エボラ出血熱の感染者が8400人、死者が4000人を越してきた。そんな中、とうとう米国でも西アフリカへの渡航歴のない人の2次感染者が発生する事態となった。スペインに続き2国目である。リベリアから帰国したあとダラスの病院で死亡したトーマス・ダンアカン氏の治療に関わった看護師(26才女性)の二次感染が確認され、現在、勤務先のダラス病院に愛犬と一緒に隔離されている。
ダンカン氏との接触のあった人物およそ80人については、現在その様子を見守っている最中であるが、今回の看護師の発病で、新たに彼女と接触があった夫やその友人への感染の可能性が出てきている。
西アフリカでは既に250名を超す医療従事者が死亡しているが、スペインの女性看護師の感染に続いて、今回の米国の看護師の2次感染で、先進国といえども、医療従事者の感染防止措置が十分に行われていない事実が露呈するところとなった。
最大感染国のリベリアに派遣されている国連職員のうち「
41人がエボラの疑いで隔離状態にある」ことが報じられているが、この内20人は軍人だという。軍人と聞くと思い出すのが、米国が西アフリカに向けて派遣することを決めた4000人の軍人部隊のことである。
未だにアフリカとの航空便の運行を制限していない米国、その上に大量の軍隊の派遣はさらにエボラ出血熱の国内感染を広めることにならないか不安である。「イスラム国」の米国へのエボラ攻撃が噂され始めているが、国境封鎖が不十分なメキシコ経由での感染者の進入を考えると、さらに不安が増してくる。