中国報道規制の波紋

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米議員、中国の報道体制に抗議

 

 

 
 


大日本紀元は、カナダの与党議員と中国・新華社記者との親密メールの発覚で、
中国国営メディアの特派員による情報活動が波紋を呼んでいることを伝えている。

 


中国が強い報道管制下にあることは、先の高速鉄道事故の報道ぶりを見れば明らかである。温家宝首相が事故現場を訪れた際に国民に向かって十分な情報を提供すると約束した舌の根も乾かないうちに、各報道機関に対して政府が流す情報以外の報道は決してしないようにと通達を流したことがその事実を如実に物語っている。

中東諸国でさえ民主化が進むこの時代に報道規制など信じられないことであるが、そうしなければならない事情があるのだ。このままでは共産党幹部は党の一党独裁の現体制が崩壊し、自分たちの地位がいつどうなるか分からない ことを知っているだけに、世界からの批判など構っていられない状況にあるのだ。

テレビや新聞はもとより、インターネットの情報も絶えず監視され、政府批判や現状に対する不満などのメッセージが流されるとすぐに削除されている。今世界で最も情報の自由が制限されている国は紛れもなく中国である。それだけ共産党幹部は明日の我が身に不安を 感じているというわけだ。金を貯め込んだ官僚や政府要人が海外に土地や家屋を買い求め、家族を先に移住させ始めているのも皆その表れである。

こうした中国の報道管制と海外特派員の入国制限のあまりのひどさに、アメリカの議員たちの間から強い不満の声が上がり始めている。昨年、米当局は中国人記者650人に入国査証を発行しているのに対し、中国国営メディアに近いボイス・オブ・アメリカ(VOA)とラジオ自由アジア(RFA)は合わせて2人だけしか、新たに中国入国査証を取得することが出来なかったという。

また、650対2という数の不均衡のほかに、米駐在の中国人記者の活動はまったく制限されないのに対し、中国駐在の米国人記者は当局の監視や嫌がらせをしばしば受けている。こうした中国側の処置に対抗するため、米国下院外交委員会の有力メンバーのデーナ・ローラバッカー議員ら(共和党)は13日、共産党政権下にある新華社を始めとする中国主要メディアに所属する記者の米国入国を大幅に制限する法案を提出した。

ローラバッカー議員は新華社通信のほか、人民日報、光明日報、中国青年報、中国中央テレビ(CCTV)など12社はこういった「国営メディア」に所属する多くの駐米特派員は、実は「中国政府の工作員」であると警告している。一方、今月初めに流出したカナダ外相秘書と中国国営新華社記者との親密メールがきっかけで、カナダの主流メディアもまた、新華社の約4分の1の特派員は諜報員であると報じている。

 


   東北部最大の松花江の氾濫

                        砂漠化が進む甘粛省敦煌
 


こうした状況にあるため、中国の自然災害の様子も我々はなかなか目にすることが出来ないでいる。私がHPに掲載している記事は、そのほとんどが大紀元日本社やテレビのBSニュースから得た情報を元にしているが、 詳細な情報と事後のニュースはほとんど流されないため、確かなことが分からないままである。

それでも、ここ数年の間に私が伝えた災害の発生、洪水、寒波、高温、大雪、干ばつ、地震などの記事を思い出して頂ければ、今中国がどれほどひどい状況にあるかが分かるはずである。あの長大な長江が干し上がる一方で、その隣では豪雨による大洪水や土砂崩れが続いているのである。

中国政府がこうした情報を流したがらないのも、自然災害の発生のたびに露呈する公共施設や道路や橋の手抜き工事とそれを導いた地方政府の官僚たちの賄賂の実体が広く国民に知れ渡ることを恐れているからに他ならない。しかし、いつまでも共産党の一党独裁のひずみを隠し通すことは不可能である。

このままの隠蔽体質が先に進めば進むほど、堪忍袋の緒が切れた平民の暴動・暴乱は大規模なものとなるだけに、隣国日本にとっては目の離せないところである。それが これから1年先、2年先になるか確かなことは分からないが、決してそんなに先のことでないことは確かである。それは中国2000年の歴史が物語っているからである。

 

 

 

 

 

 

 

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