8月13日付の記事「米軍の悲惨なアフガンからの撤退劇」で、バイデン政権がアフガン駐留の米軍の撤退を実施
したたことによって、新政権に転覆させようとする武装勢力・タリバンが次第に勢力を増してくる可能性が強く、市民生活が一段と厳しくなって
来そうであることをお伝えした。
あれから3カ月、表面的には新政権による統治が順調に進んでいるように見えるが、実体はアフガン情勢は驚くほど厳しい状況下にあり、何百万人多くの人々が仕事を失って国民の約半分の1400万人が食糧援助を必要とする状況と化しているようである。そうした人々は食糧危機だけでなく、間もなく
やってくる厳しい冬を迎えることになるのだ。
こうした状況下、米国のPBSテレビは中東やアフリカ諸国などで昨今相次ぐ不幸に見舞われている国々の中でも、これほど悲惨な国はないかもしれないと伝えていた。読者に置かれては、今回掲載させて頂いた病院のベットに横たわる乳飲み子たちの悲惨な姿を見て頂ければ、そうした状況をご納得されるに違いない。
幸いにも数少ない病院に入院出来たとしても患者が多いためベット不足となっており、一人用のベットに衰弱した子供が何人も横たわる状況と化している。テレビに映り出された子供たちが栄養不良でやせ衰えた姿や、皮膚炎を起こして体の皮膚が黒くなっている姿を見ると、胸が締め付けられる思いである。
こうした状況と化している一番の要因はアフガニスタン政府がこれまでに海外に保存して来ていた90億ドル(1兆円)の資金を、タリバンの手に渡さないようにと米国を始めとする先進国が凍結している為である。なんとかこの資金を新しい政権に座に就いた新政府に渡してやることは出来ないものだろうか。