米国・出揃った自然災害



ホーム
上へ
世界が恐れるデフォルトの脅威
奇っ怪な逮捕劇
米国・今度は巨大砂嵐
後悔先に立たず!
米国・失業率3ヶ月連続上昇
アセンションに導くアンデス音楽
ペルーの異常気象
なでしこジャパン快挙
熱波・夏の雪・秋風
伝説のスピーチ
中国高速鉄道事故の背景
中国共産党政権の実体
世界に広まる借金地獄
乱高下の米国株式
ソマリアの大飢饉
覇権国家の凋落
「霊性の目覚め」講演会
京都の送り火トラブル
ひた隠す汚染の実体・中国
経済減速化がもたらす不気味な兆候
ローマ法王スペイン訪問
天からの警告
中国にミステリー・サークル出現
米国・出揃った自然災害
台風12号
竜の歌
1000万カウント達成
ユーロ圏の経済危機
一先ず安心ギリシャ危機、されど。
警戒心を呼び始めた中国の投資
洪水ラッシュのアジア
中国報道規制の波紋
世界経済崩壊の本質とその行方 @
世界経済崩壊の本質とその行方 A
世界経済崩壊の本質とその行方 B
水星に不思議な窪地発見
進む北極海の解氷
北極海の異変
拡大する「反ウォール街」デモ
驚異の写真
広がるアジア各国の大洪水
マヤカレンダーの発売について
久保画伯画アトリエ訪問
米国南部にオーロラ発生
EU財務危機一先ず回避
米国東部の雪とデモ
ギリシャ国民投票へ
日和見主義の日本人
イルカ・ハヴェルカ氏来訪
南欧の洪水と財政危機
拡大する欧州危機
自治体の破綻が進む米国
ブータン国王ご夫妻の来日
冷漠社会と化したした中国
ペルーで話題のミイラ
写真集出版のお知らせ
欧州情勢 @
欧州情勢 A
中国漁船の横暴
ロシア情勢 @
ロシア情勢 A
フィリピンの台風被害

とうとう10種類目の自然災害が発生

 

 

 
 


アイリーンの被害は9州にまたがり、被害額は7000億円に達するという。

 


ハリケーン「アイリーン」が米国東海岸沿いのバーモント州とニューヨーク州など9つの州を襲い、多数の死者と甚大な被害をもたらしたニュースはご承知の通りである。

ハリケーンの勢力は当初心配されていたカテゴリー4よりはずっと弱まってカテゴリー1となったものの、豪雨と暴風雨による被害は甚大で、米国ABCニュースが伝える被災地の様子は、カテゴリー1からは想像できないほどの惨状を示していた。

なんと言っても、今回のハリケーンは人口が密集している米国東海岸沿いの州、それも9つの州を次々と襲っていることが特徴で、各州共に強風と豪雨のダブルパンチに襲われたことが、被害を大きくしたようである。

米国の自然災害についてはこれまで何回かにわたって取り上げてきたので、読者は既に十分にご承知のことと思うが、今年に入ってからの8ヶ月を振り返ってみると、今回のハリケーン発生で、自然災害の全て とも言える10種類の災害が全て出そろったことに気づかれるはずである。

@ 寒波 A 大雪 B 竜巻 C 火山噴火 D 洪水 E 熱波 F 山火事 G 砂嵐
H 地震 I ハリケーン



寒波と大雪

大晦日から元日にかけて、アーカンソー州の小さな町で5000羽の鳥と10万匹の魚が怪死するという不吉な年明けを迎えた米国を最初に襲ったのは 、1月から2月にかけての寒波と大雪であった。北のミネソタ州では30回を超す暴風雪警報が発動されるという前代未聞の事態が発生し、滅多に雪の降ることのない 南東部のアトランタでも5回にわたって大雪に見舞われた。

こうして、「極寒の冬」と 「酷暑の夏」のスタートが切られたのである。

 

 
 


ミネアポリスの大雪

 

竜巻

2月末から3月にかけて、北東部と南部一帯、テネシー州、ケンタッキー州、オクラホマ州からジョージア州、カロライナ州に至る広いエリアを 襲ったのが竜巻であった。

その後、竜巻は次第にその威力を増し、被害はアラバマ州の他、アーカンソー州、ミシシッピ州、テネシー州、バージニア州 へと広がり、数日間で200件以上が発生した。中でも4月28日にアラバマ州を襲った竜巻は凄まじく、300人を超す死者を出している。下の写真を見るとまるで東日本大震災の津波の後の情景のようである。

竜巻の多い米国であるが、これだけの発生数と規模の大きさは極めて希である。アラバマ州のブラウンズフェリー原発は竜巻によって送電線が破損し、外部電源が失われ ために操業が停止する事態が発生。幸いバックアップ装置が作動し、原子炉の事故は回避された。

 

 
 


悲惨な惨状に呆然とたたずむ被災者(ロイター)

 

火山噴火

3月には、ハワイ島でキラウエア火山が噴火。世界で最も活発な活動をつづけている火山の一つであるキラウエア火山であるが、この噴火で、プウ・オオ火口原からの溶岩は上空25メートルまで吹き 上げられ、この30年で最大級の噴火となった。

いったん収まった噴火活動は、5月末から再び 始まり出し、幅150メートルに達する溶岩の湖が沸き立つ事態に至った。キラウエアでは、20世紀中に45回の噴火が記録されていることを考えると、活発な火山であることは間違いないが、それでも平均すると2年に1度弱である。3月に次いでの5月の2度目の噴火は少々ペースが早過ぎるよう だ。

 

 
 


30年ぶりの大噴火・キラウエア火山 (ナショナル・ジオグラフィックニュース)

