アレハンドロ長老インタビューの真相
先日、フジテレビの「たけしのアンビリバボー」が放映され、2012年問題が取り上げられたので、読者もご覧になられたのではないだろうか。内容は、マヤの長期歴の終わりが近づいており、その日付といわれている2012年12月21日に「何が起きるのか?」を問いかける番組であった。
番組の最後に、わずか数分であったがマヤのアレハンドロ長老へのインタビューが行われていた。その中で長老の語られた言葉を聞いて2年前に私がナビゲーターとして出演したBS・TBSテレビの開局
10周年特別番組「2012年12月21日・マヤ歴の真実」をご覧になった方は、「オヤッ!」と思われたに違いない。
というのは、アンビリバボーの中では、古代マヤ人が星を観察するのに使ったというアティトラン湖という世界一澄んだ湖のほとりで、長老が私に語った長期歴の終わりに関する見解と違ったことを述べていたからである。
アンビリバボーでは、「今年、2012年12月21日、マヤのカレンダーは終わりを迎えます。世界の終わりです、時代の終わりです」と語っている。しかし、「マヤ歴の真実」番組の私のインタビューでは、長老は2012年12月21日がマヤの5200年の長期歴の終わりであることや、その日が世界の終わりであることなどまったく語っていなかっただけに、私も驚かされた。
グアテマラ訪問の際や長老の来日時に、いつも氏から聞かされるのは、「2012年12月21日マヤ歴終焉」説を世に広げた西洋の学者に対する強い批判であった。「自分たちは、その説を一切認めていません。なぜなら長期歴を読み解くディーキーパーと呼ばれる聖職者たちは、16世にグアテマラにやって来たスペイン人によって皆殺しにあっているからです」と語っていた。
ディーキーパーの家系に生まれたアレハンドロ氏がそう語るのだから、その言葉を素直に受け入れるべきではなかろうか。長期歴はあくまでマヤ人の暦であり、また彼らマヤ人が保持していた驚異的な天文学的知識や暦に関する叡智は、プレアデスからやって来た存在から教えられたもので、それは長老やディーキーパーと言う特別の聖職者だけが保持し続けてきた知識であるからである。
そうした内容の詳しい点は、テレビで「マヤ歴の真実」の再放送もあるかもしれないし、拙著「2012年アセンション最後の真実』にも書いてあるので、参照して頂きたい。
そんなことで、今回の番組でインタビューした松本氏に連絡し、長老の発言についてお聞きしたところ、「そのようなことは一切語っていません」、「長老に話したらさぞかし驚くでしょう」と語っていた。松本氏は私がグアテマラを訪ねる際に通訳としてお手伝いをお願いしている人物で、今回は「インタビュアー」兼「翻訳者」として参画していただけに、彼自身も大変に驚いていた。
制作者の意図がどこにあったか知れないが、マヤ族の最高長老であるアレハンドロ氏の一番重要な語りの部分を、制作者サイトがご自身の都合の良い内容に変えてしま
うなどということは、公共放送を制作する者として、
あってはならないことである。制作者は私が出演した「アンビリバボー」のデレクターでもあっただけに大変残念な事である。
(長老サイトより要請を受けて、テレビ局のブログに謝罪表明が掲載されている 下段に掲載)
読者は長老がBS・TBSの番組の中で私に語った内容、「確かな日付は分かりませんが、やがてやって来る長期歴の終わりは地球の終わりでも、人類の終わりでもなく、新しい時代の始まりに過ぎません。皆さんが心配している2012年12月21日はいつもと変わらない朝を迎え、
その日を終えることでしょう」という言葉こそが、長老の言わんとしている点であることを、承知しておいて頂ければと思っている。
アレハンドロ長老から届いた、長老会議の宣言文を下に添付しておく。これから先、12月に向かってテレビ番組などで、2012年12月終末説をあおるような番組が放映される可能性が大なので、マヤの名をかたった営利目的のそういった番組には決して惑わされることのないようご注意頂きたい。
これから先、希望の星「アルス」の誕生を前にして、自然災害や経済・政治の崩壊など様々な激変が発生してくることは避けられないと思うが、2012年12月をもって地球や人類の終末が来るという考えは間違いであるので、勘違いのないように改めて記しておく。
マヤ・スピリチュアルガイド長老会議の宣言文
我々が持ついくつもの数の単位の中にはトゥン、カトゥン、バクトゥンなどがあり、13チョルトゥンに400年が1単位のバクトゥンを掛けるとソル(太陽)歴の5200年という我々の持つソル・カレンダーの単位になる。
第5の太陽が終息に向かっている現在、政治、経済、社会に大きな変革が現れている。
この新たな時代に向けて我々は先祖の歩んだ本来の道に回帰しなければならない。
これより来たる第6の太陽に向かい、改めて警鐘を鳴らしたいのは、この第5の太陽の終息が我々の滅亡に繋がることは決してないということである。
人類が自ら招いた破壊活動により天変地異が顕在化してきている昨今、マヤカレンダー、第5の太陽の終息をこれらの現象と結びつけ、営利目的でマヤの名を騙り利益をむさぼっている
人々が横行しており、ゆゆしき事態が生じております。皆様にはこれらのデマに惑わされることなく、良識を持って平常心で日々を送って頂きたい。
第6の太陽に向かい、皆で手を携え粛々と歩んで行こうではありませんか。恐れることなく良心を持ち、それぞれの民族のルーツに回帰し、先人が歩んだ道をたゆまなく、慈しみあいながら生きていきましょう。
シリロ・ペレス・オシュラ
マヤ先住民族会議大長老 ガテマラ国マヤ先住民族全権大使
フジテレビからのお詫びと訂正文
3月22日 放送内容について
3月22日放送の「2012人類滅亡ミステリー」で取り上げたマヤ族末裔のアレハンドロ・シリロ・ペレス・オシュラ氏のインタビューについて、日本語訳を
「今年12月21日、マヤのカレンダーは終わりを迎えます。世界の終わり、時代の終わりです。(中略)…現在は「五番目の太陽」の時代にあたり、今年の12月21日で終わります。しかし、何も悲劇は起こりません。また新たな時代が始まるのです。」
としましたが、
「マヤのカレンダーは五番目の太陽の時代から六番目の太陽の時代に移行する時期にきています。その日は何事も起こらないと私は確信しています。」
が正確な内容で「世界の終り、時代の終わり」という文言は誇張した日本語訳でした。お詫びして訂正致します。