中国高速鉄道事故の背景



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世界に衝撃を与えた高速鉄道事故 落下しつぶれた車両に注目

 

 

中国浙江省で23日に起きた高速鉄道の列車追突事故は、ノルウェーの爆破・銃乱射事件と共に世界に大きな衝撃を与えた。

北京と上海を結ぶ日本版新幹線の開通が華々しく報道された直後だけに、その衝撃は大きかった。落雷による停電で線路上に止まっていた列車に後続の高速鉄道列車が追突し脱線、4両の車両が高架から落下したものであるが、起きるべきして起きた事故と言わざるを得ない 面を持っていた。

なぜなら、2005年から高速鉄道網の建設に着手した中国は、07年に上海ー杭州線から開業し始め、わずか6年の短い歳月で、日本の新幹線網の4倍に当たる9000キロ近い路線網を稼働させてきている からである。その距離はなんと北海道から九州までのおよそ4倍である。6年間という短期間でこれだけの路線網を整備するということは、驚異的な出来事である。

一方、高速鉄道車両の開発もまた驚くべきスピードであった。各国が30年、40年の技術開発の蓄積で今日に至っているというのに、わずか数年で時速400キロの車両技術をものに しているからである。しかし、こうした驚異的な開発スピードを裏返せば、そこには、日本の新幹線のほかドイツやフランス、さらにはカナダからの技術 の導入、つまり。世界の最新技術のいいとこ取り、技術の寄せ集めの一面が顔をのぞかせている。

今回の事故を起こした車両を見ればそれがよく分かる。先に停車していた車両はカナダの技術をベースにした「CRH1]で、追突した車両は日本の東北新幹線の技術を導入した「CRH2」である。 信号機などの運行技術に至っては海外の先進技術を十分に取り入れることが出来なかったために、時速300〜400キロのスピードには追いつかないまま、運行開始に至ってしまっていたのである。

何よりも信じ難いことは、こうした寄せ集めた技術を、おのれの開発技術のごとく主張して世界に特許を取ろうとしていることである。それを中国政府も容認し、それをもって国民を鼓舞しようというのだから開いた口がふさがらない。

そうした考えが世界に通用すると考えているのが、今の中国社会の実態である。犠牲者には大変お気の毒であるが、今回の事故はまさにそれを戒めるべくして起きた事故以外のなにものでもない。「無理が通れば道理が引っ込む」時代が終わったことを、中国政府は一刻も早く知る必要がある。このままでは同様な事故が頻発することは間違いないからである。

 

真相の隠蔽に走る当局と政府
 

問題はさらに根深いところにある。今回の事故を中国鉄道省や政府の責任にしないため、信じ難い手段を執ったことである。

その一つが、中国鉄道省が事故の発生の翌日24日早々に、上海鉄道局 トップの幹部3人を解任したことである。事故が起きたらその部署のトップを最高責任者として、事故対応や事故原因の解明に当たらすのは至極当然のことである。

それなのに、夜半に起きた事故の翌日に最高幹部3人を解雇するというのは信じ難いことである。そうした処置をとった理由は、責任をすべて3人に背負わせることと、彼らから事故原因の真相を語らせないために、軟禁状態にする必要があったからである。 事故に対する彼らのコメントが出ないのはそのためである。

二つ目は、発表されている死傷者の数の少なさである。追突した電車と追突された電車の両方を合わせると、1630人が乗車していたと報道されている。事故は停車していた車両に時速200キロの猛スピードの後続車が急ブレーキをかけ たものの、ほとんどスピードを落とす間もなく追突しているのである。

その結果、4両が20メートル以上もある高架線から墜落しているのだ。それなのに、死者の数が30人や40人などと言うことがあるだろうか。墜落した車両の様子を見る限り、少なくとも2両の車両に同乗していた乗客はその多くが死亡しているはずである。また、他の車両の乗客のほとんどすべてが負傷していて当然なのに、けが人の数はたった200人ほどだという。

どう見ても、中国鉄道省や政府が事故の規模を小さくしようとしているとしか思えないではないか。現に、通信社が少なくとも43人が死亡したと伝えているのに、鉄道省はその数を未だに35人と発表しており、同省スポークスマンは死者数の違いについては一切説明していない。

信じ難い手段の3番目は、事故後真っ先に現場に駆けつけた処理班がした 行為である。彼らは追突した先頭車両、つまり運転席を含んだ車両を破壊し、穴に埋めてしまったのである、事故原因判明の一番の手がかりになる運転席部分を破壊して埋めるなどと言うことは、事故原因をうやむやにするため以外考えられないことである。

