ガン村の悲惨
中国には200カ所を超すガン村が存在していると言われている。毒薬や汚水を垂れ流すために河川に沿った村々に大量のガン患者が発生しているためである。元マレーシアの新聞記者
で中国系女性の唐米豌さんは2002年からの7年間、こうしたガン村に出向き患者を支援するボランティア活動を続けてきた一人である。
彼女は活動中に体験してきたあまりにひどいガン村の惨状をまとめ、2010年に2冊の本を出版している。その結果、中国政府のブラックリストに載せられて、
現在は中国への入国が禁止されてしまっている。中央政府も現地政府はガン村の情報を完全に封じ込め、外国人が入ることを許さない政策をとっているためである。
彼女はガン発生の最大の要因として、飲用水をはじめとする生活用水に使う浄水がないことを上げている。マレーシアのシンポジウムで、中国のガン村の状況を証言した彼女に
、ある参加者が「ガン村の村民には飲用の浄水がないのなら、なぜ現地政府は支援しないのか?」と質問したのに対して、次のように語っている。
「この問題は胡錦濤または温家宝に聞くべきだ。私は答えられない。私が知る限り、現地政府は支援を行っていない。そのときはまさに、2008北京五輪の準備・開催の時期だった。政府はこの件を隠ぺいし、現状を公表するはずもない」と唐さんは語った。
「私は中国のインターネットでこの現状を公表した。中国政府が、五輪開会式の一つの出し物にかけた費用をこのガン村に使い、医療のサービスをすこしでも提供すれば、大勢の患者がもうすこし楽に生きることができたはずだ、と。この書き込みは30分もしないうちに削除された。私が中国のどのサイトに情報を発信しても、すぐに削除されてしまう。30分以内に消える。だから、その質問については、温家宝と胡錦濤に聞くしかない。
それ以上私には答えられない」
大日本紀元ニュースの「中国NOW!」欄に、彼女が7年間の壮絶なボランティア活動中に見たガン村の実体とその惨状をひた隠す中央、地方政府の姿を
記した記事が目にとまったので、その一部を転載させてもらった。関心がお有りの方は、大紀元ニュースをご覧になられることをお勧めする。
以下は彼女が明らかにした内容の一部である。下段に添付した数日前に雲南省で起きた猛毒の六価クロム5000トンの不法投棄のニュースを見れば、彼女の証言が絵空事でない
ばかりか、現在もなお同様な状況が改善されるまま続いていることが分かるはずだ。
オリンピックや万国博覧会が開催され、今や世界の経済や政治を動かそうという勢いの中国の、こうした隠されたおぞましい実体を見ると、戦慄を覚え
ずにはいれない。先の新幹線事故以来、民衆の反乱には共産党政権も相当神経過敏になっているようだが、こうした状況を見聞きすると、地方や中央のお偉い方々もぼつぼつ首を洗って待っているときが近づいているようである。
中国ガン村の惨状 あるボランティア女性の報告
|
|
|
|
ガン大量発症の元、汚染された唐白河。一目見ただけで
その汚染のひどさが分かる。大紀元社ニュースより転載)
|
|
中国の農村部を歩き回って7年間、私が最も驚いたのは、極貧村でもなければ、江西省での地震でもなく、ガン村の現状である。
湖北省には唐河という河があり、河南省の区域に入ると唐白河と呼ばれた。川沿いには200か所以上の村があり、各村の世帯数は200余りで、人口は約1千人。そこの外資系企業の工場が汚水を川に垂れ流しているため、唐白河全流域がひどく汚染されている。沿岸の村の人々はその川の水で生活しているため、多くの村民が末期ガンを患っていた。
医療チームの女性看護師は、一度その川の水で手を洗っただけで、指が腐乱しだした。医療チームに同行してガン村を訪れた初日に、一人の医者が私に告げた。「この子は末期ガンで、もう長くありません。半年以上体を洗ってないし、寝返りをさせてあげる人もいません。この子の髪の毛を洗ってあげましょう」
半年以上排便していないガン児童
傷口を処理し終わって、去ろうとしたとき、先ほどの医師に呼び止められた。「唐さん、まだ終わってないのよ。肛門から便を出してあげてください」「まさか!肛門から便を出すなんて!来る前には、そのような仕事内容を聞かされていない」と、唐さんは一瞬ムッと来た。それもそのはずだ。もし事前に聞かせたら、ここまで来なくなるかもしれない、と彼らも心配していたのだ。
もう逃げ道がない。ここまで来た以上、髪の毛も洗った、傷口も処理した、最後は排便補助か。やるしかない。この末期ガンの児童はすでに何か月も水を飲んでいない。お金がないからだという。浄水は1口や2口しか飲めない。長期間水を飲んでいないため、排便は一層困難になった。考えてごらん、半年以上も排便していないんだから、そのお腹がどれほど大きいか。
|
|
|
|
この子の痛ましい末期ガンの子供の姿を胡錦や濤温家宝に見せてやりたい
|
|
最大の悲しみ:一粒のキャンディ
実は、私はこのボランティア活動を続けるのに躊躇はなかった。これらの子どもたちは成長する機会もなく、明日もないからだ。今日はまだ生きているのに、明日はもう死んでいるかもしれない。だから、彼らの夢を叶えてあげたいと思った。こどもたちの夢、理想、心の願いが何なのかを知りたかった。そして、私は一軒一軒の家庭を訪問した。その答えに私は驚いた。子どもたちは口を揃えて、「亡くなる前に一粒のキャンディを食べたい」と言ったのだ。50歳過ぎた私だが、娘が亡くなったときも、いろいろな天災事故に遭ったときにも、これほど悲しいと思ったことはない。
マレーシアでは、すべての子どもにとって、一粒のキャンディはたやすいものだ。それが理想や、夢あるいは心の願いになるなんてありえない。しかし、これらの末期ガンを患った子どもたちはみんな、私に一粒のキャンディが欲しいと言った。この一件は私に強い衝撃をもたらした。私はこの子たちの夢を叶えてあげたい。心から喜んで叶えてあげたい。
私は自分のお金でたくさんのキャンディを買ってきた。みんなに一缶ずつ配った。私の唯一の願いは、この子たちがこの世を去る前に、体を洗ってあげて、気持ちよく送り出してあげたい。そして、行く前に楽しそうにキャンディを食べてほしい。たかがキャンディだ。(記者・楊暁慧、翻訳編集・叶子)
猛毒の六価クロム5000トン不法投棄 珠江も汚染か
|
【大紀元日本8月15日】先日、雲南省曲靖市のダム周辺に、猛毒とされる六価クロム5000トンが不法廃棄され、ダムが深刻に汚染される事件が起きた。中国国内メディアによると、この汚水は河川へ流されており、下流の珠江の水質汚染も懸念されている。
地元紙・雲南信息報によると、曲靖市にある和平化学工場が同市越州鎮の叉沖ダム周辺に5000トンの六価クロム廃物を廃棄し、雨によりダムに流れこんだ。それにより、ダム水中の六価クロム量は基準値の2000倍になり、ダムの魚は全て死に、汚水を飲んだ家畜も死に、水は飲用出来ない状況であると伝えられている。
さらに、情報を知った当局はダムの汚水を処理し、処理後の汚水30万立方メートルを、パイプを通して珠江の上流となる南盤江に流したとも報じられている。
雲南信息報のこの報道は後にネット上から削除された。同省環境保護庁は13日、外部メディアに対し、不法廃棄がされた現場がダムであることを否定し、南盤江の水質も正常であると発表した。
(翻訳編集・坂本)
|