他に類を見ない中国のまやかしの実体
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APEC用につくられた青空も、会議終了後わずか4日でもとの空に戻ってしまった
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昨日、経済の「まやかし」がまかり通っている
世の中の実体を紹介したが、今やそうしたまやかしは様々な面で世界中に蔓延しており、その代表格が中国である。先に各国の首脳を集めて開催された国際会議・APEC(アジア太平洋経済協力会議)の期間中、「APECブルー」
と揶揄(やゆ)された北京のつくられた青空こそが、習近平国家主席が演じた「まやかし劇」の一例であった。
各国首脳に「わが首都の青い空」をみせようと、渾身の術を振るう中国政府は次々と手を打った。火葬場では遺体の着衣は焼却禁止、レストランや工場などはみな閉鎖、 数百万台の自動車は走行不可。 最後には、
十分な青空が演出できないため、「軽度の汚染」という表現を使おうと、駐北京米国大使館が発表する「大気中のPM2.5が国際安全基準の6倍」という観測データがネット上から消しさるところと相成った。
「国際的な面子」を何より重んじる中国政府によって、こうしてなんとかごまかしの青空らしき状況がつくられたものの、
世界中の人々はみなこの茶番劇を白けた気持ちで眺めていた。世界の首脳が屋外で会議を開くというならともかく、絢爛豪華な室内で行われるAPECなら、世界のマラソンランナーが集まった北京マラソンの日の空を綺麗にする方が先ではなかろうか。
ランナーにガスマスクを付けさせて走らせながら、集まった首脳の目にえせものの青空を見せようというのだからあきれて物が言えない。こんな茶番劇でつくられた北京の青空も、APECの終了からわずか4日で元に戻り
、15日にはPM2.5の数値が日本の基準値のおよそ10倍にあたる333を計測。 どうやら、北京の空には似合いのPM空が戻ったようだ。
APECでは温暖化対策が主要議題として論議されたが、これまで温暖化対策に真剣に取り組んでこなかった国こそが、世界のCO2の搬出量の半分近くを発生している米国と中国であった。
急激な気候変動に見舞われている米国は、それなりの対策を数値化して打ち出したものの、今回もまた中国は具体的な数値目標は出さずに終わってしまった。
これでは世界の空は汚れ続けたままだ。
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ロシアから譲り受けた原子力空母。エンジンはディーゼル用エンジンに代えられている。
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軍事力に見る「まやかし」
これまで中国は軍事力の大半を陸軍に集中してきていた。仮想敵国を米国と連帯した韓国とロシア
に置いていたからである。そのため、海軍の装備や軍事訓練には手を抜いてきていた。そのため海軍の実力には?マークがついて
おり、軍事訓練に向かった兵士が船酔いするというお笑い話もそうした実情を裏付けていた。
そんな中国が尖閣や南シナ海、台湾海峡などにおいて、我が国やベトナム、フィリピンなどに対し心理的威圧感を与えるのに利用としているのが、先にお披露目された空母「遼寧」である。しかしその空母も自国で建造するには時間がかかるため、ロシアの原子力空母
の中古を購入したものであった。
しかし、この空母も艦としての最も重要な原子力エンジン部門を取り外されたものであった。そのため、出力(馬力)の弱い船舶用ディーゼルエンジンが取り付けられており、航続能力に限界があり遠洋作戦能力が不足していることは、軍事専門家の間では承知の事実である。
ここにもまた、空母保有国としてのメンツと他国への脅威を与えようとする、えせものの姿が見え隠れしている。わずか十数年前の中国がいかなる国であったか考えたら、世界第2の経済大国といわれている中国が、いかに急ごしらえのまやかしで成り立っている国であるかが分かろうというものである。こんな国が世界の覇権国になろうとしているのだからあきれる。また、恐ろしくもなってくる。
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