25日の朝日新聞には、この作業を目撃した奥寺淳記者の記事が掲載されている。

追突脱線事故から一夜明けた24日早朝、中国当局は追突したと見られる車両の運転席部分を、現場に掘った穴に埋めてしまった。事故から約半日後の24日午前4時半過ぎ、現場に入った 記者が一部始終目撃した。

夜明け前。現場では落下した一両の車体が、一部は地面に突き刺さり、高架に寄りかかるように立っていた。脇の地面の上では、追突した後続列車と見られる先頭車両が真っ二つになっていた。

空が明るくなり始めた午前6時頃、7台のショベルカーがすぐ横の野菜畑に穴を掘り始めた。深さ4〜5メートル、幅も約20メートルと大きい。午前7時半過ぎ、ショベルカーがアームを振り下ろし、大破した先頭 車両を砕き始めた。計器が詰まっている運転席も壊した。そして残骸を、廃棄物のように穴の中に押しやってしまった。

この記事一つ読んだだけで、今の中国政府幹部や企業の役員がいかに堕落した存在であるかが分かろうというものである。 自己責任から逃れるためなら事故の究明などどうでもよいのである。だからこそ、事故発生からたった1日半後の25日に、事故原因も判明しないうちから運転を再開しているのである。 被害者の家族を別々のホテルに分けて交流させないようにしている点もまたそのためである。

先に北京ー香港間を走る新型新幹線の開発のトップにいた人物が運行開始の直前に収賄の罪で逮捕されたのは記憶に新しいところである。その額たるや大変なもので、確か35億円とか40億円という高額ではなかったかと記憶している。

最高スピード400キロを至上命令で開発させ、部下から上がる「安全性に問題あり」などと言う意見は一切無視して、世界最高速をうたい文句に開業に漕ぎ着けた人物である。国民を鼓舞するために見て見ぬふりをしてきた共産党政府の幹部もさすがに問題ありと考えたようで、開業の直前に最高速度を300キロにまでダウンさせたのは、ご承知の通りである。

貧富の差が一段と広がる中、低所得者や漢民族以外の民族の不満を表面化させないために利用してきたのが他ならぬオリンピックであり、世界万博であった。それらがすべて終わった今、政府批判から国民の目をそらすための 国威発揚プロジェクトとして考えたのが、世界一の早さを誇る鉄道網の建設や金のばらまきによる無用な住宅建設であった。

の遂行にあたってだからこそ、安全性など二の次で、すべての施策をとり行ってきたのである。その裏には汚職が蔓延しているため当然事故は付き物となる。突然住宅が崩壊したり (最近の事例を下記した)、橋桁が折れたりしてきたのも皆そのためで、今回の事故はそれの極め付きとなったに過ぎないのである。

今回の事故は、中国共産党崩壊の序曲であると私は考えている。今回のような人為的な大事故と自然災害とが次々と起きるにつれ、民衆の大暴動 発生の確率はますます増してくる。もはや大暴動の発生が政府の力では止められないところまで来てしまった のではないか、というのが私の実感である。政府がこのままの対応を続けるようなら、残された時間はあまり多くはなさそうだ。

 

地震でもないのに突然崩れた6階建て住宅

 

 

 
 


黒竜江省ハルビン市の6階建ての住宅が突然崩壊(大紀元日本ニュース)

 


大紀元日本社のニュースによると、今回の新幹線事故を彷彿させる「急ぎ働き」(手抜き工事)によるものと思われる事故が、21日に発生している。幸いなことに、崩壊直前に兆候に気づいた住民が、他の住民全員に連絡し避難したため、負傷者は出なかったようである。

それは、黒竜江省ハルビン市南崗区で21日早朝に起きた、6階建ての集合住宅の片側が突然崩れ落ちるという事故であった。崩落した集合住宅は80年代に建設されたもので、周辺住民からは「おから工事」(手抜き工事)を疑う声が上がっている という。

 

 

 

 

 

 

 

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 鉄道省スポークスマンは、同市で行われた記者会見で、事故の最終的な責任は解任された3人が負うべきだとした上で、「安全性に問題があったとする見方があるだろうが、わが国の高速鉄道技術は最新で基準を満たしており、自信を持っている」と強調した。

 新華社通信によると、事故現場を訪れた国務院副総理の張徳江氏は、事故原因の徹底調査と責任者の厳重処罰を約束した。

 死者数については、同通信社が43人が死亡したと伝える一方、鉄道省は死者数を35人と発表している。同省スポークスマンは死者数の違いについては説明しなかった。

 

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