東南アジアのタイではこの時期は稲の刈り入れの時期であるが、東北部を中心にここ数週間降り続いた大雨で農業全体に大変な被害が広がっており、30万人の農業従事者が深刻な事態に陥っている。掲載させて頂いた写真を見て頂ければその被害の様子がお分かりになるはずだ。
タイでは10年前の2011年にも同様な被害が発生しており、その際には政府が損害額分の支援を行ったようであるが、今は財政が厳しいため十分な支援は難しく、銀行からの長期貸付枠を広げる程度の措置しか取れなくなっているようである。これでは救済にはならない。
こうした厳しい状況はタイに限ったことではなく、洪水や干ばつは今、世界各地で多発してきているだけに、農業従事者だけでなくその米を購入している人々にとっても価格が高騰し、生活が厳しい状況におちいる事態が懸念され始めている。
我が国でも台風や大雨による被害は何度も発生してきているが、広大な農地全体が湖と化す程の大規模な状況に陥るまでには至っていないだけに、タイのような惨状は
驚きである。しかし、洪水や干ばつが地球全体でその頻度と規模を増してきていることを考えると、
同様な事態がいつ我が身に降りかかるか分からない。
「心の準備」と「備蓄」だけはしっかりしておきたいものである。