目の保護のためHP掲載の回数を抑えようとしているが、気になるニュースが次々と伝えられ願いは叶えられそうもなさそうである。今日は定番となっている米国を襲っている異常気象の様子をお伝えすることにする。
北米とカナダにおける猛暑については既に何度もお伝えしてきた。直近では「北米とカナダで記録的な猛暑」で北米で45℃、カナダで48.5℃を記録したことをお伝えしたばかりだが、13日のNHKの「
国際報道」ではカリフォルニア州のデスバレーでは7月11日に観測史上最高に迫る54.4℃を記録するところとなった
ことを伝えていた。
番組では、こうした異常高温が発生している原因として考えられているのが「ヒートドーム」の発生ではないかとしていたが、「ヒートドーム」というのは上空で発達した高気圧の蓋(ふた)
を意味し、これが海側からもたらされた暑い空気を閉じ込め、沿岸部一帯に継続的な高温をもたらすことになっているようである。つまり、太平洋の海水温度の上昇が沿岸部一帯に高温状態をもたらしているというわけである。
涼しい八ヶ岳山麓に住んでいる私には、55℃近い気温がどれほどのものか想像もできないが、冷房装置がなかったら水にでも浸かっていな
ければ過ごせないないのではなかろうか。こうした異常な熱波によって発生する惨事の一つが山火事であるが、米国のABCニュースは
北東部のニューヨーク市などが暴風雨に見舞われ、1975年以来最大の降水量を記録している一方で、カリフォルニア州など西部6州では山火事が多発しており、ここ1カ月間だけで50件近い火災が発生していることを伝えていた。
特にひどいのはカリフォルニア州とオレゴン州で、オレゴン州では山火事の季節が始まったばかりだというのに既に昨年の2倍になる8万ヘクタール、東京都の3分の1を上回る面積が焼失する事態となっているようである。
この調子でこれから先、森林が次々と失われ続けたらどうなるか。森林が再生するには半世紀はかかるだけに
、遠からずしてカリフォルニア州を始めとする西部一帯の州から森林が半減してしまうことになるかもしれない。
いかに広大な面積を持つ米国と言えども、容易に見逃すことの出来る状況でないことは確かである。
異常高温による被害は山火事だけではなさそうで、土地の乾燥化によって農作物の栽培にも大きな被害を発生させているようである。西部では高温現象だけでなく、降水量も少なくなっているため、熱波によって地表の温度が上がり土地が水分を保てなくなってしまい、農作物が成長できなくなってしまっているのだ。
そうした農作物の不作に深刻な影響を受けているのが、カリフォルニア州の農業の中心地であるセントラルバレーでは、ここ数年、農業用の貯水池の水位が低下し畑への給水が十分に出来なくなってきているため、栽培をあきらめる人たちも出て来ているようである。
西部の9つの州では、その80%近い地域で干ばつ状態と化して来ているようであるが、気象関係の専門家は「こうした干ばつの影響は今後ますます大きくなる
だろう」と警告している。干ばつで大きな被害が発生しているカリフォルニア州やオレゴン州の農地では、コメやジャガイモ等の栽培も行われて我が国にも輸出しているだけに、
これから先、日本の食卓にも影響が出てくることは避けられないようである。
どうやら、我が国の食料の自給率が38%であることを考えると、米国の猛暑を他人事としておれることは出来なくなってきそうである。また、我が国とて異常気象による被害からいつまでも逃れていることは出来ないだけに、
自国産のコメや野菜の減少する中で海外からの輸入がストップした時のことを考えると、かねてからお伝えしているように、食糧の備蓄はしっかりしておかれたほうがよさそうである。