米国でガソリン価格高騰
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ガソリン価格の高騰が続く米国 |
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米国ではガソリン価格が高騰しており、これから先、感謝祭やクリスマスなど年末年始にかけての外出シーズンを迎える時期だけに、市民の間に困惑感が広がっているようである。我が国でも車による旅行が多くなっているが、米国では90%以上が車での移動となっており、移動距離も大きいだけに気になるところである。
こうした状況が最も深刻となっているのがカリフォルニア州で、ロスアンジェルスではレギュラーガソリン価格が1年前に比べ2倍近くに値上がりしており、市民は大きな痛手を受けているようである。全国的な平均価格も2.12ドルが3.41ドルと70%の値上がり状態となっているようである。
またレンタカーの料金も昨年に比べて66%上昇し、コロナの感染拡大以前に比べたら75%上昇している上に、旅行に出かける際には、供給不足もあり予約をとるのが大変のようである。
そうした状況を耳にした後、先日、自動車の販売と修理を行っている知り合いの業者と話していたら、我が国も米国と同様な状態になって来ており、他人事では済まされないような状況になっているとのことであった。新車を購入しようとすると、納車までに3カ月から半年、人気の車種はそれより更に長くかかるものもあり、また修理に要する日数も、従来なら3,4日であったものも2週間以上かかるようである。
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感謝祭で5000万人近くの人々が出かけるシーズンだけに
市民生活への影響が懸念されている。
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こうした状況が中古車市場にも影響を及ぼしており、新車の購入にそんなに日数がかかるなら中古車を買おうとする人々が増えて来ているため、中古車市場がにぎわっており、特に「新古車」に対する需要が増していて、信じ難いことであるが、人気の車種によっては新車より高い価格の新古車が出ているようである。
こうした異常な状況の発生原因は部品の一部が品不足となっていることである。米国も日本も部品の多くが東南アジアからの輸出に頼っており、コロナ禍でインドやインドネシア等が感染拡大で生産がストップしているため、まだしばらくはこうした状況が続きそうである。
更にそうした状況に拍車をかけているのが世界的なガソリン価格の高騰である。サウジアラビアやロシアなどの産油国にとっては、オイルは一つの武器と化して来ており価格の引き下げはそう間単に行われそうにないだけに、これから先、ガソリンの高値はまだしばらくは続きそうである。
私が一番心配しているのは、イギリスをはじめとするヨーロッパの主要国や米国などで、コロナ禍による人手不足などでガソリン以外にも、食料品などの日用品の高騰が続いている点である。我が国ではまだ切実感がないようだが、もしかするとこれから先、世界的に厳しいインフレ状況に見舞われることになるかもしれないからである。
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