新星地球の誕生に向かって産みの苦しみが様々な分野で始まりだしている。「イスラム国」の出現は人心の混乱による社会的動乱が抜き差しならぬ状況に陥ろうとしていることを示している。一方、米国を始め世界各国で発生して来ている記録的な自然災害やエボラ出血熱の拡大もまた留まるとこを知らぬ勢いとなって来ている。
そんな状況下、経済の成長の目印となるはずの株式市場の動向は、世界のすべての国で実質的には経済が低迷しているというのに、えせの経済指標と各国政府がばらまいた膨大な資金によって上昇を続け、リーマンショック前の数値を上回って史上最高値を更新続けてきていた。
しかし、いつまでも際限なく実体経済を無視した博打相場が続くはずがないことは、何回も記してきた通りである。「まだはもう」という金言
があるように、いつかはその「もうの時期
」が来る。その時期について、6月21日付けの記事「FRBの肩代わりをするECB」で、次のように記しておいた。
「これから先しばらくは
、欧州や日本のだぶついたマネーや米国のゼロ金利政策によって、株価上昇は続くものと思われるが、10月辺りが転換点となり、
いよいよ市場崩壊という「地獄のふた」が開きそうである。しっかり見守っていくことにしよう」
あれから3ヶ月余、予測通り、先週あたりから世界中の株価が下に向かって大きく動き始めた。本来なら米国の株式が真っ先に下がらねばならないのだが、米国発の世界恐慌を避けようとしている勢力は、他国の下げがきっかけであったとしたいため、欧州や日本、中国の株式市場の崩壊まで、引き延ばし策を講じてきた。
しかし、ウクライナ問題に対する対ロシア制裁によって経済が一気に鈍化したドイツをはじめとする欧州の景気下降を理由に、ここを好機とばかりに株価下落に向けて舵を切るところとなったようだ。それが先週から始まっている世界的な株の下落である。昨日の欧州株式市場の下落率はフランスの3.6%、イタリアの4.4%と大幅安となり、この1週間余で今年に入ってからの上げ幅を一気に帳消しにする下落となっている。
株価については、人為的な操作の面があるので100%確かとはいえなが、再び盛り返して史上最高値に向かうということは、もはやあり得ないように思われる。一旦下落が本格化したら、途中、多少の下げ止まりや切返しはあったとしても、暴落は一気に進みダウ平均は1万5000ドルを割った後は、1万ドル、7000ドルへと向かっていくことになりそうである。
それは、世界経済の崩壊の始まりを告げるものとなり、同時発生的に起きる国債市場の暴落は次々とデフォルト国を生み出していくことになるに違いない。正常な人間の目から見たら狂気的であった株価や債券市場であっただけに、その反動は想像を絶するものとなり、来年の春頃までには世界は大混乱に陥っている可能性は大である。読者におかれては、しっかりと備えをしておかれることをお勧めする。