昨日のニュースは朝から夜まで米国大統領選挙一色。 トランプ氏の勝利には世界中で驚きの声が上がり、号外が配られた。 大統領の予備選が始まった1年前には、共和党候補の代表に選ばれることすら考えられなかった人物が当選したのだから驚いて当たり前である。
民主党のクリントン氏との本選挙が始まっても戦況はトランプ氏不利のまま。 選挙戦終盤のメール問題で接戦になったものの、クリントン氏の有利の状況は変わらず投票日を迎えた。 早朝6:00から始まった投票が終了した直後のマスコミの予測もクリントン有利のまま。
開票が始まった昨日のニューヨークタイムズのツイッターの「勝利確率」では、日本時間の9:00前後は80%がヒラリー勝利となっていた。 ところが昼前後辺りから突如トランプ氏の勝利確率が50%を超え始め、接戦州の中でも選挙人の数が多いフロリダ州のクリントン氏敗北で形勢は完全に逆転し、トランプ氏勝利へと進んだ。
批判合戦に終始した史上最低の選挙戦。 その様子がテレビに映るたびにスイッチを切る日の連続であったが、これで憂鬱な選挙報道からは解放されることとなった。 両候補のいずれが勝利しようが、米国の衰退は変わることはない。 これからは社会は次第に混乱し始め、社会秩序の崩壊に向かうことになりそうである。 今回の選挙による支持率が両者共に50%を切っていることがそれを裏付けている。
今回の選挙結果で一番私が注目したのは、マスコミが伝える予測がまったく当たっていなかったことである。 大手のマスコミが皆、クリントン支持に回ったことを考えると、事前予測がクリントン有利に傾斜していたことはあり得ることであるが、開票が始まった段階でもクリントン勝利の確率が80%を超えていたことを考えると、本気でクリントン氏勝利を信じていたのかもしれない。
それがなにゆえ大逆転するところとなったのか? 事前のアンケート調査や有力人物からの聞き取りでは、国民の本音が聞き出せなかったからである。 つまり口先の奥に秘められた本音に気づかなかったというわけだ。 それとまったく同じことが英国のEU離脱の国民投票でも起きていたのである。
「素」が出てきた社会は二分され、混乱が始まる
これまではマスコミの世論調査は正確で、マスコミは世論を動かす絶対的な力を持っていると信じられてきた。 しかし、それが通用しなくなってきていることを、英国と米国の二つの国民投票が明らかにしたことになる。 過激な発言で既成政治の打破を訴えたトランプ氏が勝利したのも、大企業や金持ちと一体となったこれまでの既存の政治家に対する強い失望感が、マスコミの影響力を無視したからである。
つまり今回の選挙は権力に対する怒り、異端の乱となったのだ。 こうした一連の動きは、「魂の素」が表面化してきた
結果に他ならない。 それゆえ、英国と米国の二分された世論は永久に交わることはないだろう。 いよいよこれから先、全ての国家、社会、組織
、個人において「素の発現」による2分化が始まり、数多くの闘争が世界各地で起きてくることだろう。
その闘争の最大のものが、貧しき者と富める者の闘争である。 そしてホピの預言が伝えている「貧しき者と富めるものとの戦い」が始まるのだ。
「闇の世界」の武器の一つであったマスコミによる世論操作も、今回のトランプ氏の勝利によって、絶対的な力を持たなくなって来たことが明らかとなった。 実は「闇の世界」の中でも
「素」が表面化して2分化が始まっているのである。
だからこそ、「闇の勢力」の一部に肩入れされたクリントン氏有利の情勢下で、投票日の1週間前に突然、FBI(連邦捜査局)のトップが決着がついていたはずのクリントン氏のメール問題の捜査再開を公表し、トランプ氏支援の片棒を担ぐこととなったのである。
「闇の世界」の混乱を示すもう一つの証は、選挙後の株と為替の動向である。 日本では昨日のトランプ氏有利を受けて1000円近い暴落を発生させた。 米国株も当然急落が起きると思っていた方が多かったようだが、急落どころか高騰して250ドルの上昇となった。
選挙日前のトランプ氏人気の上昇で1週間下がり続けていた事態からすると、まったく理解不可能な動きである。 どうやら経済面においても二つに分かれた組織間の闘争と混乱が始まっているようである。 素人は株や為替に手を出さぬことである。