アフガニスタンで米軍の車両に手榴弾を投げ込み、米兵2人と現地通訳1人に重傷を負わせたかどで逮捕され、その後グアンタナモに移送されたモハメッド・ジャワドの逮捕時の年齢は収容所の記録には17歳とされていたが、アフガニスタンの人権団体の調査で、実際の年齢は12歳位だったことが明らかになったのだ。
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2001年の「同時多発テロ」そのものがアルカイダによるテロ行為などでないことは、知る人ぞ知る事実である。世界を回っていると、そんなことを本気で信じているのは世間知らずの日本人ぐらいであることが分かる。闇の勢力の手先となって3000人の自国民を犠牲にし、中東諸国で何十万人の犠牲者と数百万人の負傷者を出したブッシュ政権 。
彼らのやって来たことはそれだけではなかったのだ! 12才の子供を含めて収監した人々に対する耐えがたい拷問や人間として許されない拷問を長年にわたって繰り返して来たのだ。とても世界に向かって「人権だ!」「正義だ!」などと聲に言える国ではない。
前政権の米国と決別することを掲げ、グアンタナモ閉鎖を就任直後に約束したオバマ大統領も、何ら実行できていないことを考えれば半ば同罪となってしまう。それでもここに来て、議会上院の情報特別委員会が6年余の調査の結果を発表したことは救いである。
情報特別委員会の委員長は、公表によってイスラム過激派が利することになり、米国民の人命が危険にさらされることになる かもしれないが、国民は何が起きたのかその全容を知るべきであり、またこうした尋問が2度と起こらないようにするためには、公表は不可欠だった」と述べている。あまりにも遅きに失した感はぬぐえないが、今回の報告書公開は英断であった。
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いずれにしろ、委員長の発言の通り今回の報告書公開によって、これから先世界中の、特に中東や北アフリカの米国大使館や政府機関、軍隊、外交官などが攻撃にさらされることになることだけは間違いない。 そればかりか、イスラム過激派やイスラム国の指導者にとっては、格好の米国叩きの材料を提供してもらったようなもので、これから先 一般の米国国民もまた厳しい状況におかれることになるのは避けては通れないようだ。
記録的な自然災害や人種差別問題、格差問題で不満が噴出してきている時だけに、なおさら大変だ。しかしみな、米国とアメリカ国民自身が これまでに蒔いて来たカルマの刈り取りであることを考えれば、避けて通るわけにはいかない。文字通りの自業自得である。
グアンタナモ収容所に収容され拷問を受けた人物が語った「いくら公表されたとはいえ、誰もその責任をとらず、起訴されないのではあまりに不公平だ」という一言が心に残った。天からの米国に対する尋問がこれから始まることになりそうである。