先月20日に、ソマリア、エチオピア、ケニヤなどアフリカ大陸北東部の干ばつによる被害の様子については報告したが、飢餓に苦しむ避難民の数はその後も増え続け1300万人に達し、とうとう国連が緊急非常事態宣言を出すところとなった。その後、各国の援助が寄せられているが、それでもまだ必要とされる資金の半分に達していないようである。
特にソマリアは今もなお内戦による無政府状態が続いており、国がまったく面倒を見ることが出来ないため、状況はますますひどくなってきている。干ばつが激しいソマリア南部からの避難民は、ケニアの難民キャンプにたどり着く前に、疲労と栄養不足で倒れるケースが多く、200万人の子供達が危機的状況にあるという。
我々は「食糧不足」の状況を表すときに、「飢え」とか「飢餓(きが)」「飢饉(ききん)」という言葉を使うが、公の機関が食糧不足の最も厳しい状況を表す言葉として使うのが「飢饉」である。つまり、飢饉という言葉は非常に重い言葉で、普段はあまり使われない言葉である
のだ。今回のアフリカ北東部の食糧危機は、5段階の最上段に位置するその「飢饉」
が適用されているわけであるから、いかに厳しい状況にあるかが分かろうというものである。
飢饉を適用するのは下記の状況に至った時である。
@ 子供30%以上が急性栄養不良
A 人口1万人あたり毎日2人以上が死亡
B 20%の世帯が極端な食糧不足
@の子供の栄養不足を判断するのは、2の腕(肩の下)の周囲が12.5センチ以下の場合であるが、それはペットボトルのフタの太さであることを考えると、まさに骨と皮に近い状態であることが分かる。
また、Aの人口1万人あたり1日に2人以上が死亡と言われても、ピンと来ないかもしれないが、我が国が万一同じ状況下に置かれたとすると、毎日2万5000人が命を落とす状況ということになる。つまり、毎日、毎日、東日本大震災で亡くなられたのと同じ数の死者が出ることになるわけだから、いかに大変な状況にあるかが分か
るに違いない。
WFP国連世界食糧計画の広報官の話では、一人が一日の食料を賄うのに必要なお金は50セント(40円)だというから、毎月1200円を「口座引き落とし」で寄付したら、一人分の食費代を支援することになる。この位の額なら厳しい家計の中からでも、なんとか捻出できるのではないだろうか。
募金先は、「日本ユニセフ協会」や「国連UNHCR協会」「国境なき医師団日本」「WFP国連世界食糧計画」などあるが、日本ユニセフ協会に対しては、寄付金
の多くを協会の運営費に利用しているといった苦情が多いので、私は今回
、日本ユニセフ協会は外すことにした。
なおユニセフには、「国際連合児童基金(ユニセフ)」という別の団体があり、黒柳徹子さんが関係しているのはこちらの方で、こちらは黒柳さんが実際に現地に出向いて状況を判断した上で寄付をしているので安心だという
人が多い。ただ、送金先は年末に決定することになるようなので、緊急的に役立てようとするなら、先の3つの機関ということになりそうだ。
念のため、振込先を記しておいたので、徳積みを為される方はご参考にしていただきたい。
ところで大紀元日本社ニュースには、今回の東アフリカの干ばつには、中国の土地買い占めが一つの要因になっているという、ドイツのアフリカ地区政調担当ギュンター・ヌーク氏の驚くような発言が掲載されていた。
中国外交部は「全く根拠がない上、下心から生じたものだ」などと逆にヌーク氏を非難しているが、同じ日、外交部は東アフリカ地区へ緊急食糧支援として9000万元(約10億8000万円)を送ると発表したところを見ると、「火のないところに煙は立たず」の感もなきにしもあらずである。
ドイツ「中国の土地買占めが原因」中国当局は否定=東アフリカ干ばつ
【大紀元日本8月4日】ソマリア、エチオピア、ケニヤなどアフリカ大陸北東部の国では、過去60年間で最悪の干ばつに見舞われ、少なくとも1200万人が飢餓の危険に晒されている。この被害について、ドイツのアフリカ政調担当は、中国企業による大規模な土地買収が起因していると指摘した。中国当局は「全く根拠がない」などと反発している。
ドイツのアフリカ地区政調担当ギュンター・ヌーク氏は7月29日、地元紙フランクフルター・ルントシャウに対して、アフリカの深刻な干ばつは「人災だ」と述べ、また中国が、同国への輸出目的の大規模な耕地の買占めを行っているため、アフリカ現地の小さな農家は生計が立てられず、社会的紛争を生んでいる、と指摘した。また外国企業による土地の買占めは、アフリカの特定の権威者にのみ利を集中させ、人道的被害をもたらしているという。
これについて中国外交部(外務省に相当)は同日、「中国は海外の土地を大量購入する計画を立てたことはなく、またアフリカの土地を大量に買ったこともない」とAFP通信の取材に対して、書面でヌーク氏の指摘を否定した。