共通番号制を閣議決定
政府は14日、全ての国民一人一人に番号をつけることで、個人の所得や介護・医療などの社会保障の情報を一元化しようと、「共通番号制度法案」を閣議決定し、国会に提出した。法案が成立すれば2014年秋から、日本に暮らす個人と企業に番号が振り当てられ、15年月からICチップ付きカードが配られる予定である。
この法案は大変重要な問題を含んでいるので、読者は審議の行方から絶対に目を離さないようにして欲しい。使い方によっては個人情報が完全に把握され、好き勝手に使われることになり、原発問題と同様、後からは取り返しがつかなくなる
可能性が大きいからである。
当初は「給付と負担の公平性」のうたい文句通り、単に税収の管理や社会保障費の配布などに利用されるだけかも知れないが、一旦この制度が導入されると、利用目的には歯止めがきかなくなることは間違いなく、個人のプライバシーは完全に奪われることになる。
使い方によっては、個人や企業の全ての情報、経歴から、預貯金、診察歴、あげくは思想や物の考え方までが一元的に管理されることになる
ため、あとはそれを管理し、利用する人間たちに全てがゆだねられることになる。今回の共通番号制度法案に賛成の意向を示している者は、情報は
安全に管理され、それを利用しようとする者は立派な人格者で、聖なる者の集団であることを前提に発言している。
しかし、そんなことは絶対にあり得ない。それは現在の日本の政治家や官僚たちのやっていることを見れば明々白々ではないか。制度そのものが決して悪いというわけではないが、その管理と利用者の実体を見る限り、絶対に賛成できる法案ではないことは確かである。
ましてやデーターが人類の一元統治を考えている「闇の勢力」に渡ることを考えたら、空恐ろしくなってくる。
ブッシュ大統領の親父さんが現役当時、さかんに唱えていたワンワールド(世界統一国家)と一緒で、問題はそれを誰が統治するかである。神に匹敵するような人物が出現し
統治するというのなら話は別だが、そうでない限り、世界中の国民が得体の知れないたった一人の人間
、一つの管理集団の統治下に置かれ、そこで我々個人の全ての情報が好き勝手に利用されることになってしまうのだ。
日常生活を送っていく上でも、こうした情報が他に漏れた場合はどうなるのか? 既に企業が持つ個人情報が盗まれ
て社会問題になっていることはご承知の通りである。デジタル情報として集められたものが、安全に管理されるなどと言うことは不可能である。企業のみならず、政府や国家の機密情報が容易に外部に漏れてしまうことは、
ウイクリークスに代表されるサイバー攻撃の実体を見れば容易に察しがつくはずだ。
共通番号制度の基礎となる住民基本台帳ネットワークでも、すでに住基カードの不正取得や悪用のケースが相次いでいるではないか。一旦そうなったら、我々のプライバシーは完全にお手上げとなるのだ。
それに、もう一つ国民の80%以上がこの「共通番号制度」の実体を知らないでいるというのに、急いで閣議決定して法案審議に持ち込もうとしている裏には、野田総理自身もまったく知らないでいる
身の毛のよだつような計画が隠されている可能性が大きいのだ。次回はその点について触れることにしよう。