フランス、イタリア、スペインの洪水
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フランス南部の洪水
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一向に収まる傾向にないタイの洪水。首都バンコクだけでなく、バンチャン工業団地も浸水が目前に迫っている。先に被害を受けたアユタヤ工業団地は今もなお4メートルを超す浸水に見舞われたままで、さらにタイ最大の工業団地バンチャンが浸水となると、タイ経済は完全にストップすることになる。まさにタイは国家的危機である。
洪水による被害はタイをはじめとするカンボジアやミャンマーなど東南アジア各国だけではない、2週間ほど前からフランス、イタリア、スペインなど欧州南部も大変な洪水に見舞われており、先週末からはさらに新たな豪雨と洪水が発生している。
フランスでは南部の15の県で洪水が発生し2000人が避難する事態に至っており、コルシカ島は既に浸水、フランス最大の港湾都市マルセーユも危機的状況が近づいている。スペインでも巨大な暴風雨で各地の道路が通行止め、電線が切断され停電が発生している。
首都ローマが2週間前に水につかったイタリアでは、大雨で再びほぼ全土に洪水の予報が出されており、先週土曜日の洪水で6人が死亡したジェノアでは非常事態が宣言され、ナポリも浸水が始まっている。
水の都として有名なベニスがさらなる増水で、膝まで使って避難している街の人たちの姿を見ると、「水の都」などと悠長なことを言っておれない状況になっているようである。
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スペインの洪水
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奇しくもこれら3ヶ国は、財政危機で今世界中の視線が集まっている国々である事に注目して欲しい。スペインは既に国債の金利が10%を超しており、ギリシャ同然の危機的状況にある事は承知の事実。イタリアは昨日ベルルスコーニ首相が辞任を発表、ギリシャの後を追いそうな形勢である。
また、ギリシャ支援で救済役の主人公だったフランスも財政危機が浮上し、ギリシャ、イタリア並みの財務削減に取り組まねばならない状況が明らかとなってきている。実は大国とされているイギリスもフランスも、米国、日本と同様よその国のことなどに構ってはいられない状況下にあるのが実情なのだ。
それにしても、日々テレビに映されるタイや欧州の洪水を目にすると、まさにポロハウ長老が語られた「ウォータークロック」の始まりを、ますます実感せざるを得なくなってくる。身の回りの平穏に誤魔化され、いつまでものんきな気持ちでいると、「時の到来」を気づかぬまま大激変を迎えることになってしまう。
かってない自然災害と経済の大混乱は目の前に迫っているのだ。それを教えてくれているのが、イタリア、スペイン、フランスの洪水と財政危機ではないだろうか。天の采配、天の声に耳目を傾けておくことを忘れてはならない。
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「水の都ベニス」もここまで水に浸かっては都でなくなってしまう
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