状況に陥っているようである。
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飲用水を運ぶ女性(AFP)
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こうした中国の干ばつや洪水は自然災害的な面もあるが、それ以上に人工的な面が大きい。30年間に渡って10%を越す驚異的な高度成長を続けてきた反動
によるものであるからである。度を超した原始林の伐採や鉱石採掘などによる自然破壊は地下水位を促す一方、洪水による土砂の流出を引き起こ
しているのである。
さらには、生活廃棄物や産業廃棄物の無節操な処分により、残り少ない水源を汚して飲用水不足まで引き起こし、ゴミや汚物、毒物が水面に散乱して、牛に
さえ飲ませられないほどの状況を招いているのだ。とても世界をリードする国家の有様ではない。
こうした状況は、既に私のHPでも何度も、何度もお知らせしてきていることであるが、その度合いは益々ひどくなってきているようである。何時までもこのまま
の状況が続くことは考えられない。どこかで、無秩序な乱開発を許してきた政府に対する国民の不満が爆発する時が来るはずである。
大気汚染の広がり、違法食品の販売、共産党幹部の汚職 ・・・・・・・ こうしたことに対する国民の不安や怒りが暴動に発生することを、欧州の経済危機による輸出の低迷
で企業倒産が続出し始めてきている時だけに、共産党政府幹部は恐れているに違いない。
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