20年間にわたる米国にとって最も長い戦争が終わり、日本時間の今朝早朝、アフガニスタンから最後の軍用機が撤退した。
これを受けてタリバンは「我が国は完全に自由になり独立した」とツイッターに投稿。またロイター通信は、人々が米軍撤退を祝って集まり、車のクラクションを鳴らして喜んでいる情景を伝える一方で、タリバンの下では仕事はない、子供を食べさせていく為には国を出ていくしかありません」と隣国イランに向かって避難する市民の悲惨な様子を伝えていた。
20年間に250兆円という巨費を使ってアフガニスタンの内政に関わってきた米国の支援活動は、アフガンの国民に何をもたらしたのか。バイデン大統領の発表した撤退期限を前に飛び立っていく最後の軍用機を恨めしそうに見つめる、避難できずに残された市民の姿を見ていると、なんともやりきれない気持ちになった。
今朝早朝のアメリカABCニュースが、そんな米軍のアフガンからの撤退情報を後回しにして報道したのが、米国南部ルイジアナ州を襲ったハリケーン「アイダ」の惨状であった。それを見ていた私は、米軍のアフガンへの参戦と統治はアフガンの人々を救うことにならず、苦しみと悲しみを残しただけだったようだと、思わずにはおれなかった。
米軍の撤退時に時を合わせてルイジアナ州ニューオリンズ市を襲ったハリケーン「アイダ」が、上陸時の最大瞬間風速が74mと米国のハリケーンで史上最大の勢力となって甚大な被害をもたらしていたからである。「これは決して偶然ではない」、天は米軍のアフガンへの参戦が意味のないものであったことを、ハリケーン「アイダ」をもって米国民に知らしめたに違いない、と強く感じたのだ。