最近の世の中、いやなことや暗い話ばかり。 ニュースで目にする写真も皆どれも、目を覆いたくなるようなものばかり
だ。 そんな日々を過ごしている中で、時には今回掲載した写真のような、心が癒される風景に出会
えることもあるのだから、世の中まんざら捨てたものでもないようだ。
昨日、徳乃蔵の開店前、自宅の玄関先を掃き掃除していたところ、孫がチューチュー、チューチューと叫んで目の前を指しているので、何か虫でも見つけたのかと思って指さす方を眺めると、何か小さな生き物らしきものが動いている。
近寄ってみると、なんとネズミではないか。 体調が4〜5センチの生まれて間もない可愛らしい子ネズミである。 珍しいので写真にでも撮ろうと書斎からカメラを持って戻ってみると、もうどこにも姿が見えない。 諦めて孫とチロの写真を撮っていると、また孫が声を上げ
て指さしたので見てみると、先程の子ネズミが玄関先に向かって進んできた。(下段
写真@、 A)
少し離れて様子を見ていると、寝そべったチロとその前に腰を落とした孫の近くに寄って来て、石版の間に身を隠して覗いている。(写真Bの右下、丸で囲んだ中、写真Cがその拡大図) これからが驚きの一瞬である。 孫が立ち上がってチロの側を離れた瞬間に、なんと子ネズミが寝そべったチロ
の目の前にするすると寄ってきて、腰を下ろしチロをじっと眺めている。 一瞬「あっ、チロに捕まえられてしまう!」と思ったが、なんとチロは悠然とかまえて
、ただ眺めているだけで一動だにしない。
猫の鼻の先10センチ足らずの位置にネズミがいるというのに、チロも手を出さなければ、ネズミも逃げもしない。
お互いに相手の姿を眺め合ってじっとしている。 なんともはや信じられない風景が目の前に展開されているのだから、ただただ驚きである。 カメラで追っている私の方が慌てている始末である。(写真
D)
そんな状態がおよそ20秒ほど続いただろうか。 子ネズミは慌てる様子もなく後ろを向いて離れていった。(写真
E) チロは子ネズミが移動しても悠然と眺めているだけだ。 目と目が合っている上に、ネズミの匂いも嗅いでいるというのに、手を出すこともなく見送っている
。 その姿を見ていると、さすが130才を迎えようとしている長老だけのことはあるとただ感心するだけ。 どうやら、彼女はもはや子ネズミなど相手にしないレベルに達しているようだ。
しばらくして回りを見回すと、葉っぱの中の食べ物を探している子ネズミの姿が見えた
(写真F)。 それにしても、なんともはや驚きの一時、二度と目にすることのない風景であった。 上段の写真はフェイスブックに掲載したらあっと言う間に広がるに違いない。 もしかしたら世界でたった一枚の写真となるかもしれない(^_^)
。
「チロの写真展」を開催して欲しいという希望が寄せられているので、 今回のこの写真に対する反響を見て、来春には23才の長寿を記念し
た、「チロ大還暦・写真展」を開催しようかと思っている。 下記までご感想をお寄せ頂いたら幸いである。
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