 

洪水

3月、本土では洪水が各地を襲っている。オハイオ州では、大雪の後の突然の高温で雪が溶けたところに暴風雨が 追い打ちをかけて、ダムが決壊。多くの町が洪水に見舞われた。テレビは雪の残る町が水に埋もれた珍しい光景を映していた。また、インディアナ州やニュージャージー州でも雪解け水によって、洪水と土石流が発生 し大きな被害をもたらした。

5月に入ると、雪解け水でミシシッピ川が増水し、沿岸の各地で洪水が発生。南部のルイジアナ州をはじめとする洪水被害は1ヵ月以上にわたって続き、米国建国以来最悪のものとなった。

6月には、今度は米中西部を流れるミズーリ川、ノースダコタ州のソーリス川が豪雨によって氾濫。ミズーリ川の洪水では、ネブラスカ州のクーパー原発とフォートカルフーン原発の2つの原子力発電所一帯が浸水する事態 が発生した。原発停止は、今年に入ってから既に2度目、竜巻によるアラバマ州のブラウンズフェリー原発停止に次ぐものであった。

 

 
 


ルイジアナ州の被害

 

熱波と山火事

この冬、寒波と大雪に襲われた米国は、6月に入ると一転して熱波(Heat Wave)に襲われることとなった。 まるで誰かがスイッチを入れたかのように突然熱くなり出し、アメリカ全土の3分の2のエリアに高温警報が出された。39度の高温が襲ったのは、ミネアポリスではまだ夏が始まったばかりの6月7日、ニューヨークは7月8日のことであった。

その後、異常高温は南部にまで及び、南部のアリゾナから南西部にかけては高温で枯れた草木が発火、それに強風が重なり、広域で 大規模な山火事が発生した。その煙はサウスダコタ、アイオワ、ネブラスカにまで及び、延焼面積は40万エーカー という史上2番目の規模になった。アリゾナといえば春には、洪水と竜巻で記録的な被害が出たばかりである。


アリゾナ州の山火事

砂嵐

7月に入るやいなや、今度はアリゾナ州で7月5日、歴史に残る巨大な砂嵐が発生。砂嵐の壁は幅が100km、高さが3キロにも達し、風速 が30メートルというハリケーン並みの勢力を保ちながら移動を続け、州最大の都市フェニックスを飲み込み、空港が一時閉鎖されたほか、2万戸が停電するなどの被害が出た。

 

 
 


アリゾナ州のフェニックス市を飲み込んだ巨大な砂嵐

 

 

地震

8月23日、今度はバージニア州をマグニチュード5.8の地震が襲った。 地震とは縁がないと言われていた東部海岸沿いの地震だっただけに、被害は少なかったものの地震慣れしていない人々を驚かせた。遠く離れたワシントンD.C.やニューヨークでも建物が揺れ、人々は外に飛び出した。45分後にはマグニチュード2.8の余震も起きている。

今回の地震によっても、首都ワシントンの南西部にあるノースアンナ原発ともう1基の原発が、非常用電源で原子炉を冷却する事態が発生、操業中止となった。これで、砂嵐、洪水に次いで 今年3回目の操業中止である。 2つの原発の想定する最大震度がマグニチュード6.2だというから、危機一髪の事故であったわけだ。


アメリカ東海岸を襲ったマグニチュード5.8の地震の後、
マンハッタンの通りは建物から逃げ出した人であふれた。

 

重大な警告


@ 寒波 A 大雪 B 竜巻 C 火山噴火 D 洪水 E 熱波 F 山火事 G 砂嵐
H 地震 I ハリケーン

これだけの思いつく限りの全ての自然災害、そのどれもが皆50年、100年ぶりという記録的な自然災害がわずか8ヶ月のうちに 次々と発生したということは、決して偶然のなせる技ではない。

天が情け心をもって米国国民に告げた重大なシグナルとしか思えない。おそらくこれから先、10の災害の全てが 次々と襲来し、その規模は今年の災害の何倍、何十倍。そして、被害者の数や亡くなる人の数は何千倍 、何万倍となるかもしれない。

最後に発生した地震とハリケーンは政治の中心・ワシントンと経済の中心・ニューヨークを同時に襲っている。これには重大な意味があ りそうだ。私は米国の政治が混乱し、経済が崩壊するその前兆を、天は見せてくれたのではないかと思っている。

米下院の共和党ナンバー2、エリック・カンター議員は、ハリケーン「アイリーン」の被災地の復旧作業に対する連邦政府の支援について、 緊縮財政を貫くには別分野の歳出削減で相殺する必要があると述べており、 秋以降、民主党と共和党との対立は政治を一層混乱に導くことになりそうである。

一方、米国経済・財政の崩壊がもはや避けられないことは既に何回も述べてきている通りである。嘘で塗り固められた国家財政の実体や,、1700万人(公表数値は1400万人)にも達していると言われている失業者を抱えたまま、一向に改善の気配を見せない 失業問題を考えたら、それはすぐに分かることである。

ところが、地震とハリケーンがウオール街を襲い警戒警報が出ているというのに、ハリケーン通過後の29日、 ダウ平均株価はこれと言った理由が何もないのに 260ドル近く上昇している。ウオール街の魔物どもが挙げる上昇の理由の一つが、ハリケーンの被害額が予想より少なくなりそうだと言うのだから、あきれてものが言えない。

ロイターやABCニュースが伝えるところでは、その額は70〜100億ドル(5500〜7700億円)近くに達するというのにである。魔界と化したウオール街のおぞましい姿 を垣間見たようであった。

 

 

 

 

 

 


 

 

戻る 上へ 進む