前回はタイで大規模な洪水が発生し、農業に深刻な影響が広がっているニュースをお伝えしたが、今回は中国における洪水で北部一帯が電力不足に陥り大規模な停電状態と化しているニュースである。
中国では来年早々、2月4日から20日にかけて冬季オリンピックとパラリンピックが開催される。そのため、習近平政権は悪評高い大気汚染を抑えるために石炭の生産や使用を規制。その結果、しばらく前から石炭価格が高騰する一方、電力不足が深刻化して大規模な停電が発生する事態と化していた。
来春までこうした状況が続くのではと懸念されていたが、それに追い打ちをかけるように、10月に入ってから内陸部を中心に広い地域で大雨が続いて洪水や土砂崩れが発生。その結果、内陸部の山西省で200万人が被災し数十万人が避難する事態と化し、30カ所を超す炭鉱で生産が停止状態となった。
このため冬を前に電力不足がさらに悪化し、照明だけでなく暖房が取れない厳しい事態が到来することになるのではないかと懸念され始めている。