温暖化の影響で北極海の氷がかってない早さで溶け出している。
既にこれまで30年間でフランスの国土面積の4倍に当たる海氷が消失してきているが、そのスピードがここに来て一気に加速化しているようである
その様子は今月14日に撮影された北極海の氷の分布状況を示す衛星写真〔上段の写真)を見ればよく分かるが、ここ30年間の氷原の面積に比べて一段と縮小されている。氷解の速度は科学者がこれまでに考えていたものより遙かに早く、科学者の中には、この調子だと5年後の2016年には、夏の北極海の氷は全て消えてしまっているのではないか
、と懸念する人が出てきている。
因みに、2016年という年はワイタハ族のポロハウ長老が私に語って下さった、2011年にウォーター・クロックが始まった後、自然現象の激変期のピークが終わる時期でもある。
もちろん冬になれば再び氷原は出現するが、その面積もさらに小さくなってくる可能性が高いようだ。この結果が世界の気象状況にいかなる影響を及ぼすことになるのかについては、HPで既に何度も書いてきているので、読者には予測がつく
はずだ。
カナダや北欧の寒冷の地を人が住める温暖な地に変えているのは、赤道直下の温かい海水を高緯度エリアに運ぶメキシコ湾流のおかげである。温暖な潮流は北極海の近くに到達した後急激に冷却される。その結果、含有された塩分の重みで海底へと沈み込み、再び赤道へと循環する。
しかし、近年のように北極海の大量の氷が溶けると塩分の濃度が薄まってしまい、海底への沈み込みが行われにくくなってしまう。そのため、メキシコ湾流の流れが止まってしま
い、北欧、カナダ、北アメリカの寒冷化が始まることになるわけである。
近年、これらの地方で極端な高温と低温が交互に発生していることの一つの要因が、北極海の氷解によるものであることを考えると、これから先2016年に向けて北欧や北米、カナダの異常気象は一段と激しさを増す可能性は大である。
それは、高緯度地帯だけの以上に止まらず、地球上の全ての地の気象に一大変化をもたらすことになるに違いない。昨今の我が国の台風の変化を見てみればそれがよく分かる。なにしろそのスピードが時速10キロと自転車並の遅さである上に、15号台風は沖縄
本島を目の前にしてUターンして一回転するという奇妙な動きを見せている。
台風がその性格をすっかり変えてしまったようである。その結果が、進路のみならず広範囲なエリアに大量の雨を降らせ、各地に山崩れや地滑りなどのかってない被害をもたらすところとなっている。北極海の氷解のスピードアップはまさに「ウォーター・クロック」の始まり
と時を同じくして、一段と激しい異常気象を引き起こすことになりそうである。