21日午前8時、八ヶ岳山麓も風雨が次第に強まってきている。いよいよ上陸しそうな台風15号であるが今回の台風の動きを見ていると、まるで
一つの生命体として強い意志を持って動いているように感じられてならない。沖縄に近づいたとたんUターンしてぐるりと一周した後、進路を変え本土へと向かい始めた。気象庁は北東や北西に張り出した高気圧の影響だと説明するが、あまり見たことのないそうした気候配置についての説明はない。
先の台風12号と同様、とにかく動きが遅く時速10〜15キロと自転車並のスピードのために雨量が多く、それも進路とはかけ離れた遠方の地域にまで及んでいるのを見ると、これまでの台風とすっかり
様子が変わってしまったようだ。とにかく降る雨の量が500ミリ、1000ミリと半端ではない。
水害と言えば、中国やタイ、インド、パキスタン、バングラデシュなどの被害も甚大である。パキスタンを襲っている大洪水は特に大変な状況で、既に死者の数は400人に達しており
、被災者の数は700万に及んでいる。昨年2000万人が被災し、1700人以上の死者を出した後だけに、パキスタンはまさに国家的危機に立ち至って
いる。もはや国民同士で争っているような状況ではない。
また、中国内陸部の四川省や湖北省、陝西省では7月末に、数百人が死亡、数十万人が被災する大洪水に見舞われているが、再び、四川省(しせんしょう)や陝西省(せんせいしょう)では先週末から豪雨に見舞われて洪水や山津波が発生、
一部の地域では観測史上最悪の事態となっているようである。
また、タイでは全国25の全ての県で洪水の被害が深刻化しており、121万ヘクタールの耕作地が浸水、132名が死亡。また、水田があふれたため大量のヒルが市内に流れ着き、市民に大変な衝撃を与えている。どうやら我々は今、世界中でウォーター・クロック
の始まりを見せられ始めているようである。
追い打ちをかけるかのように、インド北東部のヒマラヤ山中で発生したM6.9の地震は隣国ネパールや中国チベット州にまで被害が広がり、既に3ヶ国で100人を超す死者が出ている。最終的には1000人を越すのではないかと言われている。
地震と言えば、9月9日にカナダのバンクーバーでM6.4、また、ペルーでは8月25日にブラジルとの国境沿いのアマゾン地方でM7.0の地震が発生している。どちらも市街域とは離れていたため幸い被害は少なくてすんでいるようであるが、再び大ニュースが世界を駆け巡ることになりそうな予感がしてならない。