トラブルで停止していた佐賀県玄海町の九州電力玄海原発4号機の運転が1日から再開された。止まっていた原発の運転再開は福島原発の事故発生以来初めてである。九州電力によると、古川佐賀県知事と岸本玄海町長の再開容認を得てのことであるという。
ドイツ、スイス、イタリアそれに最近ではベルギーまでが段階的廃止に向け動き出しているというのに、原発事故発生の当事国である我が国では、原発に関する是非を問う十分な論議も盛り上がりのないまま、こうして休止中の原発が再開されていくのはなんとも残念な事である。
九電の言い分を聞くと、原発の休止中に火力電力に使う燃料費が1ヶ月で約20万キロリットル(100億円)ほどかかってしまうことを避けたいがためだという。しかし、いったん事が起きればたくさんの人の命と燃料費とは比較にならない何十兆円の費用が消えていくことになるのだ。
「やらせメール」問題も収束していない最中の再開。それを認めた知事や町長の再開容認は、もの、カネ、地位を優先した物質至上主義の為せる行為である。私が言うところの「今さえよければ」「自分さえよければ」「金さえ手に入れば」の「3さえ主義」の最たるものである。
今世界と地球を取り囲む環境が大きく変わろうとしていることは、タイの大洪水や米国の季節外れの大雪に代表される自然災害だけでなく、ギリシャに代表される国家破綻へと進む財政危機、搾取する者とされる者との戦いである「反格差デモ」などをみれば、誰にも理解できるはずだ。
そうした状況を頭に入れて考えれば、原子炉事故発生という現実味を帯びた脅威と引き替えに、余力を持った電力という「利便性」を追い求めることが賢明な事かどうか、結論は容易に出るはずだ。路地裏から発見されている高度放射能に怒りの声を上げるなら、子を持つ母親たちはなぜ原発再開に異を唱えようとしないのか。
日本列島を隙間なく取り囲む原発、3つのプレートが重なる世界に冠たる地震大国日本、30年以内にM8規模の東海地震が発生する確率が87%(ただし地震調査委員会の発表は既に10年近く前のことである)である日本 ・・・・・ なのに、我々日本人は何も手を打たずにいるのだ!
★ 参考
佐賀県県庁 : 〒 840-0041 佐賀県佐賀市城内一丁目1番59号
古川康知事
玄海町 : 〒 847-1421 佐賀県東松浦郡玄海町大字諸浦348 岸本英雄町長
志賀高原の紅葉
10月18、19日、紅葉撮影のため地元の写真クラブのメンバーと志賀高原に行ってきた。標高が1500メートル近くになると既に紅葉に盛りを過ぎていたが、1300メートル前後がちょうど見頃であった。
紅葉の白樺林に差し掛かった時ちょうど霧が立ちこめ始め、急いで車を止めて撮影した(写真6)。メンバーが宿で朝食を取る時間、朝食はとらない私が散策していると、紅葉の山の上空にきれいな鰯雲が現れた。しばらくすると消えてしまったが三脚を据えるだけの時間があり、どうにか間に合って撮影することが出来た(写真7)。
みなこうしたことはタイミングの問題で、ちょっとした時間のずれでチャンスを失ってしまう。求められるのは与えられたチャンスとそれをいかに活かすかにかかってくる。写真を撮っていると、こういった点が人の一生と重なってくる。
不安と苦しみが続く日々、心の癒やしに役立てて頂ければ幸いである。