消費増税案が30日に国会に提出された。その内容は、現行5%の税率を2014年4月に8%、15年に10%に引き上げるというものである。しかし、与党
議員でありながら小沢一郎氏一党はあくまで増税案に反対、また、国民新党の亀井静香氏も連立政権から離脱し反対の意向を明らかにした。
選挙公約に反する、また、国民に負担を掛けないという大義名分を前にすると、増税反対は一見筋が通っているように思える。しかし、国の財政がもはや崩壊寸前であることを考えたら、
与党議員として反対などしておれないはずである。2月11日付けのHP「ギリシャ財政再建策」で述べたように、税収と税外収入を合わせても50兆円に達しないのに、国家の借金が900兆
円を超していることを考えれば、大義名分にこだわっている状況でないことは明らかだ。
増税の前にやることがあるはずだという言い分も、一見筋が通っているように思えるが、やるべき事があったら増税と併せてやれば良いわけで、頭を下げるところは素直に頭を下げ、国民に納得してもらう位の広い了見を持って欲しいものだ。
増税反対を叫ぶ議員たちの行動は、日本つぶしを企む輩たちにとっては思うつぼである。対GDP(国民総生産)比が100%に達していないイギリスが必至に財政再建に取り組んでいるというのに、既に200%を超している我が国が今に至るも増税策が頓挫するようなことがあったら、「日本財政危うし」
の風潮が市場に蔓延し、発行残高が700兆円を超えている国債の信用は一気に下落し、値下がり(金利の上昇)することは火を見るより明らかである。
既に最近の新聞を見ると、国債漬けになっている国内金融機関に対して、国債価格の急落による金融混乱リスクが大きくなって来ていると警戒する記事が出始めている。現在は10年もの国債で1%未満という世界中の国債の中で最も低い金利でいるからまだ救われているが、もしも、
我が国の財政危機に対する懸念が世界のマーケットに広がり、仮にイギリスや米国並みに2・3%に上昇しただけでも、700兆×1.3%=9兆円となって、消費税10%増税分
の10兆円はあっと言う間に吹き飛んでしまう。
700兆円という膨大な借金を背負った我が国にとって、財政危機の噂を真っ先に押さえ込まねばならない政治家や政府与党が党利党略や私利私欲に走り、増税反対などと叫んでいるようでは
もはや日本も終わりである。
「ギリシャ財政再建策」で述べたように、90%を超す国債の債権者である日本国民が返済の期限延長を認めでもしない限り、
遠からずして財政破綻(デフォルト)の到来は不可避だが、せめて消費増税の実行によって、ヨーロッパや米国のデフォルトの前の倒産劇だけは避けて欲しいものである。
本来なら、食料品などの生活必需品以外は第一段階で15%、第二段階で20%位にしないと、財政赤字の削減には至らないが、今の政治家ではそこまでやる勇気のある人物はいそうもないので、
残念ながら世界経済崩壊への「火付け役」にならなければ良しとするしかなさそうである。