ウクライナ東部での戦闘は停戦合意によってストップしていることになっているが、ゾネツクなど一部の都市では未だに銃撃戦が続いており、完全に平穏が戻っているわけではない。ロシアは軍の派遣自体を認めていないが、今回の戦闘にロシア軍が関与したことは間違いなく、停戦に至った今でも、撤退が行われていないようである。北大西洋条約機構はウクライナ領内に1000人規模のロシア兵が留まっていると批判している。
そのロシアであるが、ウクライナ情勢の緊迫化と共にナショナリズムの機運が高まり、議会ではロシア軍の派遣が満場一致で決定するほどの勢いを見せていた。しかし、その後に欧米を中心とした国々による制裁措置によって、ロシアへの食料品などの輸入がストップしたり、通貨ルーブルが下落して日常生活品が高騰し続けていることから、国民の中から軍事介入に反対する声が上がり始めて来ている。
21日には首都モスクワで3万人規模の軍事介入反対デモが行われ、プーチン政権を批判する気運が出始めて来ている。ロシアの民間の調査機関によるロシアの軍事介入に関する調査結果によると、軍事衝突が起きた場合、政権を支持しない回答が、支持するを上回ったようである。
対ドルで今月に入ってからのルーブルの下落は急速に加速してきており、既に20%近い下落率に達し史上最安値を更新し続けている。その結果、政府は政策金利を8%にまで引き上げたことから、物価の上昇に歯止めがかからず、市民生活が厳しくなり消費が一段と落ち込んできている。
各国の国家の財政状況の悪化で、経済の低迷が続いている世界経済。中でも、ウクライナ情勢を巡って制裁合戦が続く欧州とロシアは、一段と厳しい状況に追いこまれている。再び戦闘が再開されるようなことになった時には、ロシアだけでなく欧州各国でも、市民の憤懣が噴出することは避けられそうにない。
難民船の沈没事故など地中海では今年に入ってからだけでも既に1800人が死亡、「死の海」と化している。みな、アフリカやシリア、イラクなどの戦闘から逃れようとしている難民であるが、その数はうなぎ登りで増加する一方である。
先日、パレスティナやシリア、エジプト、スーダンなどからギリシャに逃げ延びてくる難民船が沈没
し、700人以上の死者が出ているが、遭難事故だけでなく、人身売買業者による意図的な沈没事故も加わっているというから、悲しくなってくる。
レバノンでは隣国シリアからの100万人を越す難民に、パレスティナからの難民が加わって全人口の半数に達しようとしている。さらにトルコでもここに来て、イスラム過激派組織「イスラム国」からの無差別攻撃から逃れてくるクルド人を中心とした難民で、受け入れ体制が間に合わず難儀している。
シリアやイラクにおける内戦や紛争は解決の見通しがまったく立たない状況にあり、中東やアフリカではさらにリビアやイエメンなど内戦化が向かっている国々が増えてきているだけに、これから先、紛争当事国だけでなく、隣国や周辺国への影響がより深刻化して来そうである。
「相次ぐ難民船沈没事故」では、アフリカ中東の悲劇は欧州の悲劇と記したが、隣国中国で拡大する一方の差別に対する憤懣や、虐待され続けているチベット族やウイグル族の怒りが爆発し、大規模な暴動から内乱状態に陥った時には、我が国とて他人事では済まされなくなってくる。その時、日本海を渡ってくる難民の数はシリアやイラクの難民とは桁が違うからである。
難民の数が人口14億の1%に留まったとしても、その数は1400万人に達する。予測されている中国の暴動は国家を7つに分けることになるのではないかと言われているが、そのような状況となった時には難民の数は1%程度で留まることはあり得ない。あらゆる船舶を使って驚くほどの人々が渡って来る状況が目に見えるようだ。
もしも難民が8%を超えたらその数は日本国民1億1000万人を超えてしまうことになる。その多くが先ずは沖縄、九州、山陰地方へと押し寄せてくることになるだろうが、そうした地域では、日本人より中国人の方が多くなってしまう。小さな町では難民の中に日本人が混ざっている位の状況になるのではなかろうか。
しかし、問題はその数だけではない。中国人の人間性の問題である。彼らの多くが礼儀作法とか遠慮深さの欠如という点でいかにひどいかということは、今や世界中で知らない人はいない。あれほど移民に門戸を開いていたカナダでも、あまりの非常識さに入国制限を始めたほどである。
私が得た情報では、中国における動乱の発生は極めて近い将来に起きるようである。他国のことであるからして我々にはどうにも止めようがないが、もしも、予測通りの動乱が発生した時には、国家的規模の内戦状況にまで発展しないことを祈るのみである。